事業の内容

3【事業の内容】

(1)ミッション

当社グループは、「本気で課題に挑む人たちと、事業を通して社会にポジティブなアップデートを仕掛けていくこと」をミッションに掲げています。当社の社名に含まれる“Sun”はまさに「太陽」。地球上のすべての生命を育むインフラです。革新的なサービスや、新しいイノベーターの「種」を、私たちの光で照らし、それらを育む最強のインフラになることを目指しています。“*(Asterisk)”は、多くのプログラミング言語で掛け算を表す記号です。当社Sun*は本気で社会課題に挑む様々なチャレンジャーや新しい価値を生みだすクリエイターたちとのコラボレーションを通じて、より大きな課題に取り組み、社会にポジティブなアップデートを仕掛けていきます。

また、Sun*が価値創造をするためのインフラとなることで、全人類が生まれた時から持っているクリエイティブへの情熱を呼び起こし「誰もが価値創造に夢中になれる世界」というビジョンの実現を目指します。

 

(2)事業コンセプト

社会にポジティブなアップデートを仕掛けていく手法には様々なものがありますが、当社グループでは、デジタル・テクノロジーとクリエイティブの活用、そして才能の発掘・育成を柱に据えています。

昨今はたった一つのスマートフォンアプリによって社会インフラを劇的に変化させることができる時代となっています。ただし、そういった革新的なプロダクトを創り出していくためには、最新のIT技術を活用できるアーキテクト、エンジニアはもちろん、アイデアを形にできるプランナー、デザイナー、プロジェクトを円滑に進行できるプロジェクトマネージャー、ディレクターなど、様々なタレントが必要であり、なおかつ、そういったタレントを一つのゴールに向かうチームとして機能させていく必要があります。

当社では、デジタル・テクノロジーとクリエイティブを活用できる最適なチームを編成し、本気で社会課題に挑む様々な「ヒト」「モノ」「コト」とのコラボレーションを通じて新たな価値を創り出していく事業を「デジタル・クリエイティブスタジオ事業」と命名し、展開しています。

 

なお、当社グループは当社と連結子会社である、多数の優秀なエンジニアを有するベトナム拠点のSun Asterisk Vietnam Co.,Ltd、国内でのIT人材の育成・紹介・派遣を行っているグルーヴ・ギア株式会社、大手企業のニーズに対応するクリエイティブ×ビジネスの領域に特化した株式会社NEWh、エンターテインメント領域のクリエイティブに強みを持つ株式会社Trysの5社(2021年12月31日時点)で構成されています。デジタル・クリエイティブスタジオ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(3)サービスラインアップ

当社グループのデジタル・クリエイティブスタジオ事業は、クライアントのデジタルトランスフォーメーション(注1)や新規事業開発の支援を、「クリエイティブ&エンジニアリング」と、「タレントプラットフォーム」という2つのサービスラインで実行し、さらに各サービスラインの中で顧客の課題やニーズに合わせたサービスを提供しています。

 

① クリエイティブ&エンジニアリング

主に日本のクライアントの事業アイデア創出からプロダクト開発・プロダクトの継続的な成長をクリエイティブとエンジニアリング面で支援するサービスラインです。

本サービスラインでは、クライアントとの準委任契約もしくは請負契約により収益が発生します。3か月以上継続する準委任契約はストック型、3か月未満の準委任契約及び請負契約はフロー型と分類しており、2021年12月期の本サービスラインに占める割合はストック型約85%、フロー型約15%と、安定した収益モデルを実現しています。

クライアントの課題や状況に応じて以下のようなサービスを提供しています。

 

デザイン思考(注2)等を用いた事業アイデアの創出、課題抽出のコンサルティング、リーンスタートアップ(注3)の手法によるMVP(注4)の開発、サービスの価値検証を支援します。デジタルトランスフォーメーションの実績が豊富な事業コンサルタントが要件の整理を行い、スタートアップの立ち上げに特化したCTO経験のあるリードエンジニアやUI/UXデザイナーが、ファーストプロダクトのリリースまでを担当し、本格的なプロダクトの開発とサービス運用に繋げる為の役割を担います。

 

また、サービス立ち上げ後のプロダクトの継続的な開発・運用を、ベトナムのハノイ、ダナン、ホーチミンに拠点を持つ子会社も活用し、豊富な経験・実績を持つグローバルITチームの編成により支援します。アジャイル開発(注5)、独自のDevOps(注6)ツールの活用等により、ユーザーニーズに合わせた素早いプロダクト改善を行うことでサービス成長プロセスを高速で実行し、事業価値の最大化を図ります。日本語対応可能なベトナム人プロジェクトマネージャーやエンジニアと連携し、スムーズなコミュニケーションでの開発が可能です。

ベトナム子会社でエンジニアを1,000人超抱えているため、エンジニアリソースがボトルネックとなっているクライアントの、事業拡張要請にスムーズに対応できる事も特徴です。

 

クリエイティブ&エンジニアリングによるプロダクト開発支援サービスの流れ(例)

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なお、エンターテインメント領域においても、MOOOSという新サービスの企画・運営など積極的な展開を推進しています。このエンターテインメント領域における事業展開を更に加速させるために、M&Aという手法も模索してきましたが、2021年9月に株式会社Trysの全株式を取得し、連結子会社としています。

当社グループでは、ブロックチェーン技術を中心に据えた、NFTやDeFiなどのソリューションは、まずはエンターテインメント領域で浸透・発展していくと考えています。ゲーム開発・運用の経験が豊富なTrysを軸に既存事業で従来通り収益をあげながら、CryptocurrencyやNFTを活用した領域に徐々に展開、ビジネス実装と運営の経験を積み、その後BtoBソリューションや生活・社会インフラへのブロックチェーン技術の活用を当社グループとして推進していきます。なお、現時点で具体的に決まった計画はありません。

 

② タレントプラットフォーム

クライアントの事業アイデア創出からプロダクト開発・プロダクトの継続的な成長を人材の紹介面で支援するサービスラインです。国内外において以下のようなサービスを提供しています。

 

まず、日本国内でIT人材の発掘・育成及び、紹介・派遣を行っています。子会社のグルーヴ・ギア株式会社が運営するIT人材育成スクール「GEEK JOB」を通し、エンジニア未経験者や、転職希望のエンジニアに対し、プログラミングやプロジェクトマネジメントスキルと働き方を身につけた現場で活躍できる若手エンジニアを育成しています。本スクールの卒業生をクライアント企業に紹介、又は派遣することで、クライアント内でのIT人材不足の課題を解決しています。

また、当社内に、日本国内の即戦力人材(国籍問わず)を社員のネットワークや各人材会社の提供するデータベース等を活用して発掘する専門チームを設置し、主にクリエイティブ&エンジニアリングのクライアントの要望に応じて各社に紹介する支援も行っています。

本サービスでは、主にクライアントとの人材紹介・人材派遣契約、業務委託契約などにより収益が発生します。

 

さらに、日本国内のみならず、海外拠点のあるベトナムをはじめとしたアジア各国のトップ大学と産学連携し、日本でエンジニアとして就職を希望する学生たちを集めた選抜コースを運営しています。2006年から日本のODA事業及び独立行政法人国際協力機構(JICA)による技術協力事業として実施されていたハノイ工科大学向けのプロジェクトが終了するタイミングで、ハノイ工科大学から取り組み継続のための人的リソース提供の要請を受けて2014年から当社グループが当該選抜コースの運営を行うことになり、現在ではその取り組みが発展し、12校で2,248名(2022年1月1日時点の1〜5年生の合計)の学生が在籍する規模に拡大しています。当社社員を講師として各大学に派遣し、実践的なIT技術と、日本語でのコミュニケーションを教え、その後当社社員が学生メンターとして日本企業への就職のサポートを行います。この産学連携プロジェクトで育成した人材を当社が運営する海外理系トップ大学限定採用選考プラットフォーム「xseeds Hub」を通じて日本国内の企業へ紹介することで、少子高齢化に起因する日本の高度IT人材不足への中長期的な課題解決にも取り組んでいます。

本サービスにおいては、クライアントの「xseeds Hub」の利用料と、採用決定時の成功報酬により収益が発生します。

 

(注)1.デジタルトランスフォーメーション:2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」。IoT、AI(人工知能)、ビッグデータ・アナリティクス(解析)など、デジタル技術を活用することで、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立する。略称は「DX」。

2.デザイン思考:IDEO創始者であるデビット・ケリーによって開始された問題解決のためのフレームワーク。デザイン思考は、非連続なイノベーションを実行するにあたり、問題をいかに解決するかではなく、問題の所在、本質を明らかにするためのアプローチ。デザイン思考を実施する際には、1.Empathies(共感)、2.Define(定義)、3.Ideate(概念化)、4.Prototype(プロトタイプ)5.Test(テスト)の5つのステップで行われ、修正不可能な直線的な進め方ではなく、常に修正可能で、状況に応じてそれぞれのプロセスが行き来する進め方をする。問題発見と問題解決を明確化することによりイノベーティブなサービスを展開するための手法。

3.リーンスタートアップ:2008年にアメリカの起業家であるエリック・リースによって提唱された、企業や新規事業立ち上げのためのマネジメント手法。リーンスタートアップを活用することで、事業運営者のバイアスを最大限排除するためにユーザーからのフィードバックを中心とした事業創造が可能となる。リーンスタートアップを実施する際には、仮説を策定し、その仮説を検証するための最低限の機能を持ったサービスを試作品として短期間で作成し、ユーザーに提供することでユーザーとの対話を進め、ユーザーからの反応、結果を分析し、サービスが市場に受け入れられるか否かを判断し、市場に受け入れられることが確認できれば、サービス改善、機能追加を行いというサイクルを高速で繰り返すことで、起業、新規事業の成功率を上げることが可能。

4.MVP:Minimum Viable Product 。必要最低限の機能を持つ製品や、それを使ったアプローチ。MVPを利用することによって、限られた時間で顧客のニーズに基づく商品・サービスを構築することができるため、無駄なコストの削減にもつながる手法として注目されている。

5.アジャイル開発:アジャイル(agile)は「素早い」「機敏」「回転が早い」といったニュアンスの単語。常に変化をし続けることを前提として、重要度の高い機能から、短い期間で仕様策定、開発、テスト、リリースの一連のプロセスを行い、それを繰り返していきながら改善していく開発手法。ビジネスのスタートを早めることが出来、仕様や要件変更にも柔軟に対応することが可能。ユーザーニーズを優先させ、より良いプロダクトを効率的かつ素早く開発運用することが可能となる。

6.DevOps:デベロップメントアンドオペレーションズの略称。開発と運用を連携しコードレビューやテスト、Webセキュリティのチェック、リリース作業などを自動化することで、信頼性の高いコードをスピーディーに、かつ安定して配信するための開発手法。従来のシステム保守という考え方ではなく、継続的に開発をしながらサービスを運用し、変化の早いユーザーニーズに合わせたサービスの改善を素早く行うことが可能となる。シリコンバレーをはじめとした企業の運営する超巨大サービスの開発手法としても取り入れられており、多いときには1時間に1,000回を超えるようなコード改善を実現させるためには必須の環境となっている。

 

当社グループでは、「クリエイティブ&エンジニアリング」は主に当社とSun Asterisk Vietnam Co.,Ltdにより推進されています。また、「タレントプラットフォーム」は、グルーヴ・ギア株式会社も含めたグループ全体で推進されています。なお、各期末時点における当社グループ各社の従業員数は以下の通りとなっています。

 

(単位:人)

 

2018年2月期

2018年12月期

2019年12月期

2020年12月期

2021年12月期

株式会社Sun Asterisk

30

(-)

43

(1)

64

(1)

125

(1)

172

(1)

Sun Asterisk Vietnam Co.,Ltd

(注)1

893

(95)

1,122

(250)

1,095

(205)

1,269

(193)

グルーヴ・ギア株式会社

(注)2

54

(21)

77

(19)

78

(13)

79

(5)

株式会社NEWh

(注)3

9

(1)

株式会社Trys

(注)4

104

(12)

(注)1.2018年2月23日付で全株式を取得し、連結子会社としています。

2.2018年12月31日付で全株式を取得し、連結子会社としています。

3.2021年1月4日付で100%子会社を設立し、連結子会社としています。

4.2021年9月15日付で全株式を取得し、連結子会社としています。

5.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は()内に外書で記載しています。

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は、次のとおりです。

 

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(4)当社グループの特徴及び強み

当社グループの主な特徴及び強みは以下のとおりです。

 

① 成長性の高いデジタルトランスフォーメーション市場でのユニークなポジション

デジタルトランスフォーメーションは、業務プロセスをデジタル化するデジタイゼーションと、ビジネスモデルそのものをデジタル化するデジタライゼーションに分類されます。前者は、企業内の課題を整理し、要件を定義し、システムを開発してそれを保守していくという従来のウォーターフォール開発等の手法を用いた課題解決型のプロセスが有効ですが、後者は、ユーザーの潜在ニーズを中心に据えてコンセプト設計し、仮説検証しながらサービス化してそれを進化させていくという新しい価値創造型のプロセスが必要となります。企業のIT予算のうち約80%は、既存システムに投資(注1)、つまり、前者への支出が大半となっていることから、現状は、日本国内においては、後者の知見が豊富な企業は極めて少ないことが俔えます。

当社グループは、グループのミッションに基づいて、創業以来、500件を超えるスタートアップや新規事業の開発支援をしてきた経験から、この価値創造型のプロセスについての豊富なナレッジを蓄積しています。具体的には、オープンイノベーション(注2)による事業共創、デザイン思考・リーンスタートアップ・アジャイル開発といったフレームワークの活用、機能追加やUI(注3)/UX(注4)改善を高速で回し続けるためのDevOpsの環境の構築などが挙げられます。

当社グループは、数多くのスタートアップ/新規事業支援により蓄積した豊富な知見を事業の構想から開発・運用までの価値創造プロセスにおいて連続的に提供できること、また、それを1,800名超の規模で展開し、エンジニア等のリソースがボトルネックとなっているクライアントの事業拡張要請にスムーズに対応できるという点から、この市場内でユニークなポジションにいると考えています。

(注)1.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2019」

2.オープンイノベーション:自社だけでなく他社や異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、研究成果、製品開発、サービス開発、組織改革、行政改革、地域活性化、ソーシャルイノベーション等につなげるイノベーションの方法論。

3.UI:User Interfaceの略称。サービスやプロダクトなどの利用者の間で情報のやり取りをするための画面のデザイン。

4.UX:User Experienceの略称。サービスやプロダクトなどの利用を通じてユーザーが得る経験・体験。

 

デジタルトランスフォーメーションの二つの要素

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② デジタライゼーション実現のためのエコシステム

当社グループでは、数多くのスタートアップ/新規事業支援により蓄積した価値創造プロセスのノウハウとナレッジをデータとして蓄積し、エンジニアやクリエイターに常時展開することで、事業成功の再現性をもたせるために、以下のような独自のデータプラットフォームを開発・運用しています。

 

ナレッジ共有プラットフォーム「Viblo」

当社グループでは、ベトナム国内のクリエイター・エンジニア向けに、クリエイター・エンジニア同士が互いにナレッジやノウハウ(知恵や知識)を共有できるSNSサービス(注)「Viblo」を無料で提供しています。2021年2月時点で月間平均36万人(直近6ヶ月間の平均)のユーザーが利用しています。

自ら学び、それをアウトプットするコミュニティスペースをオンライン上に提供することでエンジニアの成長を加速させることが可能です。なお、本サービスは社外含めたエンジニアに提供するサービスであり、当社の持っているナレッジを積極的に配信することで、ベトナム国内のエンジニアの能力の底上げにも寄与していると考えています。また、当社のナレッジを提供し、外部のクリエイター・エンジニアとディスカッションして行くことにより、ユーザー中心設計でのプロジェクト推進手法を伝達・洗練して行くことが可能となります。

 

最適な人員配置を可能にするタレントマネジメントプラットフォーム「Rubato」

「Rubato」は当社グループのクリエイター・エンジニアのスキルセットや、人物評価、ポートフォリオの蓄積とプロジェクト稼働管理を行うタレントマネジメントシステムです。Rubato内に蓄積されたデータをもとに、どのプロジェクトにどのエンジニアやクリエイターをアサインするべきか、どんなチーム体制でプロジェクトを進行するべきかを管理者が判断し稼働の管理を行っています。このシステムとデータの蓄積により、より人員配置を最適化し生産性を高め、プロジェクトの成功再現性をあげることが可能となります。

 

俊敏かつ安定したサービスのDevOpsを実現するための独自の「Sun* CI」

ユーザー中心設計でのサービス開発では、サービスのリリース後もユーザーとの対話型でニーズに合わせた素早いプロダクト改善を行うことでサービスを成長させていくため、サービスの運用設計と開発を同チームで密に連携して行っていく手法(DevOps)を取り入れる必要があります。デジタライゼーションの成功事例となるような先進的な超巨大サービスでは、ヒューマンオペレーションでは対応しきれないくらいのスピードで開発とリリースが行われています。このDevOpsを実現するためのプラットフォームとして当社では「Sun* CI」という独自のシステムを構築しています。このシステムにより、ソースコードレビュー、セキュリティチェック、機能ごとのテスト、プロダクトビルドなどの作業を自動化し、生産性を高めエンジニアが事業成長に集中できる環境を提供しています。サービス運用・開発時に新たに必要になった付加的な作業は他のプロジェクトでも同様に発生する可能性があります。当社ではこのような作業をどんどん自動化し、「Sun* CI」の機能に追加して行くことで、サービスの俊敏かつ安定した運用を再現します。

 

上述のとおり、当社グループでは、事業の核となるエコシステムの基盤は既に構築済みであり、今後更にブラッシュアップをしていくことで、デジタル・クリエイティブスタジオ事業を更にスピーディーにスケールアップ出来るフェーズに入っていると考えています。

 

(注)SNS:Social Networking Serviceの略称。登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービス。

 

③ 人材教育及び育成による価値創造人材の輩出力

当社グループのタレントプラットフォームでは、クリエイティブ&エンジニアリングで蓄積したノウハウを、教育カリキュラムに反映するサイクルが構築されており、常に時代のニーズにあった高度IT人材を育成できるところが強みです。

当社グループ会社である、グルーヴ・ギア株式会社によるプログラミングスクール「GEEKJOB Camp」の2018年1月から2021年12月の受講者数は2,030人にのぼり、また、ベトナムを中心としたアジア各国のトップ大学との産学連携による人材育成プログラムの参加者数は下表のとおり増加を続けています。提携大学の一つであるベトナムの理系最高学府のハノイ工科大学情報工学部から最重要パートナーとして表彰された実績もあります。

これらの取り組みを通じて各国のトップタレントにいち早くリーチし、多くのIT人材を日本企業に輩出するとともに、自社でも優秀な人材を採用していくことで、クリエイティブ&エンジニアリングのサービス拡大における重大なボトルネックとなりかねないエンジニアリソース課題の解決につながっています。

 

産学連携によるプログラム参加人数の推移

(単位:人)

 

2016年度

(1月1日時点)

2017年度

(1月1日時点)

2018年度

(1月1日時点)

2019年度

(1月1日時点)

2020年度

(1月1日時点)

2021年度

(1月1日時点)

2022年度

(1月1日時点)

産学連携によるプログラム参加人数

480

571

720

914

1,387

1,867

2,248

 

また、当社グループ入社後も、デジタライゼーションを実現するためのフレームワーク(事業共創→デザイン思考→リーンスタートアップ→アジャイル開発・DevOps・UI/UXの改善)を活用しプロジェクトを通じた実践型の育成により事業成長に必要なスキル・ノウハウの獲得による再現性を実現する育成を行っています。

 

④ 安定的な収益モデルと顧客数及び顧客単価の拡大余地

デジタル・クリエイティブスタジオ事業の最大のサービスラインである、クリエイティブ&エンジニアリングにおいては、必要最小限の機能でプロダクトをリリースし、ユーザーの反応を見ながら継続的に追加機能の開発を行うことでクライアントの事業成長を支援するというサービスの特性から、クライアントの事業が継続する限り、継続的にサービスの利用が続くケースが多く、ストック型の収益モデルが主体となっています。

クリエイティブ&エンジニアリングの売上高の合計に占めるストック型売上の割合は2021年12月末時点で、85%超と、安定的かつ継続的な収益構造にあります。また、月次平均解約率(注1)は、3.45%と低い解約率を実現しています。また、アップセルやクロスセルにより、平均顧客単価も順調に推移しています。当社ソリューションの平均顧客単価の変動の要因は、既存顧客からの増員・減員又は、既存顧客からの新たなプロジェクトによるチームラインの増加になります。当社グループでは、デジタライゼーションを推進する大企業、スタートアップ企業などを、エンタープライズ企業、SMB企業の2セグメント(注2)に分類し、それぞれのニーズに即したソリューションを提供していますが、特にエンタープライズ企業においての単価の向上がみられることもあり、今後は、これまで注力してきたスタートアップ企業を中心としたSMB企業で培ったノウハウを大企業のデジタルトランスフォーメーション分野へも大きく展開し、大企業のデジタライゼーション実現のノウハウも積み上げていくことで更に顧客単価が拡大する余地があると考えています。

 

 

クリエイティブ&エンジニアリングにおけるストック型顧客数の推移

(単位:社数)

 

2018年2月期末

2018年12月期末

2019年12月期末

2020年12月期末

2021年12月期末

ストック型顧客数

53

62

72

85

95

ストック型

エンタープライズ

顧客数

9

11

16

22

26

ストック型

SMB顧客数

44

51

56

63

69

 

月次平均顧客単価の推移(注3)

(単位:千円)

 

2018年2月期

2018年12月期

2019年12月期

2020年12月期

2021年12月期

顧客

月次平均顧客単価

2,584

3,042

3,084

3,890

4,752

エンタープライズ

月次平均顧客単価

4,014

5,727

5,813

6,685

7,855

SMB

月次平均顧客単価

2,292

2,475

2,417

2,985

3,569

 

(注)1.月次平均解約率:2015年1月から2021年12月までの84ヶ月を対象に、各月で月次の解約率(解約者数÷顧客数)の84ヶ月の平均値

2.顧客セグメントについて

エンタープライズ:

・上場企業のうち、日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業

・上記企業のグループ企業や上記企業に準ずる時価総額、売上規模、従業員数規模を有している企業

SMB:スモール・ミッドサイズビジネスの略称。

・当社がエンタープライズと定義した以外の全ての企業

3.期間中のストック型売上÷期間中の各月の顧客総数

 

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