文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループの企業理念は、「創造力が生み出す優れた作品やサービスを、広く社会に普及させ、より豊かなコミュニティーの形成・発展に貢献する」というものです。
ブロードメディアとは、broadband mediaの略語であり、既存メディア領域をより広げるbroader mediaという意味を持っています。それが私たちの志です。いずれの日にか、ブロードメディアという社名が、broadband media、あるいはbroader mediaの代名詞として世界に通用するように、引き続き努力してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、技術プラットフォームを持つコンテンツ事業者として、独自性の高いサービスの提供を通じ成長を目指すことを経営戦略の基本としております。
当社グループは中長期的に更なる成長を遂げるために、以下の戦略のもとに事業を推進しております。
① コンテンツサービスの持続的な成長を目指す
② 技術サービスの進化を加速させる
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループは「教育」「スタジオ・コンテンツ」「放送」「技術」の4つのセグメントからなっており、その事業領域は多岐に渡っております。
当社グループの事業領域に関連する市場においては、映像配信や電子書籍、ゲームアプリやオンラインゲームといったデジタルコンテンツを提供するサービスの拡大が続いており、その市場規模はスマートフォン・タブレット端末の普及や通信インフラの進歩により今後も拡大していくことが期待されます。また、VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)・AI(人工知能)を用いた新たな技術の登場や、4K配信・第5世代移動通信システム(5G)の標準化に向けた動向など、市場環境は急速に変化することが予想されます。
さらに、新型コロナウイルス感染症の長期化を受け、テレワークの常態化や新規・既存サービスやイベントのオンライン化が進んでいることに加え、全国の小中高校等の教育現場でも、オンライン学習の導入が進んでおります。また、政府のGIGAスクール構想の進捗に伴う教育現場のデジタル化等により、教育とテクノロジーをかけあわせたEdTech(エドテック)市場が拡大していくことや、世界的なeスポーツ市場の活性化や注目度の高まり等により、今後もICT(情報通信技術)の活用による新しいサービスや市場の急成長が期待されます。
このような状況の下、中長期的な経営戦略に基づき業績向上を図ることが、当社グループの優先的に対処すべき最も大きな課題です。現在取り組んでいる具体的な課題は、下記のとおりです。
①事業推進体制の強化
当社は、よりスピード感を持って事業推進体制の強化を進めるため、2020年4月に連結子会社6社を吸収合併いたしました。この体制のもと、これまで以上に事業間の協力関係を高めていくことが課題です。各事業の強みを相互に活かすことで既存事業をさらに成長させ、また、各事業の独自性のあるサービスを組み合わせること等により新たな事業の創出を目指してまいります。
②次世代事業の開発と育成
技術の進化は日進月歩であり、これまで以上に市場環境が急速に変化する可能性が高まっております。当社は、技術の進化と時代の変化に対応するために、既存事業の成長による業績向上を目指すだけでなく、投資機会を逃さずに次世代事業の開発・育成に積極的に取り組んでまいります。
③経営効率の向上
当社は経営統合により、管理系業務の重複解消、各社毎に発生していた税務負担の軽減、グループ間取引に係る内部工数の解消等による業務効率化やコスト軽減を実現いたしました。引き続き、これらの継続的な対応に加え、人材配置の最適化等を進めることで、経営効率と生産性の更なる向上を実現してまいります。
④人材の確保
当社グループは、技術プラットフォームを持つコンテンツ事業者として、独自性の高いサービスの提供を通じ成長を目指すことを経営戦略の基本としております。この戦略の下、当社グループが継続的に企業価値を拡大していくためには、より独自性の高いサービスを構築できる専門的知識を有した人材の確保が重要な課題であると認識しております。優秀で熱意ある多様な人材を確保するため、採用の強化及び教育・研修制度の充実、従業員が高いモチベーションを持って働ける環境や仕組みの整備・運用を進めてまいります。
⑤IR活動の充実
当社は情報の適時開示を行い、利害関係者の皆様に対する正確な情報の提供に努めております。現在、当社ホームページのIR情報の充実や四半期毎の決算説明ストリーミング配信を実施していることに加え、個人投資家向け説明会や、IRスモールミーティング等を適宜状況に応じて開催する方針としております。今後も当社グループについての理解をさらに多くの方に深めていただくために、さまざまな機会をとらえて積極的にIR活動を実施してまいります。
また、2018年1月、当社連結子会社である株式会社釣りビジョンに係る架空取引被害により多額の損失が発生し、また過去10年にわたる会計処理に誤謬が生じましたことにつきましては、株主様、取引先様、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーの方々からの信頼を大きく毀損しましたことを改めて深くお詫び申し上げます。当社は、再発防止と子会社管理の徹底を目的として、下記の内部統制上の改善への取り組みを続けており、さらに、グループ統合により連結子会社6社の吸収合併を行ったことで、グループの大部分において当社が直接的に統制を行う体制を整えました。今後も、内部統制上の改善に継続的に取り組み、ガバナンスの強化及びコンプライアンス遵守の徹底を行ってまいる所存であります。
a. 取引先との関係性構築の徹底
b. 与信管理の徹底
c. 統制の重要性に係る教育の徹底
d. 組織の見直し及び管理部門と営業部門の切り離し
e. 稟議プロセス等への当社の関与
f. 各子会社取締役会及び当社重要会議での報告事項の見直し
g. 規程・マニュアルの整備
h. グループにおける管理部門の連携強化
i. グループ内部監査の強化
j. コンプライアンス教育の徹底
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