当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下
「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、原油価格、木材価格の上昇や半導体不足などのコストの増加、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、ワクチン接種の進展や新規感染者数減少に伴う経済活動の再開を背景に改善が続きました。しかしながら、世界的には新型コロナウイルスのオミクロン株が急激に感染拡大しており国内経済への影響が懸念され、また、原材料価格の上昇、半導体不足などの影響が不透明なこともあり、先行きへの不安が大きくなっています。
このような状況のもと、当社グループでは、新規材料事業において光学製品の受注が好調であったこと及び合成樹脂事業において工業用フィルムや農業用フィルムの販売数量が増加したことなどにより、当連結会計年度の売上高は884億2千万円(前年同期比9.2%増)となりました。
利益面では、原材料価格上昇の影響はあるものの、売上高が大きく増加したことや新規材料事業や建材事業において生産性が向上したことなどにより、営業利益は51億2千3百万円(前年同期比19.5%増)、経常利益は55億3千1百万円(前年同期比22.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、新規材料事業において減損損失を計上したことなどにより、34億1千7百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
〔合成樹脂事業〕
環境問題による市況の変化により一般包装用フィルムやごみ袋などの販売数量は減少しましたが、工業用フィルムの需要増加や農業用フィルムの拡販に努め、販売数量が増加したため、売上高は478億2千9百万円(前年同期比2.9%増)となりました。営業利益は原材料価格が上昇し、製品価格への転嫁が遅れているため、42億6千7百万円(前年同期比4.3%減)となりました。
〔新規材料事業〕
大型液晶パネル向け光学フィルム及びスマートフォン向けの製品が年間を通じて好調を維持したことにより、売上高は285億2千4百万円(前年同期比21.8%増)となりました。営業利益は売上高の増加及び更なる生産性の向上に努めた結果、23億7千3百万円(前年同期比109.2%増)となりました。
〔建材事業〕
パーティクルボード製品の用途拡大に努め、リフォーム需要を取り込んだ結果、販売数量が増加したことにより、売上高は69億1千2百万円(前年同期比10.5%増)となりました。営業利益については、パーティクルボード生産の安定稼働を継続したことなどにより増加しましたが、第4四半期連結会計期間以降さらに原材料価格高騰の影響を受けたことにより、4億5千6百万円(前年同期比22.7%増)に留まりました。
〔その他〕
ホテル事業において引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることにより、宿泊及び宴会などが低迷したものの、木材加工(プレカット)事業において市場の木材製品不足に伴い一時的に受注が集中したことなどにより売上が増加し、その他全体の売上高は51億5千4百万円(前年同期比7.9%増)となりました。営業利益は売上高の増加と固定費の削減などにより、3億2百万円(前年同期比17.8%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ32億1千8百万円増加し、858億6千9百万円となりました。その主な内訳は、たな卸資産の増加18億7千8百万円、売上債権の増加13億5千5百万円によるものであります。
一方、負債につきましては、借入金の減少23億1千8百万円、未払金の増加10億6千1百万円、仕入債務の増加9億8千5百万円などにより、前連結会計年度末に比べ2億1千1百万円減少し、333億4千5百万円となりました。
また、純資産は、利益剰余金の増加27億1百万円、その他有価証券評価差額金の増加5億4千3百万円などにより、前連結会計年度末に比べ34億2千9百万円増加し、525億2千4百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.8ポイント上昇し、61.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、97億6千5百万円(前連結会計年度比5億8千6百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は63億4千5百万円(前連結会計年度比29億5千3百万円減)となりました。
これは、主として税金等調整前当期純利益49億3千7百万円、減価償却費45億2百万円による資金の増加及びたな卸資産の増加18億6千万円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は27億6千3百万円(前連結会計年度比15億9千2百万円減)となりました。
これは、主として製造装置等の有形固定資産の取得による資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は30億4千1百万円(前連結会計年度比2億9千9百万円減)となりました。
これは、主として借入金の減少23億2千6百万円、配当金の支払い7億1千2百万円による資金の減少によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループはその他のセグメントのうち、宅地造成及び建物建築事業において一部受注生産を行っており、
その受注状況は次のとおりであります。
その他の製品については見込生産を主として行っているので特記すべき受注生産はありません。
(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文
中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項、(追加情報)」に記載のとおりです。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「経営成績等の状況の概要、(1) 経営成績
の状況」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達で対応しております。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(4) 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、投下資本の運用効率や収益性を測る指標としてROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。当社の目標はROE8%を2024年度に達成することであります。
当連結会計年度におけるROEは、6.7%(前年同期比0.7ポイント改善)となりました。翌連結会計年度においても、目標達成に向けて、経営ビジョンNext10(2030)及び中期経営計画(2024)で掲げた戦略に引き続き取り組んでまいります。
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