課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループ企業理念「独創的な技術と製品により安心で豊かな社会の実現に貢献します」のもと、経営ビジョンである「化学を通じて社会が求める新たな価値を提供する企業グループ」を目指します。

 その実現に向け、当社グループは、環境・安全に配慮したものづくりで、サステナブルな社会の実現に貢献し、グローバル競争力のある技術と品質で、お客様のニーズに応え、社員一人ひとりの価値観を大切にし、ともに成長する企業を目指します。

 

(2)対処すべき課題、中期的な経営戦略

 今後の経済見通しにつきましては、景気の持ち直しが継続するものと期待されますが、新たな変異株による感染拡大の長期化や原燃料価格のさらなる高騰等の影響が懸念され、引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。

 このような情勢のもと、当社グループは、第7次中期経営計画「EMPOWER THE NEXT-22」(2021年度~2022年度)の最終年度を迎え、「レジリエントな事業基盤の構築」、「マーケットイン型開発の推進」、「SDGsへの取り組み」、「企業文化・組織風土の改革」の4つの基本方針を軸に、各部門において中期経営計画で掲げた具体的な施策を着実に実行してまいります。

 「レジリエントな事業基盤の構築」においては、基礎化学品では、原燃料価格の上昇に対応した価格改定と生産効率改善のための更新投資・コストダウンに取り組み、安定的に収益を生み出せる事業基盤へと強化します。機能化学品では、アリルエーテル類は生産能力増を活かして電子材料向けを中心とした需要の取込みを行い、新製品であるアクリルゴムとノンフタレート型アリル樹脂は新規顧客での採用をさらに推し進めます。また今後の収益の柱と位置づけるヘルスケア事業では、旺盛な需要に対応するため医薬品精製材料、医薬品原薬・中間体ともに設備投資を行い、生産能力を拡大してまいります。

 「マーケットイン型開発の推進」では、事業部門主導により顧客ニーズを的確に把握して新製品を企画し、研究開発部門が迅速に開発することにより、早期上市を図ります。「環境・エネルギー」の分野では、半固体電池の量産化に向けた特殊ポリエーテルの供給体制を構築するとともに、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として採択された全固体電池用超高イオン伝導性ポリマーの開発を推進してまいります。「モビリティ」の分野では、アクリルゴムの超高耐熱グレードの早期上市を進めるとともに、自動車の電動化・自動運転化を支える新素材の開発に注力してまいります。「情報通信」の分野では、パワー半導体に寄与する材料として銀ナノ粒子等を開発し顧客での評価を進めてまいります。「健康・ヘルスケア」の分野では、医薬品のモダリティ変化に対応して、バイオ医薬品の製造および精製技術を強化します。また、NMN乳酸菌等の健康寿命の延伸に貢献する製品の開発も進めてまいります。

 「SDGsへの取り組み」では、事業を通じた社会への価値提供に加え、気候変動や地球環境保全への対応策の現実解を議論し、温室効果ガスの排出削減目標など重要課題に対する取り組みを強化してまいります。

 「企業文化・組織風土の改革」では、新たな経営理念体系の下で、業務システム及び人事制度を刷新するとともに、全階層にまたがる業務改革活動を通じて組織力と人材力の底上げを図り、生産性の高い企業風土への変革を目指します。
 また、当社グループは、環境・安全と製品の品質の確保には、レスポンシブル・ケア活動とISO活動を通じて万全を期すとともに、省資源・省エネルギー活動など持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを強化しながら、地球環境と調和した企業の発展を図ってまいります。さらに、企業の社会的責任を重視し、日々の事業活動において法令遵守に積極的に取り組んでまいりますとともに内部統制システムを強化し、当社グループのコーポレート・ガバナンスのさらなる充実に努め、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。株主のみなさまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

 

 

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