文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。なお、業績の見通し等の将来に関する記述は、当社が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により、大きく異なる可能性があります。
「田岡化学は、化学技術を基盤として時代が求める新たな価値を創造し、 生み出された化学 製品を社会に供給することで、快適で豊かな暮らしの実現と社会の持続的な発展に貢献します。」
・全社経営方針の達成状況
a.安全とコンプライアンスの徹底による健全経営
達成を継続しております。
b.事業の持続的成長を目指したグローバル経営・連結経営の推進
田岡化工材料(上海)有限公司の設立と運営開始、タオカケミカルインドにてゴム薬品製造設備を新設し試製造を実施いたしました。
c.研究開発の総合力強化と独自製品の継続的開発上市による新製品事業化率の向上
新製品事業化目標(対売上高20%以上)を達成いたしました。
播磨工場の新多目的プラント(N-2)の完成、三菱ガス化学株式会社と合弁会社設立に合意いたしました。
e.売上高営業利益率9%以上と投下資本利益率(ROIC) 10%以上を目指した事業価値の向上
売上高営業利益率は最終年度である2021年度において目標を下回りましたが、ROIC10%以上は継続的に達成いたしました。
・業績目標等の達成状況
(単位:億円)
(注) 1 ROICとは投下資本利益率のことであり、次のような式にて算出しております。
親会社株主に帰属する当期純利益/(株主資本+有利子負債)
2 海外事業比率は、全体の売上高のうち本邦以外での売上高の割合です。
3 新製品事業化率は、全体の売上高のうち独自製品の上市後5年以内の売上高の割合です。
中期経営計画の最終年度である2021年度は、樹脂原料の在庫調整はあったものの、ゴム薬品や可塑剤の出荷数量の回復や、田岡化工材料(上海)有限公司の本格的稼動などがあり、中期経営計画の目標であった売上高305億円を達成することができました。一方で、利益面においては原料価格の高騰などもありも未達となりました。また、海外事業比率についても達成できませんでした。
当社は、経営理念を実現し、社会に欠くことのできない企業として力強く発展を続けるために、当社自身がサステナブルな企業であり続けること、良き企業市民として社会のサステナブルな発展に貢献することにより社会的責任を果たすことの双方を経営の重要な目標と位置づけ、下記の通り基本方針を定めます。
◆当社は、サステナブルな企業であり続けるために、創業以来培ってきた有機合成技術と生産技術を常に進化させ、幅広い産業を支える基盤となる製品、豊かで快適な社会の実現に資する製品を提供・開発し続けます。
◆当社は、人権を尊重した事業活動を行います。また、明るく快適な職場づくり、従業員の公正な処遇、能力開発、安全と健康の確保に努めます。ダイバーシティの尊重を基本方針として掲げ、取り組んでいくとともに、国籍やジェンダー、年齢にかかわらず多様な人材が生き生きと活躍できる組織風土を作り上げていきます。
◆当社は、技術を重視し、創造した価値を知的財産権として適切に確保し、重要な財産として活用します。
◆当社は、顧客からの信頼を大切にし、製品の安定供給、優れた製品品質の確保、顧客や社会のニーズに即した製品の開発・改良を行います。
◆当社は、株主、取引先、工場周辺地域、従業員等ステークホルダーへの公正、適正な情報開示に努め、対話を図ることにより、適切な関係を保ちます。
◆当社は、社会の持続的な発展に欠かせない地球環境の保全・良化に貢献するために、CO₂をはじめとする温室効果ガスの削減などの気候変動問題への対応を始めとして、廃棄物量の削減、環境負荷低減、廃プラスチックリサイクルに取り組み、その進捗を適切に開示します。
◆当社は、安全を全てに優先させることをあらゆる事業活動の基本とし、無事故・無災害、工場の安全・安定操業の実現に努めます。
◆当社は、コンプライアンスを重視し、社会の一員としてそのルールの遵守を徹底するとともに、自由、公正、透明な取引を実践します。また、コンプライアンスに加え、自然災害への備え、原料の安定調達、事業BCPプランの不断の見直しなどリスクマネジメントを含む内部統制システムの充実に努めます。
◆当社は、多様な知見を有する取締役で取締役会を構成し、活発な議論を行うよう努めるとともに、その議論を経営に適正に反映させます。
当社は中長期的な事業目標として売上高500億円、およびROIC(投下資本利益率)10%以上の継続達成を目指します。
中長期的な事業目標の達成に向け、新中期計画では既存事業の収益拡大の取組みに加えて、新しい事業創出と既存事業の新しい展開を図ります。
基本戦略として、有機合成技術の知見や、機動性の高い生産対応、短期間での工業化を実現するなど当社の強みを生かし、成長分野での新規参入や既存分野での事業機会探索、更なる事業拡大など国内外のあらゆる事業機会を追求いたします。
また、アクションプランとして、人材確保・育成、DXの推進、リスクマネジメントの強化、社会のサステナブルな発展への貢献を掲げております。
d.事業戦略
事業戦略においては、当社の事業を既存事業、新規事業に区分し、下記の通りとしております。
既存事業
・注力事業…樹脂原料、ワニス
・受託事業…医薬・農薬中間体、電子材料等
・育成事業…ゴム薬品、接着剤、加工樹脂、可塑剤等
新規事業
・現在手掛ける新規開発品の早期立ち上げ…光学樹脂用原料等新規開発品
・新規事業探索機能の強化…グラフェンナノリボン等
e.業績目標
(単位:億円)
前中期計画に引き続き事業規模の拡大継続により、企業価値の向上を追求いたします。
f.経営指標(KPI)
当中期経営計画におきましては、下記の経営指標(KPI)を設定いたしました。
・設備投資、研究開発計画
投融資計画…3ヵ年で100億円(新立地投資50億円を含む)
研究開発費…10億円/年
・業績目標値
売上高営業利益率9%超
ROIC(投下資本利益率)10%超
・新製品開発、海外事業規模目標
新製品開発目標…70億円/年
海外事業規模目標…70億円/年
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