業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2021年1月1日~2021年12月31日)における世界経済は、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行が断続的に続き、全世界で経済活動が大きく制限されました。日本国内においても、緊急事態宣言解除となった10月以降、行動制限の緩和やワクチン接種の促進による新規感染者の減少を背景に、一時持ち直しの動きが見られたものの、足もとでは新たな変異株の出現により、再度、感染が拡大しており、先行きは依然として不透明な状況であります。

そうした中、当社グループが属する市場調査レポート出版業界においては、インド、中国系の調査出版会社の台頭や調査出版会社自身による直販部門のシェア拡大等が見られ、事業環境は常に変化しております。

このような状況の下、当社グループは今期を初年度とした3か年の「2021 中期経営計画」に基づき、商品面においては、特定の商品カテゴリーに偏ることなく、幅広い顧客ニーズに対応した多様なラインナップを取り揃え、新規仕入先の開拓にも注力いたしました。また、販売面では、コロナ禍においても引き続き多くのお客様に商品を確認していただく機会を提供するため、一連の顧客対応を見直し、営業活動の効率化を図りました。

その他集客の面では、WEBサイトの全面的なリニューアルを実施することでUX(ユーザエクスペリエンス)の向上を図るとともに、外部のプレスリリース配信の積極的活用により、継続的な情報発信に注力いたしました。2020年の上場による認知度向上に加え、各種WEBマーケティング施策を行うことで、当社のブランド価値向上に努めております。

株式会社ギブテックにおいては、ZETA通信の基本デバイス(基地局、中継器)及びセンサー類を含む自社ブランド製品「JAZE」シリーズの本格的な販売を開始し、様々な業態への導入・提案を進めております。

この結果、当連結会計年度の売上高は2,654,063千円(前年同期比23.2%増)、営業利益は516,052千円(前年同期比61.0%増)、経常利益は553,359千円(前年同期比66.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は359,168千円(前年同期比40.5%増)なり、売上、利益の結果も含めいずれも過去最高を達成いたしました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

(市場・技術動向に関する情報提供事業)

当セグメントは、取扱商品・サービスの違いにより、市場調査レポート事業、年間情報サービス事業、委託調査事業及び国際会議・展示会事業の4つに区分されております。以下には事業区分別の業績について記載いたします。

 

(a) 市場調査レポート事業

当社の主力である市場調査レポート事業は、各種WEBチャネルを活用したマーケティング活動の活性化や顧客フォロー体制の効率化を図り、前年同期の売上高を大きく上回りました。海外部門においては、引き続き韓国支店が好調に推移し、こちらも売上高が前年同期を上回りました。

この結果、市場調査レポート事業全体では、前年同期比26.5%増の2,288,056千円となりました。

 

(b) 年間情報サービス事業

年間情報サービス事業は、本社部門の売上高が前年同期と比較して下回るものの、海外部門の主要である韓国支店及び台湾支店の売上高は前年同期を上回りました。

この結果、年間情報サービス事業全体では、前年同期比2.8%増の136,086千円となりました。

 

(c) 委託調査事業

委託調査事業は、本社部門、海外部門いずれにおいても、売上高が前年同期を上回りました。

この結果、委託調査事業全体では、前年同期比14.5%増の167,864千円となりました。

 

(d) 国際会議・展示会事業

国際会議・展示会事業は、新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、本社部門、海外部門の両方において、売上高は前年同期を大きく下回りました。

この結果、国際会議・展示会事業全体では、前年同期比86.7%減の7,093千円となりました。

 

以上より、当セグメントの売上高は2,599,101千円となり、セグメント利益(営業利益)は541,728千円となりました。

 

(その他事業)

当セグメントにおきましては、株式会社ギブテックにおけるIoT(モノのインターネット)向け無線通信方式であるLPWA通信に関する製品の販売、受託開発等を主な事業にしております。ZETA通信製品「JAZE」シリーズの本格量産が開始され、売上高は前年同期比342.1%増の54,961千円となり、セグメント損失(営業損失)は31,406千円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、609,772千円増加の2,529,734千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ、604,461千円増加の2,441,361千円となりました。この主な要因は、現金及び預金の573,582千円増加等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ、5,310千円増加の88,372千円となりました。この主な要因は、繰延税金資産の8,407千円増加等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、 186,514千円 増加の 754,529千円 となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ、 171,955千円 増加の 492,100千円 となりました。この主な要因は、未払法人税等の 165,221千円 増加等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ、 14,559千円 増加の 262,429千円 となりました。この主な要因は、役員退職慰労引当金の 13,092千円 増加等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、423,257千円増加の1,775,204千円となりました。

この主な要因は、資本金の70,946千円増加、資本剰余金の71,708千円増加、利益剰余金の280,418千円増加等によるものであります。

なお、自己資本比率は70.1%となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、573,582千円増加し、当連結会計年度末には2,091,232千円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は473,459千円(前連結会計年度は157,769千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益553,359千円、役員退職慰労引当金の増加13,092千円、売上債権の増加29,589千円、仕入債務の減少8,651千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は1,031千円(前連結会計年度は19,011千円の増加)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出731千円、無形固定資産の取得による支出300千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は64,228千円(前連結会計年度は99,150千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入141,443千円、配当金の支払額78,645千円があったことによるものであります。

 

④ 仕入、受注及び販売の実績
(a) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

市場・技術動向に関する情報提供事業

1,401,042

119.6

その他事業

42,505

474.7

合計

1,443,547

122.3

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 受注実績

当社グループは受注活動を行っておりますが、受注実績は販売実績と近似しているため、記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

市場・技術動向に関する情報提供事業

2,599,101

121.4

その他事業

54,961

442.1

合計

2,654,063

123.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 会計方針に関する事項」に記載しております。

 

② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの主要な資金需要は、運転資金、法人税等の支払い等であり、その資金の源泉といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー等により、必要とする資金を調達しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

当社グループは、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標と位置付けております。

当連結会計年度において、売上高は2,654,063千円、売上総利益は1,210,515千円、営業利益は516,052千円となりました。

2022年2月に策定した中期経営計画(2022年12月期~2024年12月期)では、最終年度(2024年12月期)における計画として売上高は4,500百万円、営業利益は1,000百万円を目標として定めております。収益性の指標としては、各年度を通じて営業利益率20%以上、ROE20%以上を基準に取り組んでまいります。

 

当連結会計年度の各経営指標は次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年1月1日 

   至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日  

   至  2021年12月31日

金額(千円)

前年同期比

(%)

金額(千円)

前年同期比

(%)

売上高

2,153,861

2,654,063

123.2%

売上総利益

973,249

1,210,515

124.4%

営業利益

320,560

516,052

161.0%

 

(注) 1.売上高に消費税等は含まれておりません。

2.当社グループは、2020年12月期より連結財務諸表を作成しているため、2020年12月期については前年同期比を記載しておりません。

 

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