文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
会社はステージ、社員はアクター、経営者は演出家、そしてお客様と株主の皆様は観客と置き換えることができると考えております。
最先端のステージ(会社)で、アクター(社員)、演出家(経営者)全員がそれぞれプロ意識に徹し、十分にその実力を発揮し、多くの観客(お客様と株主の皆様)から拍手をいただくことは大変素晴らしく、当社グループの理想とするところです。
当社グループはその理想の下、常に会社組織や投資機材の一層の拡充、最先端化と、全社員の絶え間ない質的向上を経営の基本方針としております。
(2) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられます。各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクもあり、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な市場である広告業界におきましては、2021年の国内総広告費は、6兆7,998億円、前年比110.4%(株式会社電通発表による)となり、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和したことにより、広告市場は大きく回復いたしました。一方、当社の主要事業分野の一つであるプロモーションメディア広告費は、イベント、従来型の広告販促キャンペーンも徐々に再開されましたが、当分野では新型コロナウイルス感染症の影響が大きく前年比で減少となる等、一部事業では厳しい事業環境が継続いたしました。
当社グループは、2事業4部門に経営資源を集中し、収益の伴う安定的な成長を図るべく、その指標として売上高と売上高営業利益率を重視し、諸施策を実施しております。売上高、売上高営業利益率の具体的な数値目標は設定しておりませんが、売上高、売上高営業利益率の数値を基に諸施策を実施し、収益の伴う安定的な成長を図ってまいります。
当連結会計年度の各指標の前年比較は以下のとおりであります。
前連結会計年度の当社グループの売上高及び売上高営業利益率は、新型コロナウイルス感染症が蔓延したことに伴い、その影響を大きく受け、売上高は低迷し、売上高営業利益率もマイナスとなりましたが、当連結会計年度の当社グループの売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことや広告ソリューション事業においてオンラインイベント、事務局・施設等の運営関連の大型案件が受注できたこと等により増加し、売上高が増加したことに伴い、売上高営業利益率も増加いたしました。
以上のとおり、各経営指標は前連結会計年度比でいずれも増加いたしましたが、新型コロナウイルス感染症流行前の数値には届いておらず、引き続き各経営指標の向上を目指してまいります。
当社グループの戦略は、優れたデジタル映像演出技術および最先端のデジタル映像制作技術をもとに、それが活かせる市場機会の発見と俊敏な取り組みを行い、市場から得られたリターンを再び高度な目利きをもって最新技術に投資する。この不断のイノベーションが経営戦略です。
そのために必要不可欠な事項は、次の三点です。
① 日進月歩する新技術から、新たな独自価値を創造できる高度な技術力
② 急変する市場において、正しく価値を表現できる高度なプロデュース力
③ 魅力的な新技術、手法、アイデアを的確に捉える高度な目利きの能力
これら能力を常に高める様不断の努力を続け、観客であるお客様と株主の皆様に、より大きな喜びと感動をご提供していきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ見通せず、海外においてはロシアがウクライナに侵攻しており、世界経済の先行きについても注視していく必要があります。
日本の広告業界では、2021年にインターネット広告費が、新聞、雑誌、ラジオ、テレビの四媒体の広告費を初めて上回りました。広告、イベント、プロモーションいずれの分野でもデジタルとリアルが密接に関わり合う時代となり、デジタルだけでも、リアルだけでもない、境界を超えた形が今後益々求められていきます。
当社グループは先進的なデジタル技術を活用し、企画立案から制作・演出・運営に至る対応の幅広さと提供する品質の高さをもって、ワンパッケージサービスでお客様のご要望にお応えすることを目指しております。
景気の先行不透明感が拭えない環境下において、重要な課題と捉えているコスト管理面では、各事業が、業務の省力化合理化等の指導・牽制機能をより一層強化し、現場での適正なコスト管理を図ってまいります。
当社グループは、上記課題に取り組み、企業価値向上に努めていくとともに、企業の社会的責任を十分認識し、内部統制システムの徹底と管理体制の強化を行い、信頼される企業集団となるべく努力してまいります。
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