研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

研究開発活動に関しましては、自社のコア技術を活かし市場のニーズに合致した製品をスピーディーに提供するため、営業開発担当者と研究員が一体となり連携しながら市場の要望に対応しております。

当連結会計年度の研究開発費は1,289百万円となり、売上高の3.7%を占めております。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

 (1)化成品事業

化成品事業では、既存製品においては、コスト競争力を高めるために、継続的にプロセス改良を行っております。また、当社が長年培ってきた反応技術、蒸留技術を駆使して、UVインクジェットや粘接着剤等の成長分野向けに、新機能を付与したユニークなアクリル酸エステルを開発し、市場へ提案しております。さらに、カーボンニュートラル実現に向けた活動として、バイオマス由来の原料を使用した特殊アクリル酸エステルの開発を進めております。

 

 (2)電子材料事業

電子材料事業では、表示材料については、フレキシブルディスプレイ関連材料の開発を推し進めるとともに、マイクロLED、EL用偏光材料等の次世代材料、配線材料等の周辺材料の開発にも注力しております。新規開発品として、マイクロレンズ用ネガレジスト、厚膜用ネガレジストをホームページで公開いたしました。また、半導体材料については、EUVレジスト用モノマーの新規開発に注力するとともに、次世代プロセス材料の開発にも取り組んでまいります。

 

(3)機能化学品事業

機能化学品事業では、アクリルモノマーの重合技術を背景に化粧品原料の研究開発を進めるとともに防曇性・親水性に優れた材料の開発に注力しており、様々な用途で本格的採用を目指しております。さらに、三菱ケミカル株式会社より譲受した頭髪化粧品用アクリル樹脂事業の技術と自社保有技術を融合させ、より競争力のある製品開発を進めるとともに、当社が開発を進めている生体適合材料や超親水性コーティング材料とのシナジーを創出してまいります。

 

(4)新規事業

新規事業領域の確立に向けて、特殊アクリルをベースにエラストマー、伸縮性導電材料、調光材料、有機圧電材料の開発を進めており、外部の研究機関や大学との共同開発にも取り組んでおります。同時に川下化戦略にも注力しており、ライフサイエンス、医療、エネルギー変換等の分野において、スマートウィンドウ、センサ/スイッチ、ハプティクスデバイス、パワーデバイス用途等、近い将来において拡大が見込まれる市場に向けた材料開発にも注力しております。

 

また、新規に開発した材料については、特許出願など知的財産権の確保に努めるとともに、学会発表や新聞発表、展示会等のメディアを通じていち早く市場に提案し、顧客からのフィードバックを重視した商品開発を行ってまいります。今後ともアクリルモノマー合成技術・アクリル重合技術・精密有機合成技術のシナジーにより、市場のニーズを先取りした製品を提供していきたいと考えております。

 

 

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