当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの接種が浸透し、2021年9月末には緊急事態宣言が解消されるなど経済活動の改善に向けた動きがみられました。その一方で変異株の脅威など感染再拡大のリスクは解消されず、未だ先行きが不透明な状況が続くと見込まれます。
当社が主に事業を展開する国内モバイルオンラインゲーム市場においては、2012年より市場が拡大し、2014年以降はメーカー売上金額ベースで緩やかに成長しております。2021年には前年比104.2%の1兆3,720億円、2022年には前年比102.0%の1兆3,990億円まで拡大が見込まれ(注)、今後も底堅く推移するとみております。
このような経営環境のもと、当社では新型コロナウイルス感染症の蔓延による緊急事態宣言の再発令に起因し、MD(マーチャンダイジング)の対面販売イベントの一部延期や規模縮小があったものの、通信販売を用いて対面販売イベントのオンライン化を行うなどの対策を迅速に講じました。またモバイルオンラインゲームに関しては、既存タイトルの安定的な運用に注力するとともに、新規タイトル開発を複数同時に進行できる体制を構築するため人員の拡充に取り組んでまいりました。既存のモバイルオンラインゲームにおいて、2019年にリリースした「魔法使いの約束」が2周年を迎える当事業年度においても前期比で伸長したことや、それに伴いMD売上が増加したことにより売上高は前期比3.0%の増収となりました。一方で、新規タイトルの開発に注力したことで研究開発費が増加し、営業利益ベースでは前期比27.7%の減益となりました。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高6,519,896千円(前期比3.0%増)、営業利益1,498,599千円(前期比27.7%減)、経常利益1,466,101千円(前期比29.2%減)、当期純利益は964,093千円(前期比31.4%減)となりました。
また、当事業年度末における財政状態については次の通りであります。総資産は、現金及び預金の増加4,319,019千円、売掛金の減少170,038千円等により7,760,225千円(前期末比4,237,385千円増)となりました。負債は、未払法人税等の減少530,751千円、未払消費税等の減少239,169千円等により841,508千円(前期末比537,194千円減)となりました。純資産は利益剰余金が964,093千円、公募増資及び第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,905,309千円増加したことにより6,918,716千円(前期末比4,774,579千円増)となりました。
なお、当社はコンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注)出典:「ファミ通ゲーム白書2021」(株式会社角川アスキー総合研究所)、国内オンラインプラットフォームゲームコンテンツ市場規模推移「ゲームアプリ(スマートデバイス+SNS)」
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ4,319,019千円増加し、6,899,241千円となりました。
営業活動の結果獲得した資金は、565,655千円(前事業年度は2,135,016千円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,024,984千円や未払消費税等の減少239,169千円などの支出があったものの、税引前当期純利益1,466,101千円などの収入があったことによるものであります。
投資活動の結果支出した資金は、33,719千円(前事業年度は2,375千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9,430千円、敷金の拠出による支出18,489千円があったことによるものです。
財務活動の結果獲得した資金は、3,787,082千円(前事業年度は6,000千円の支出)となりました。これは主に、2021年2月に東証マザーズ市場に上場したことに伴う株式の発行による収入3,793,215千円があったことによるものです。
当社が営むコンテンツ事業は、提供するサービスの関係上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
当社が営むコンテンツ事業は、提供するサービスの関係上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当社は、報告セグメントが単一のセグメントであります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は、次のとおりであります。
4.上記金額には消費税等は含まれておりません。
5.当社の主なサービス提供先は、ゲームの利用者 (一般ユーザー) であるため、損益計算書の売上高の10%を超える主な顧客は存在いたしません。なお、Apple Inc.及びGoogle LLCは、プラットフォーム提供会社であり、同社に対する売上高は、当社が提供するゲーム利用者(一般ユーザー)に対する利用料等であります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当事業年度の売上高は6,519,896千円(前期比3.0%増)となりました。2019年11月にリリースしたタイトル「魔法使いの約束」が2周年を迎える当事業年度においても前期比で伸長したことや、それに伴いMD売上が増加したことにより増収となりました。
売上原価は主に、既存のモバイルオンラインゲームに関しては運営費用の増加したことや、MDに関しては売上自体の増加及び前期比でオフラインでの販売が増加したことによるコスト増加を要因として3,213,236千円(前期比4.7%増)となり、その結果、売上総利益は3,306,659千円(前期比1.3%増)となりました。
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,808,060千円(前期比51.8%増)となりました。既存タイトルの広告宣伝を積極的に行い増加した広告宣伝費472,501千円(前期比26.7%増)や、開発タイトルの増加による研究開発費482,412千円(前期比131.3%増)等により販売費及び一般管理費が増加した結果、営業利益は1,498,599千円(前期比27.7%減)となりました。
営業外収益は主に前事業年度において助成金収入が発生したことにより465千円(前期比58.3%減)となり、また営業外費用は主に当事業年度に上場に係る上場関連費用及び株式交付費が発生したために32,963千円(前期比1672.4%増)となりました。結果として、経常利益は1,466,101千円(前期比29.2%減)となりました。
特別利益、特別損失とも発生しておらず、税引前当期純利益は1,466,101千円(前期比29.2%減)となりました。また、法人税等合計は502,007千円(前期比24.6%減)となり、その結果、当期純利益は964,093千円(前期比31.4%減)となりました。
上記のほか、当事業年度における経営成績の前事業年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当事業年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社の運転資金需要の主なものは、モバイルオンラインゲームの開発費及び広告宣伝費等の営業費用であり、営業活動によるキャッシュ・フローの枠を基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案の上、必要に応じて、増資や金融機関からの借入によって調達を実施いたします。
また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、6,899,241千円となっており、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
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