課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「もっと、面白く」を企業理念に掲げ、モバイルオンラインゲームの企画・開発及び運営を軸に、自社IPを利用した事業を展開しております。

上記理念のもと、エンターテインメントで溢れる世の中を「より一層」豊かにするために、当社は、活動の可能性を制限せず、社員とともにあらゆる「面白いもの」の可能性を信じて模索し、魅力的な作品をお客様にお届けする企業を目指しております。

 

(2) 経営戦略等

当社は、安定的かつ継続的な企業価値向上を目指し、2023年1月期から2025年1月期までの中期経営計画の基本方針を、次の経営戦略に基づき策定しております。

 

・徹底的な品質への挑戦による面白いコンテンツの創造

当社は、開発に携わる一人ひとりが最大限の力を発揮して妥協のないものを発信していくことでこそ、企業理念に掲げる「もっと、面白く」を実現できるという考えのもと、今後も徹底的に品質にこだわり、新たなタイトルを展開してまいります。

また、当社は創業以来IPの自社開発によるコンテンツ事業を行ってまいりましたが、今後は当社の開発運営ノウハウを活かした他社IPのゲーム化等、新たな取組みにより、さらなる安定成長を目指してまいります。

 

・1タイトルあたりの収益源の多様化

当社は現在、国内3タイトル(海外2タイトル)の運営を行っておりますが、今後は新規タイトルの創出に加え、既存タイトルの続編展開等により、1IPあたりの長期的な成長を目指してまいります。

また、当社は現在、モバイルオンラインゲームを軸に自社開発したタイトルを主にグッズ販売や他社商品等への権利許諾、一部タイトルでのアニメ化等を中心に活用しておりますが、今後は複数タイトルでのアニメ化、舞台化、コミカライズ等の積極的なメディアミックス展開により、収益源の多様化を図ってまいります。

 

・展開エリアの拡大

当社は現在、韓国及び台湾にて、韓国版「ドラッグ王子とマトリ姫」、繁体字版「スタンドマイヒーローズ」を展開しておりますが、今後は北米、中国圏などを含めた地域に当社作品をお届けできるよう、領域拡大を図ってまいります。また、海外各国で、モバイルオンラインゲームの市場規模は拡大しており、女性ユーザーの割合が高い傾向です。現地企業との協業等、適切なローカライズにより当社IPにも進出余地があると考えております。

これらの方針のもと、以下の3つの基本戦略を推進し、目標達成を目指してまいります。

 

① 販売基本戦略

・既存タイトルの安定運営と「スタンドマイヒーローズ」及び「魔法使いの約束」と同規模の大型タイトルのコンスタントな市場投入

・中小規模タイトルの拡充

・商品ラインナップ拡充(グッズ商材及びモバイルオンラインゲーム多言語化等)、メディアミックス(アニメ化、舞台化等)、物販イベント規模拡大等による収益最大化

 

② 開発・運営基本戦略

・1つ1つの作品の品質を高める

・開発・運営の効率化(既存タイトルの運営長期化に伴って蓄積されたナレッジを新規開発タイトルへ共有するための仕組みづくりを強化)

・積極的な採用投資による有能な人材の確保

・次タイトル創出に向けた開発投資拡大

 

③ 組織運営基本戦略

・広報体制強化及び広告投資拡大による市場開拓

・内部管理体制及びリスク管理体制強化

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、企業価値を向上させ株主価値を高めることが重要であると考えており、そのためには、事業規模を拡大し収益性を向上させることが経営上重要であると認識し、客観的な経営指標として、売上高及び営業利益を重視しております。

 

(4) 経営環境

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの接種が浸透し、2021年9月末には緊急事態宣言が解消されるなど経済活動の改善に向けた動きがみられました。その一方で変異株の脅威など感染再拡大のリスクは解消されず、未だ先行きが不透明な状況が続くと見込まれます。

当社が主に事業を展開する国内モバイルオンラインゲーム市場においては、2012年より市場が拡大し、2014年以降はメーカー売上金額ベースで緩やかに成長しております。2021年には前年比104.2%の1兆3,720億円、2022年には前年比102.0%の1兆3,990億円まで拡大が見込まれ(注)、今後も底堅く推移するとみております。

 

(注)出典:「ファミ通ゲーム白書2021」(株式会社角川アスキー総合研究所)、国内オンラインプラットフォームゲームコンテンツ市場規模推移「ゲームアプリ(スマートデバイス+SNS)」

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① ターゲット層の拡大

当社は、現在モバイルオンラインゲームの開発・運営を事業の主軸としておりますが、そのターゲットは主に国内モバイルオンラインゲーム市場であります。国内モバイルオンラインゲーム市場は緩やかに成長を続けるものと考えておりますが、当社の事業拡大のためにはターゲット層を国内市場からグローバル市場へと拡大することが重要な課題であると認識しております。そのため海外のパートナー企業との協業によるローカライズ等で積極的な海外展開を行い収益の拡大を目指してまいります。

 

② ユーザー獲得の強化

当社は、提供するコンテンツのユーザー数の増加がコンテンツ自体の長期運営及びさらなる業績拡大のための重要な課題であると考えております。今後ユーザー獲得のため、当社コンテンツの未利用ユーザーに向けたSNS等の新規広告媒体やメディア媒体への露出強化に加え、アニメ化・舞台化・コミカライズなどを通じたメディアミックスの積極的な展開により、ユーザー獲得の強化を図ってまいります。

 

③ 適正な配信プラットフォームの選択

当社は、コンテンツをターゲット層に届けるためのプラットフォームを適正に選択することが、事業の安定的な成長につながると考えております。昨今、モバイル業界では、端末、OS、プラットフォーム、課金システム等の分野で多数の事業者が世界規模の競争を行っており、著しい環境変化を引き起こしております。これに伴い、ターゲット層のメディア利用状況も刻々と変化しています。当社は、ターゲット層のメディア利用状況について日々情報収集を行うことで、その変化に的確に対応し、ビジネス効率を最大化すべく、適正な配信プラットフォームの選択に努めてまいります。

 

④ システム技術・インフラの強化

当社は、システム開発及びサーバー構築・保守にあたって、他社のサーバー等に関するサービスを機動的に利用しながら行っております。当社のコンテンツは、スマートフォン等のモバイル端末を通じたインターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働、及びモバイル端末の技術革新への対応が重要な課題と考えております。これに対して、当社はサーバー等のシステムインフラについて、継続的な基盤強化を進めるとともに、システム開発につきましても、開発プログラムのユニット化や標準化を進めることで生産性を向上させ、技術革新にも迅速に対応できる体制作りに努めてまいります。

 

⑤ コンテンツ事業における領域拡大

当社は、さらなる事業拡大のため、コンテンツ事業における収益源の多様化が重要な課題と考えております。そのため、当社がこれまで培ってきたノウハウを活かしつつ、専門企業との連携も含めて、当社コンテンツとシナジーのあるアニメーション・出版物の制作や舞台・イベントの実施、グッズの販売等を展開してまいります。

 

⑥ 優秀な人材の確保と組織体制の強化

当社は、今後の更なる成長のために、優秀な人材の確保及び当社の成長フェーズに沿った組織体制の強化が不可欠であると認識しております。人材確保においては、新卒採用、中途採用共に積極的に行っており、当社の求める資質を兼ね備えつつ、当社の企業風土にあった人材の採用及び登用に努めてまいります。同時に、従業員の職種・職階等にあわせた社内外の研修プログラムの積極的な受講によって、各人のスキル向上を促してまいります。また、組織体制につきましては、個々のチーム・従業員が最大限のパフォーマンスを出せるよう、計数指標管理に基づいた組織マネジメントを図ってまいります。

 

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