業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、これに伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により経済活動が大きく制約される状況が継続しました。ワクチン接種が進展し、経済活動の早期回復が期待されておりますが、景気の先行きについては依然として不透明な状況が継続しております。

このような経済環境の中、当社が属する情報サービス業界においては、情報システム投資の先送りなどが見られる一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連投資は増加傾向にあり、中長期的には当社の事業環境は市場規模の拡大が見込まれます。また、IT人材不足による需給ギャップは拡大傾向にあります。

このような状況のもと、当社は、既存顧客のフォロー及び新規顧客の獲得に注力し、DX支援及びIT人材調達支援いずれも順調に拡大しました。

この結果、当事業年度の経営成績は以下のとおりとなりました。なお、当社はDX関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度と比べ2,266,694千円増加し、7,801,298千円(前年同期比41.0%増)となりました。これは主に、DX支援においてDX関連投資に積極的な企業への提案活動が奏功し新規顧客から大口案件を受注したこと、IT人材調達支援において既存顧客との取引拡大に加え新規顧客開拓が進展したためです。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は、前事業年度と比べ1,588,880千円増加し、6,004,216千円(同36.0%増)となりました。これは主に売上増加に伴う外注費の増加によるものです。この結果、当事業年度における売上総利益は、前事業年度と比べ677,813千円増加し、1,797,082千円(同60.6%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ312,411千円増加し、1,250,907千円(同33.3%増)となりました。これは主に、人員増加や決算賞与の増加に伴う人件費の増加によるものです。この結果、当事業年度における営業利益は、前事業年度と比べ365,401千円増加し、546,174千円(同202.1%増)となり、売上高営業利益率は7.0%(前年同期は3.3%)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当事業年度の営業外収益は、保険解約返戻金の減少及び補助金収入の増加により、前事業年度と比べ2,301千円減少し、35,822千円(同6.0%減)となりました。営業外費用は上場関連費用の増加等により、前事業年度と比べ5,468千円増加し、35,874千円(同18.0%増)となりました。この結果、当事業年度における経常利益は、前事業年度と比べ357,631千円増加し、546,122千円(同189.7%増)となりました。

 

(特別損益、法人税等、当期純利益)

当事業年度の特別損失は、固定資産除却損及び本社移転費用の減少により、前事業年度と比べ9,315千円減少し、0円(同100.0%減)となりました。法人税等は、前事業年度と比べ81,092千円増加し、135,778千円(同148.3%増)となりました。この結果、当事業年度における当期純利益は、前事業年度と比べ285,554千円増加し、410,343千円(同228.8%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産合計は3,773,502千円となり、前事業年度末に比べ1,589,338千円増加いたしました。これは主に、増資等により現金及び預金が1,034,342千円、売上の増加に伴い売掛金が396,997千円増加したことによるものです。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は1,811,632千円となり、前事業年度末に比べ343,718千円増加いたしました。これは主に、外注費の増加に伴い買掛金が253,998千円、決算賞与の増加に伴い賞与引当金が155,409千円増加し、資金繰りの改善に伴う借入金の返済により短期借入金が270,000千円減少したことによるものです。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は1,961,870千円となり、前事業年度末に比べ1,245,619千円増加いたしました。これは、増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ417,638千円、当期純利益の計上により410,343千円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は52.0%(前事業年度末は32.7%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,034,342千円増加し、1,341,680千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、業績が順調に拡大した結果、581,754千円(前年同期は136,293千円の収入)となりました。

収入の主な内訳は、税引前当期純利益546,122千円、引当金の増加額170,909千円、仕入債務の増加額253,998千円、支出の主な内訳は、売上債権の増加額387,317千円です。

前年同期より445,461千円増加した要因は、主に税引前当期純利益の増加366,647千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、主に福岡オフィス移転による影響で67,137千円(前年同期は112,813千円の支出)となりました。

支出の主な内訳は、福岡オフィス移転に伴う有形固定資産の取得による支出58,297千円です。

主に前年同期に本社オフィス移転に伴う有形固定資産の取得による支出が大きかった影響で、前年同期と比較すると45,675千円の支出の減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は、519,724千円(前年同期は103,104千円の支出)となりました。

主な内訳は、東京証券取引所マザーズ上場及びストック・オプション行使に伴う株式発行による収入835,276千円、及び資金繰りの改善に伴う短期借入金の減少270,000千円です。

上記の収入が大きかった影響で、前年同期と比較すると622,828千円の増加となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b 受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

DX関連事業

7,801,298

141.0

 

(注) 1.当社の事業セグメントは、DX関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社ミスミ

847,761

15.3

979,627

12.6

シンプレクス株式会社

574,961

10.4

709,009

9.1

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく見込み数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

(工事進行基準)

当社は受注制作のソフトウエアに係る収益の計上基準は、当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については工事進行基準を適用し、その他の契約については、工事完成基準を適用しております。なお、工事進行基準を適用する契約の当事業年度末における進捗度の見積りは、原価比例法によっております。

進捗度の見積りの基礎となる見積原価総額は、ソフトウエア開発人員の人件費や外注費等を見積ることによって算定され、見積りの不確実性を伴います。

見積原価総額に関して、開発の進捗状況は月次でモニタリングしておりますが、計画どおりに進捗せず、プロジェクトの期間が延長されたり、想定より工数が増加することにより、期中において原価の著しい増加が見込まれる場合には、見積原価総額の見直しを行います。また、事業年度末では全ての工事進行基準対象のプロジェクトについて、見積原価総額の見直しを行います。

見積原価総額を見直した場合には、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりです。

なお、主な経営指標として売上高成長率及び営業利益率を重視しており、各指標の推移は以下のとおりです。

売上高成長率について、前事業年度は主に新型コロナウイルス感染症の影響により低めとなった一方で、当事業年度の売上高成長率は受注が好調であった結果、売上高が計画を上回り、やや高めとなりました。

営業利益率について、前事業年度にオフィス移転に伴う一時的な費用発生の影響で低めとなったこと、及び当事業年度に売上高が順調に成長したことにより、当事業年度の営業利益率は大きく改善する結果となりました。

 

前事業年度

当事業年度

売上高成長率

16.1%

41.0%

営業利益率

3.3%

7.0%

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、主として内部資金を活用し、不足分は金融機関からの借入により資金調達を行っております。設備投資をする場合等、必要に応じてエクイティファイナンスも検討する方針です。

当社の資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費です。この資金需要に対する財源は、営業活動で得られる自己資金と、銀行との当座貸越契約による短期借入金です。

また、当事業年度末における手元資金1,341,680千円に加え、取引銀行6行と当座貸越契約を締結して資金調達手段を確保することにより、資金の流動性をコントロールしております。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

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