研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社研究所では、過去から培ってきた技術の進化拡大を通し、競争力ある製品群の創出に取組んでおります。ケミカル・ソリューション事業部、及びマテリアル・ソリューション事業部の両事業部と一体となったマーケティング活動により顧客ニーズを的確に把握し、当社コア技術である臭素化、ヨウ素化や各種有機合成技術、精製技術を駆使することで、顧客ニーズに合った製品の早期開発を行っております。一方、臭素化学懇話会やヨウ素学会等の学会活動や種々の公的研究開発法人及び国立大学法人等との共同研究を通じ、先端技術等のシーズ育成にも努めております。

 また、事業領域の拡大と自社製品・自社技術開発の活性化を目的として、郷分ラボ、富山ラボ、湘南ラボの3つの研究拠点を新たに開設しました。これら研究開発環境の整備と共に、新しい事業および自社の強みの創出に挑戦していきます。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究の主要課題及び施策、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は 263 百万円となっております。

(1) ファインケミカル事業

 医薬中間体開発については、技術優位を意識したプロセス開発と工業化検討を推進し、受託品開発・自社製品開発を行っております。受託品開発においては、グローバル展開品2品目(がん関連医薬品原料、婦人科領域治験薬中間体)を中心に実機生産を繰り返し、定常生産実現に向けて推進しております。また、自社製品開発においては、将来の大型製品候補のパイロット試作を実施して課題の抽出・対策を施し、スケールアップ生産に向けた開発を推進しております。

 電子材料の中間体については、新規の特殊ハロゲン化合物及びそれら誘導体の経済的プロセスの開発を推進しております。例えば、フラットパネルディスプレイ分野における有機EL部材といった、高付加価値化合物の骨格構成に有用な臭素化合物、ヨウ素化合物及び異種ハロゲン化合物の開発や、それらを利用した高次化合物の開発を積極的に進めております。また、培った開発技術については半導体分野や光学材料分野等その他分野へ展開していくことも推進しております。

 当事業に係る研究開発費は 157 百万円であります。

(2) 難燃剤事業

 プラスチック用難燃剤については、環境調和型ポリマータイプ「ポリマーナ®」シリーズの市場開発を進めるとともに、バイオマスを活用した材料開発として難燃を含む機能を付与したWPC(ウッド・プラスチック・コンポジット)の開発にも取組んでおります。また、整備した機能評価体制を強化することで先端分野における難燃・不燃化に向けた研究開発の加速に取組んでおります。

 難燃剤事業関連の共同研究についても、国立大学法人等と引き続き複数の共同研究を行ってまいりました。

 当事業に係る研究開発費は 92 百万円であります。

(3) ヘルスサポート事業

 無機薬品については、「医薬用途向け無機塩化物の川下化製品」の開発活動を積極的に継続実施しております。

 また、ヘルスサポート事業における新規事業展開の一環として、広島大学大学院医系科学研究科(歯)の二川浩樹教授と共同開発(特許取得)した、持続型の固定化抗菌成分「Etak ® 」及び本成分を含有した新規の除菌・抗菌コーティング剤「Etak ® セーフティーコート ® 」の市場拡大に向けた用途開発に関して積極的に取組んでおります。

 なお、「Etak ® 」は広島大学のベンチャー企業である株式会社キャンパスメディコの登録商標です。

 当事業に係る研究開発費は 13 百万円であります。

 

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