業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という))の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、前事業年度に続き、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大したことに伴う、外出自粛や休業要請、緊急事態宣言の発出などの影響により、東京オリンピック・パラリンピックの開催下で個人消費や企業活動が著しく制限され急速に景気が悪化しました。期末にかけてはワクチン接種が進み、一部で持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大への懸念は消えず、依然として不透明な状況が続いております。

一方で、当社が展開するサービスを取り巻く環境は、インターネット、スマートフォン、SNSの普及によりデジタルチャネルでの購買が一般化してきたこと、新型コロナウイルス感染症拡大によりオフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速しており、当社が事業を展開するDXコンサルティングや「Keywordmap」シリーズ等のデジタルマーケティングを支援するサービスへの需要は引続き拡大傾向にあり、堅調な成長を続けております。

このような経営環境のもと、当事業年度の売上高は1,313,545千円(前年同期比40.6%増)となりました。利益面につきましては、事業拡大に向け新サービスへの先行投資や人材投資を行った一方で、売上高の堅調な推移がこれを上回り、営業利益は202,378千円(前年同期比379.5%増)となりました。また、東京証券取引所マザーズへの上場のための一時的な費用として株式交付費を計上したことにより、経常利益は190,471千円(前年同期比382.5%増)となり、当期純利益は129,544千円(前年同期比118,110千円増)となりました。

 

事業ごとの売上高及びセグメント利益は以下の通りになります。

 

(ソリューション事業)

ソリューション事業においては、営業部員の増員及び人材育成体制が整備されたこと、オウンドメディア「Keywordmap Academy」を活用したマーケティング施策などが功を奏したことなどから、新規獲得案件が増加しました。また、カスタマーサクセスチームの人員増加や活用ノウハウの共有が進んだことで、解約案件が減少し、アップセルが増加しました。

「Keywordmap for SNS」についても、営業部員の増員及び人材育成体制が整備されたことにより、新規案件の獲得が順調に推移しました。また、解約案件減少のため、カスタマーサクセスチームの体制整備を行いました。

その結果、当セグメントの売上高は649,091千円(前年同期比37.6%増)と伸び、前事業年度赤字となったセグメント利益は117,448千円(前年より138,185千円の増加)となりました。

 

(アナリティクス事業)

アナリティクス事業においては、営業部員の増員及びウェビナーやSNSを活用したマーケティング施策が順調に推移したことにより新規獲得案件が増加しました。また、コンサルタントやデータアナリストの人員増加や育成が進んだことで、契約件数、月額顧客単価ともに増加しました。

また、YouTubeコンサルティングサービスのノウハウの蓄積が進み、案件獲得が順調に推移しました。

その結果、当セグメントの売上高は675,859千円(前年同期比45.4%増)、セグメント利益は84,745千円(前年同期比34.6%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の資産については、前事業年度末に比べて1,122,102千円増加し、1,889,375千円となりました。

これは主に、株式発行による現金及び預金の増加(前事業年度末比1,074,760千円の増加)と、事業拡大による受取手形及び売掛金の増加(前事業年度比52,561千円の増加)、ソフトウエアの増加(前事業年度比17,573千円の増加)があった一方で、旧本社の敷金返金による未収入金の減少(前事業年度末比17,879千円の減少)、未収還付法人税等の減少(前事業年度比16,736千円の減少)が発生したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末の負債については、前事業年度末に比べて63,136千円増加し、594,575千円となりました。

これは主に、借入金の減少(前事業年度比114,086千円の減少)した一方で、未払法人税等の増加(前事業年度比85,488千円の増加)、未払消費税等の増加(前事業年度比21,102千円の増加)、事業拡大による外注費の増加による買掛金の増加(前事業年度末比15,037千円の増加)、賞与引当金の増加(前事業年度比17,240千円の増加)、前受金の増加(前事業年度比16,957千円の増加)によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産については、前事業年度末に比べて1,058,965千円増加し、1,294,800千円となりました。

これは主に、株式の発行による資本金及び資本準備金の増加(前事業年度比929,420千円の増加)と、当期純利益の計上による利益剰余金の増加(前事業年度末比129,544千円の増加)によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,603,870千円となり、前事業年度末残高に比べ1,074,760千円増加いたしました。なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、289,833千円(前年同期は34,979千円の獲得)となりました。

これは主に、売掛債権の増加により35,919千円の減少となった一方で、未払消費税等の増加により21,102千円の増加、法人税等の還付により16,806千円の増加、税引前当期純利益190,348千円、減価償却費29,249千円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、26,129千円(前年同期は73,303千円の使用)となりました。

これは主に、旧オフィスの敷金の返金18,595千円があった一方で、有形固定資産の取得による支出6,074千円、無形固定資産の取得による支出38,720千円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は811,056千円(前年同期は105,281千円の獲得)となりました。

これは株式の発行による収入が929,420千円あった一方、上場関連費用の支出4,278千円を計上、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)114,086千円の返済をしたことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当社はインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績の記載を省略しております。

 

(b) 受注実績

当社はインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、受注実績の記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

第8期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソリューション事業

637,501

35.8

アナリティクス事業

675,859

45.4

その他

185

合計

1,313,545

40.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合 が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計の見積り)に記載のとおりであります。

 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当事業年度における当社の売上高は、1,313,545千円(前事業年度比40.6%増加)となりました。これは、主に、当社の主力サービスである「Keywordmap」シリーズの販売が順調であること及びビッグデータを活用したデジタルマーケティング全般のコンサルティングサービスの案件数の増加によるものであります。

 

(営業利益)

当事業年度における当社の営業利益は、202,378千円(前事業年度比379.5%増加)となりました。事業拡大に向け新サービスへの先行投資や人材投資を行いましたが、売上高の堅調な推移がこれを上回りました。

 

(営業外損益・経常利益)

当事業年度における営業外収益は、受取手数料等により853千円となりました。また、営業外費用は、支払利息2,553千円、株式交付費10,190千円を計上しました。経常利益は、190,471千円(前事業年度比382.5%増加)となりました。

 

(特別損益・税引前当期純利益・法人税等・当期純利益)

当事業年度における特別損失は、固定資産除却損、固定資産売却損合計122千円を計上しました。その結果、税引前当期純利益は、190,348千円(前事業年度比1132.6%増加)となりました。また、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計60,804千円を計上したことにより、当事業年度の当期純利益は、129,544千円(前事業年度比1033.0%増加)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社の所有資金は、運転資金及び事業拡大に伴う、新サービスに関連するソフトウエア等の投資資金となっています。これらの資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した自己資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境を考慮し、金融機関からの借入等、外部資金を調達する場合があります。

また、資金の流動性については、当事業年度末現在、現金及び預金が1,603,870千円あり、事業運営上、必要な資金は確保されていますが、より一層、十分な流動性を維持していく考えであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社は、常に、事業環境に留意するとともに、組織体制の整備、優秀な人材の確保等により、リスク要因に対応してまいります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社は、あらゆるデータを様々な分析手法で活用し、革新的ソリューションを提供することにより、マーケティングソリューションで日本を代表する会社を創るというビジョンのもと、マーケティングの効率化・品質向上を支援するソリューション事業、データアナリストによるデータ解析、コンサルテーションを実施するアナリティクス事業を拡大してまいりました。

今後の方針としましても、引き続き市場の拡大が見込まれる当該事業領域へ経営資源を投入することで中長期の持続的な成長を目指してまいります。経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

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