(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次の通りであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、新中期経営計画「EMPOWER THE NEXT-22」をスタートさせ、「レジリエントな事業基盤の構築」、「マーケットイン型開発の推進」、「SDGsへの取り組み」および「企業文化・組織風土の改革」の4つの基本方針に基づき、具体的な施策に取り組みました。
当連結会計年度の売上高は、880億8千4百万円と前期比9.4%の減少となりました。収益認識会計基準等を適用したことによる売上高の減収影響が237億4千1百万円あり、実質的には増収となりました。利益面におきましては、営業利益は124億1百万円と前期比48.7%の増加、経常利益は134億3千5百万円と前期比52.0%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は94億4千2百万円と前期比56.1%の増加となり、各段階利益は過去最高となりました。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べて、8.2%増加し1,291億5千9百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、11.2%増加し821億4千2百万円となりました。これは、主として有価証券が59億9千9百万円増加したことによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、3.3%増加し470億1千6百万円となりました。これは、主として有形固定資産が30億5千7百万円増加したことによります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて、7.4%増加し452億6千3百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、48.6%増加し398億5千万円となりました。これは、主として1年内償還予定の新株予約権付社債が87億3千3百万円、未払法人税等が14億9千8百万円それぞれ増加したことによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、64.7%減少し54億1千2百万円となりました。これは、新株予約権付社債が87億3千7百万円減少したことによります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、8.6%増加し838億9千6百万円となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、50億8千万円増加し370億1千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、133億7千8百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が134億1千2百万円、減価償却費が37億3千1百万円、法人税等の支払額が25億9千2百万円となったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、69億6千1百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が56億8千5百万円となったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億4千6百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額が15億7千4百万円となったことによります。
3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
基礎化学品 |
41,150 |
+13.0 |
機能化学品 |
27,160 |
+47.9 |
住宅設備ほか |
556 |
+11.9 |
合計 |
68,867 |
+24.6 |
(注)1 金額は、平均販売価格により算出したものであります。
2 上記には自家使用分が含まれております。
② 製品仕入実績
当連結会計年度における製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
基礎化学品 |
16,504 |
△32.8 |
機能化学品 |
12,082 |
△9.1 |
住宅設備ほか |
4,773 |
+48.3 |
合計 |
33,361 |
△18.7 |
(注)1 金額は、仕入価格により算出したものであります。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
住宅設備ほか |
352 |
△85.8 |
397 |
△67.1 |
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
基礎化学品 |
36,942 |
△12.9 |
機能化学品 |
45,879 |
12.6 |
住宅設備ほか |
5,261 |
△62.7 |
合計 |
88,084 |
△9.4 |
(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なもの及び新型コロナウイルス感染症の影響は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しています。
2)当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から正常化に向けた持ち直しの動きが続いているものの、感染力の強い新たな変異株の登場により感染症の収束が見通せず、依然として厳しい状況で推移いたしました。今後も回復基調が続くものと期待されますが、供給面での制約や原燃料価格の高騰に加え、ウクライナ情勢の影響等もあり、先行きは極めて不透明な状況となっております。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は下記のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、880億8千4百万円と前期比9.4%の減少となりました。収益認識会計基準等を適用したことによる売上高の減収影響が237億4千1百万円あり、実質的には増収となりました。利益面におきましては、営業利益は124億1百万円と前期比48.7%の増加、経常利益は134億3千5百万円と前期比52.0%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は94億4千2百万円と前期比56.1%の増加となり、各段階利益は過去最高となりました。
この結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の257.37円に対して、404.73円となりました。
セグメント別の概況は、以下のとおりであります。
(基礎化学品)
クロール・アルカリは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による景気の落ち込みから需要が回復し、かせいソーダを中心に売上高は増加しました。
エピクロルヒドリンは、電子材料関係を中心に需要が好調に推移したことや原燃料価格上昇にともなう価格改定が進んだことにより、売上高は増加しました。
収益認識会計基準等を適用した影響もあり、基礎化学品の売上高は369億4千2百万円と前期比12.9%の減少となりました。
(機能化学品)
合成ゴム関連では、エピクロルヒドリンゴムは、自動車用途およびOA用途向けの需要が増加したため、売上高は増加しました。アクリルゴムは国内外で新規採用が進み、またアジア向けを中心に販売が増加したため、売上高は増加しました。
ダップ樹脂は、電子材料用途で需要が増加したことやUVインキ用途の需要回復にともない国内外で販売が堅調に推移したことにより、売上高は増加しました。
アリルエーテル類は、国内外のシランカップリング剤用途で拡販が進み、売上高は増加しました。
医薬品精製材料は、欧米並びにアジア向けの糖尿病治療薬用途等の需要が拡大し、売上高は増加しました。医薬品原薬・中間体は、抗結核薬中間体、抗がん剤原薬および中間体および血流改善薬中間体の販売が拡大したため、売上高は増加しました。
以上の結果、機能化学品の売上高は458億7千9百万円と前期比12.6%の増加となりました。
(住宅設備ほか)
生活関連商品の販売は堅調に推移しましたが、収益認識会計基準等を適用した影響もあり、住宅設備ほかの売上高は52億6千1百万円と前期比62.7%の減少となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。運転資金は自己資金、短期借入金により賄い、成長戦略に沿った設備投資資金は、自己資金、新株予約権付社債により賄っております。
また、当社において子会社の資金を一元管理し、資金効率の向上を図っております。
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