業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化によって依然として厳しい状況にあり、経済活動の一部に持ち直しの兆しが見られるものの、未だ感染収束の見通しは立たず、先行き不透明な状況が続いております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ1,348,761千円(12.3%)増加し、12,339,888千円(前連結会計年度は10,991,126千円)となりました。「放送」は減収となりましたが、その他3つのセグメントが増収となったことで、売上高は増加いたしました。

 営業利益は、876,851千円(前連結会計年度は478,831千円)となりました。「放送」が減益となりましたが、「教育」「技術」が増益となったことや「スタジオ・コンテンツ」が黒字に転換したことが要因となり、増益となりました。

 経常利益は、935,140千円(前連結会計年度は476,893千円)となりました。営業利益の増加に加え、持分法投資利益を計上したこと等により経常利益も増益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、1,011,035千円(前連結会計年度は151,078千円)となりました。前期に計上したクラウドソリューションの減損損失がなかったことに加え、(株)釣りビジョンにおける架空取引被害に係る損害賠償請求訴訟の和解による解決金や、持分法適用関連会社であった湖南快楽垂釣発展有限公司の譲渡による投資有価証券売却益を特別利益に計上いたしました。また、繰延税金資産の計上に伴い、法人税等調整額△202,433千円(△は益)を計上いたしました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な増益となりました。

 

 当連結会計年度における各セグメントの売上高及び営業損益の概況は、以下のとおりです。

 

①教育

 「教育」セグメントは、「ルネサンス高等学校」「ルネサンス豊田高等学校」「ルネサンス大阪高等学校」の広域通信制高校(ルネサンス高等学校グループ)の運営、日本語研修・日本語教師養成講座を提供する「日本語センター」の運営を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ486,571千円(21.2%)増加し、2,784,520千円(前連結会計年度は2,297,948千円)、営業利益は786,545千円(前連結会計年度は596,292千円)となりました。

 ルネサンス高等学校グループの生徒数が6期連続で過去最高を更新したことにより、増収増益となりました。

 

②スタジオ・コンテンツ

 「スタジオ・コンテンツ」セグメントは、マルチデバイス向けのコンテンツ配信を行うデジタルメディアサービス、映画やドラマ等の映像作品の調達、日本語字幕・吹替制作から、その作品の配給、販売を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ278,751千円(10.2%)増加し、3,008,071千円(前連結会計年度は2,729,319千円)、営業損益は48,050千円の利益(前連結会計年度は156,238千円の損失)となりました。

 コンテンツ販売事業はテレビ局向け番組販売が減少いたしました。また、デジタルメディアサービスは企業の広告費削減の影響による広告収入の不調が続き、減収となりました。一方、制作事業は前期に新型コロナウイルス感染症の影響により延期または中止となっていた日本語吹替制作が回復したことから大幅な増収増益となりました。その結果、「スタジオ・コンテンツ」セグメントの売上高は増加し、黒字に転換いたしました。

 

③放送

 「放送」セグメントは、釣り専門番組「釣りビジョン」の制作、BS・CS放送及びケーブルテレビ局等あての番組供給事業、マルチデバイス向け動画配信サービス「釣りビジョンVOD」の提供を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ39,970千円(1.5%)減少し、2,641,203千円(前連結会計年度は2,681,173千円)、営業利益は283,467千円(前連結会計年度は319,937千円)となりました。

 視聴料収入は減少傾向が続く一方、前年同期に新型コロナウイルス感染症の影響により自粛していた新番組の撮影・放映やイベントが再開し、スポンサー収入やイベント売上が回復いたしました。また、「釣りビジョンVOD」は売上高が増加した一方、プロモーション活動等により販管費が増加いたしました。その結果、売上高は若干の減少、営業利益は減益となりました。

 

④技術

 「技術」セグメントは、クラウドソリューション、デジタルシネマサービス、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービス、ホテルの客室・会議室へのインターネットサービス、ブロードバンド回線やISPサービス、携帯電話サービス等の販売代理店として通信回線販売業者等の事業者を通じた販売活動、システム開発、及びその他ソリューションサービスの提供を行っております。なお、第2四半期連結会計期間において、システムデザイン開発(株)を子会社化し、「技術」セグメントに含めております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ623,407千円(19.0%)増加し、3,906,093千円(前連結会計年度は3,282,685千円)、営業利益は441,776千円(前連結会計年度は304,085千円)となりました。

 主力のCDN(アカマイ)サービスは既存顧客向けの新たなソリューションの提供やサービスの拡大に加え、新規顧客が増加したこと等により、増収となりました。クラウドゲームサービスはアプリ販売が減少した一方、コスト削減の効果により赤字幅が縮小いたしました。ネットワーク営業はブロードバンド回線の販売が一時的に増加し、増収となりました。デジタルシネマサービスは前年上期に配給会社からの収入が終了したこと等により低調に推移いたしました。また、新たに子会社となったシステムデザイン開発(株)は、「技術」セグメントの売上高及び営業利益の増加に寄与いたしました。その結果、「技術」セグメント全体では増収増益となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社及び連結子会社は、生産実績に重要性が乏しいため、記載を省略しております。

② 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額 (千円)

前年同期比 (%)

教育

7,452

9.6

スタジオ・コンテンツ

233,757

32.5

放送

5,101

△20.5

技術

17,842

852.9

合      計

264,154

38.0

 

③ 受注実績

当社及び連結子会社は、受注生産に重要性が乏しいため、記載を省略しております。

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額 (千円)

前年同期比 (%)

教育

2,784,520

21.2

スタジオ・コンテンツ

3,008,071

10.2

放送

2,641,203

△1.5

技術

3,906,093

19.0

合      計

12,339,888

12.3

 

(2)財政状態

(イ)資産

 流動資産は、テレビ向け番組販売の仕入に係る番組勘定が減少した一方、現金及び預金や売掛金が増加したこと等により、前期末に比べ1,767,476千円増加し、7,350,105千円となりました。固定資産は、持分法適用関連会社の全出資持分を譲渡した一方、システムデザイン開発(株)の子会社化に伴いのれんが増加したことや長期繰延税金資産を計上したこと等により、前期末に比べ178,484千円増加し、1,590,350千円となりました。これらの結果、総資産は、前期末に比べ1,945,961千円増加し、8,940,456千円となりました。

 

(ロ)負債

 流動負債は、リース債務が減少した一方、短期借入金や前受金が増加したこと等により、前期末に比べ1,065,844千円増加し、3,985,082千円となりました。固定負債は、長期未払金や長期繰延税金負債が減少したこと等により、前期末に比べ23,989千円減少し、344,760千円となりました。これらの結果、負債合計は、前期末に比べ1,041,855千円増加し、4,329,843千円となりました。

 

(ハ)純資産

 親会社株主に帰属する純利益1,011,035千円を計上した一方、自己株式を266,766千円取得いたしました。これらの結果、純資産合計は前期末に比べ904,106千円増加し、4,610,613千円となりました。これにより、自己資本比率は38.8%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ1,933,317千円増加し、5,301,579千円となりました。

 

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、プラス1,934,801千円(前年同期はプラス558,502千円)となりました。売上債権が増加した一方、税金等調整前当純利益1,311,918千円を計上したことに加え、棚卸資産が減少したことや前受金が増加したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、教育事業の拠点拡大に伴う固定資産の取得や敷金の差入があったことや、システムデザイン開発(株)株式の取得による支出があった一方で、貸付金の回収や持分法適用関連会社の全出資持分を譲渡したことによる収入があったこと等からプラス42,253千円(前年同期はマイナス136,836千円)となりました。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入を行ったことや普通社債の発行による収入があった一方で、自己株式の取得や長期借入金の返済による支出があったこと等から、マイナス118,583千円(前年同期はマイナス432,609千円)となりました。

 

(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)

当社は、投融資資金、運転資金等の資金需要に対しては、自己資金または金融機関からの借入等によって調達することを基本方針としております。また、当社及び主要な連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、各社における余剰資金の一元管理を行うことで資金の流動性を確保し、資金効率の向上に努めております。

 

(4)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。

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