業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社の事業はエンゲージメントプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

① 財政状態の状況

a.資産

 当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて42,918千円減少し、1,360,893千円となりました。これは主に、売掛金が26,983千円増加したものの、長期借入金の返済等に伴い現金及び預金が105,709千円減少したことによるものです。

b.負債

 当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて84,981千円減少し、433,335千円となりました。これは主に、前受金が48,063千円増加したものの、長期借入金が130,964千円減少したことによるものです。

c.純資産

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて42,063千円増加し、927,557千円となりました。これは、主に当期純利益を36,802千円計上したことによるものです。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、前事業年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大により経済活動が大きく制限されました。2021年において、国内でワクチン接種が促進されてきたことに伴い、沈静化に向けて前進しつつあるものの、新たなオミクロン株の感染者増加により、経済活動はいまだ先行き不透明な状況が続いております。

 他方、当社が属するHR Techサービス領域については、従来からの「働き方改革」の推進に加えて、ニューノーマル(新常態)におけるテレワーク・在宅勤務への関心の高まりや、政府による電子化推進などを背景に、引き続き高い注目を集めております。

 こうしたマクロ経済動向のなか、当社は「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」という経営理念のもと、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」の事業拡大を進めてまいりました。コロナ禍による企業活動の停滞や新規投資マインドの減退の影響がありましたが、Webマーケティングの強化やWeb商談の活用により、潜在的な需要へのアプローチに注力しております。加えて、利用企業向けのオンラインイベントの開催など、利用企業の支援(カスタマーサクセス)の強化にも取り組んでおります。それにより、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」は堅調に成長を続け、2021年12月末時点で利用企業数は422社(前年同期比99社増)となりました。

 また、当社では、「TUNAG」が保有する組織運営・組織活性化に有用な多数の機能をオンラインサロン向けに拡張・再構築し、2020年5月よりサブスクファンサロンアプリ「FANTS」の提供を開始しており、2021年12月末時点で利用サロン数は138サロン(前年同期比123サロン増)となりました。

 なお、当社はエンゲージメント経営を人材採用の視点から支援する新しい人材紹介事業の運営を行うため、100%子会社である「株式会社STAGE」を設立いたしました。当社では、子会社の資産、売上高、損益、利益剰余金及びキャッシュ・フローその他の項目から見て、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を誤らせない程度に重要性が乏しいものとして、連結財務諸表は作成しておりません。

 以上の結果、当事業年度の経営成績は売上高913,801千円(前年同期比47.2%増)、営業利益33,626千円(前年同期比57.1%増)、経常利益32,851千円(前年同期比355.2%増)、当期純利益36,802千円(前年同期比773.6%増)となりました。

 なお、当社の事業セグメントはエンゲージメントプラットフォーム事業の単一セグメントですので、セグメント別の記載は省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ755,709千円減少し、535,780千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は91,446千円(前年同期は67,300千円の獲得)となりました。これは主に、前受金48,063千円の増加、税引前当期純利益32,851千円の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は674,868千円(前年同期は41,039千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出650,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は172,287千円(前年同期は972,366千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出163,652千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 販売実績は、次のとおりであります。

当事業年度

(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

913,801

147.2

 (注)1.当社はエンゲージメントプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 経営成績の分析

a.売上高

 当事業年度における売上高は913,801千円(前年同期比47.2%増)となりました。これは主に創業事業であるエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の新規顧客開拓活動を拡大したことによるものであります。

 

b.売上原価、売上総利益

 当事業年度における売上原価は192,627千円(前年同期比63.1%増)となりました。これは主にプロダクト部門の人員の増加によるものであります。この結果、売上総利益は721,173千円(前年同期比43.4%増)となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業損益

 当事業年度における販売費及び一般管理費は687,547千円(前年同期比42.8%増)となりました。この結果、営業利益は33,626千円(前年同期比57.1%増)となりました。これは主にWebマーケティングなど広告プロモーションの強化に伴う広告宣伝費の増加によるものであります。

 

d.経常損益

 当事業年度において営業外収益が330千円(前年同期比56.8%増)、営業外費用が1,105千円(前年同期比92.3%減)発生しております。営業外費用の増加は、支払利息によるものであります。この結果、経常利益は32,851千円(前年同期比355.2%増)となりました。

 

e.当期純損益

 当事業年度において特別損益については、該当事項はありません。法人税等が3,951千円のマイナスとなった結果、当期純利益は36,802千円(前年同期比773.6%増)となりました。

 

③ 財政状態の分析

 当事業年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、広告宣伝費、地代家賃等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は定期預金の預入等によるものであります。運転資金は自己資金を基本としており、当事業年度末における借入金残高は35,006千円となっております。

 

⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標等」に記載の通り、売上高、営業利益、利用企業数・運用サロン数、利用企業・運用サロンの平均月額収益、売上高ストック比率等を重要指標としております。

 

(利用企業数・運用サロン数及び利用企業・運用サロンの平均月額収益)

 「TUNAG」においては、新規顧客獲得活動および利用企業におけるアップセル等により、利用企業数及び利用企業の平均月額収益ともに四半期ごとに安定的に増加いたしました。

 (利用企業数:422社(前年同月比130.7%) 平均月額収益171千円(前年同月比106.4%))

 「FANTS」においては、新規顧客活動により運用サロン数は四半期ごとに増加しましたが、会員数の少ない開設初期のサロン比率が高まったことにより、利用企業の平均月額収益は減少しております。

 (運用サロン数:138サロン(前年同月比920.0%) 平均月額収益50千円(前年同月比78.2%))

 

(売上高ストック比率)

 「TUNAG」において、売上高ストック比率は順調に増加し、当事業年度末時点で90%を超過しております。今後もストック比率は高止まりが継続する見込みで、安定的な収益基盤を構築してまいります。

 「FANTS」においては、事業開始より期間が短いことから、当事業年度末時点で55.5%とTUNAGと比較すると低くなり、その変動も大きい状況にありますが、新規サロンの獲得と既存サロンの収益拡大を両輪で推進することでストック収益の積み上げを図り、収益の安定化と高成長の両立を目指してまいります。

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