(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は13,514,786千円となり、前事業年度末に比べ10,651,850千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資等により現金及び預金が10,109,184千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産合計は206,517千円となり、前事業年度末に比べ23,907千円減少いたしました。これは主に、本社増床により有形固定資産が83,486千円増加した一方で、長期性預金の振り替え等により投資その他の資産のその他が97,354千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度末における資産合計は13,721,304千円となり、前事業年度末に比べ10,627,943千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は1,064,160千円となり、前事業年度末に比べ201,432千円増加いたしました。これは主に、約定弁済により1年内返済予定の長期借入金が121,555千円減少した一方で、未払金が62,904千円、未払法人税等が98,507千円、事業規模の拡大に伴い仕入額が増加した結果買掛金が108,141千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定負債合計は125,860千円となり、前事業年度末に比べ9,145千円減少いたしました。これは1年内返済予定の長期借入金への振り替えにより長期借入金が9,145千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度末における負債合計は、1,190,020千円となり、前事業年度末に比べ192,287千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は12,531,283千円となり、前事業年度末に比べ10,435,655千円増加いたしました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資等により資本金が5,304,872千円、資本剰余金が5,304,872千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は91.3%(前事業年度末は67.6%)となりました。
b.経営成績
当社は「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げ、家から街まであらゆるビジネスシーンの映像をデータ化することで、人々の意思決定を支援するクラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を開発・運営しております。「Safie」は高画質・安価・安全で、誰でも簡単にスマートフォンやパソコンで使える監視カメラサービスとして、飲食・サービス・小売・建設・製造・インフラ・公共・金融・物流などの幅広い業界で活用いただいております。監視カメラや防犯という用途にとどまらず、人手不足でチェックできなかった作業工程やへき地の現場の見える化や、遠隔地の現場や複数の現場の一括管理など、生産性向上や業務改善のための導入が広がっております。
当事業年度において、構造的課題である労働人口の減少に対する各企業の生産性向上への取り組みの強化や、新型コロナウイルス感染症などを起因とした遠隔での業務推進需要の高まりから、様々な産業の現場において当社が果たすべき役割はますます高まっているものと認識しております。
このような状況の下、主に建設業向けに提供している「Safie Pocket2」や「Safie GO」をはじめとする屋外で使用可能な商品・サービスが好調に推移しました。GPSによる位置情報をリアルタイムに取得できる機能や、地図上に録画映像(スナップショット)と移動履歴を表示する機能を「Safie Pocket2」に追加するなど、お客さまのニーズに寄り添った機能もリリースいたしました
また、お客さまの要望がより多様化・深化している状況を踏まえて、企画開発及び営業人員の増強を目的とした人材採用費や、マーケティング活動に伴う広告宣伝費への積極的な投資を行いました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高8,456,884千円(前年同期比67.5%増)、営業損失76,349千円(前事業年度は営業損失119,573千円)、経常損失153,815千円(前事業年度は経常損失97,204千円)、当期純損失173,981千円(前事業年度は当期純損失99,494千円)となりました。また当社KPIであるARRは2021年12月末時点で5,679百万円(2020年12月末比72.9%増)、課金カメラ台数は14.0万台(2020年12月末比38.6%増)になりました。
なお、当社は、映像プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ10,009,184千円増加し、当事業年度末には11,549,281千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は276,266千円(前年同期比13.1%減)となりました。これは主に、売上債権の増加額277,227千円、たな卸資産の増加額212,593千円及び未払金の増加額174,624千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は118,476千円(前年同期比37.0%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出98,228千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は10,403,927千円(前年同期は44,408千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入10,469,503千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社は受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は、映像プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
事業の名称 |
当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
映像プラットフォーム事業 |
8,456,884 |
167.5 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
東日本電信電話株式会社 |
1,414,757 |
28.0 |
2,055,370 |
24.3 |
オリックス株式会社 |
― |
― |
1,020,280 |
12.1 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前事業年度のオリックス株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、仕入資金、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。
④経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針に関して経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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