課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略

当社は、創業以来、デジタルマーケティング領域におけるデータ分析及び総合的なコンサルティングサービスの提供と、ビッグデータを活用したSaaS型のソリューション開発及び販売を行って参りました。これらの領域で品質の高いサービスを提供し続けるため、分析、コンサルティング、ソリューションに求められる信念を集約し、「確信をもつ、核心をつく、革新をおこす」という経営理念を掲げ、2019年1月には社名を変更しております。経営理念である3つの「カクシン」の英単語の頭文字を取ったものが現在の社名の由来となっております。

 


 

当社は、あらゆるデータを様々な分析手法で活用し、革新的ソリューションを提供することにより、「マーケティングソリューションで日本を代表する会社を創る」というビジョンのもと、マーケティングのDX支援サービスの提供に取り組んでいきます。

デジタルマーケティング活動において使用するデータの「量」や「鮮度」は分析品質に大きく影響し、その収集や蓄積、検索には高い技術力が必要となります。当社では創業時からデータ取得のためのクローリング・データベース取扱技術の研究開発に関して、強みを持っております。引き続き、「Keywordmap」シリーズでは競合他社が扱うことが困難なデータを蓄積していくと同時に、ソリューション事業に関しては新機能開発による契約件数の拡大、豊富なオプションプランによるアップセルを通じた契約単価の引き上げを推進してまいります。アナリティクス事業においては、優秀なコンサルタントの採用と育成を進め、顧客基盤の拡大を図ってまいります。

また、デジタルマーケティング市場の成長、効率化を重視した働き方改革、既存プラットフォームのアルゴリズム変更等に対応し、両事業が連携して、デジタルマーケティング領域の新規サービスの立ち上げを行ってまいります。


 

 

(2) 経営環境

当社はインターネット広告、特にデジタルマーケティングの領域において、ビジネス・アナリティクスの知見を活用しております。

当社が属するビジネス・アナリティクス市場の規模は、デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社の公表した「ビジネス・アナリティクス市場展望2020年度版」のプレスリリースによると、2021年度に4,502億円となりました。加えて、企業のDXやそれに伴うアナリティクス及びAI活用の取り組みの一層の広がりを受け、2027年度までの間に9,403億円まで拡大が見込まれています。

株式会社電通が2021年2月に公表した「2020年日本の広告費」によると、インターネット広告費は、社会のデジタル化加速が追い風となり、引き続きプラス成長しています。

 


出典:(株)電通 「2020年日本の広告費」(2021年2月)

 

それに伴い、当社の事業領域であるデジタルマーケティング分野においても、消費者の購買活動のデジタルシフトにより企業のデジタルマーケティング活動へ予算増加が見込まれています。

2020年3月以降については、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、経済活動全般において停滞が見られました。当社においても、旅行、飲食関連事業者などの一部業界のクライアントから解約や値引きの要請等が若干発生したものの、全体に占める割合は小さく影響は限定的となっております。現状では、コロナウイルス感染拡大以前と変わらず、クライアント数の増加と低い解約率を継続していると考えております。

 

(3) 経営上の目標状況の達成を判断するための客観的指標等

当社は、中長期的には、株主価値を向上させるため、株主資本利益率を経営上の目標指標としていく方針ですが、現時点では、売上高及び営業利益を増加させ、事業規模を拡大させることを優先しております。そのため、経営上の判断指標として、売上高及び営業利益に加え、ソリューション事業においては、新規獲得MRR、解約MRRを、アナリティクス事業においては、新規獲得契約金額、総継続売上率(対象四半期で契約更新する案件のうち契約更新した案件の合計契約金額にアップセル(クロスセル含む)金額を加えたものを、対象四半期で契約更新する案件の合計契約金額で割ったもの)を月次ベースで、取締役会等で共有し、施策を検討しております。

 

 


 

※1:2018/10期に決算月変更を行ったため、2017年10月~2018年1月を「2018/10 1Q」、2018年2月~2018年4月を「2018/10 2Q」、2018年5月~2018年7月を「2018/10 3Q」、2018年8月~2018年10月を「2018/10 4Q」と表示

※1:ストック売上高は、 売上高のうち経常的に得られるKeywordmap及びKeywordmap for SNSの月額利用料(MRR<Monthly Recurring Revenue>)の合計額

※2:ARR(Annual Recurring Revenue)は、期末MRRを12倍して算出

 


 

※1:各月の月次売上高を当該月の契約社数で除して算出

※2:2021年10月末時点の取引先における契約開始から契約更新月までの契約期間を基に算出

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき財務上の課題は、現在ありません。優先的に対処すべき事業上の課題は以下の通りです。

① 優秀な人材の獲得と育成

当社の属するインターネット業界の最大の特徴は、急速な技術進歩と環境変化にあります。こうした変化の激しい環境において、当社では、技術進歩や環境変化で陳腐化しない、必要とされ続ける課題解決力と新しい事業の創出に挑戦し続けることができる人材が不可欠となっています。また、当社が事業を拡大する上では、ビッグデータとテクノロジーを駆使する高い技術力が極めて重要と認識しております。そのため、優秀な人材の確保と既存の人材のスキルアップを図るために、教育制度等の充実に努めてまいります。

 

② 開発体制の強化

日々一刻と変化するデジタルマーケティング業界においては、常に市場から支持される製品・サービスを開発するためには、適時的確に市場のニーズを把握し、迅速に機能開発を行う必要があります。そのためには、各開発メンバーとプロダクトオーナー、事業本部長の連携促進を適切に図り、開発スピードを維持・向上するような開発体制の強化が必要であると認識しております。また、開発部門と顧客やユーザーと接している営業部門がコミュニケーションを密に取ることで迅速に市場のニーズを吸い上げ、市場のニーズを機能開発・サービス開発に反映させてまいります。

 

③ 認知度の向上

当社は、これまで大規模な広告宣伝費投資を行わず、当社が持つマーケティングノウハウ及び提供サービスの優位性によりクラインアントの獲得を行ってまいりました。その結果、幅広い業種の企業に当社サービスを導入いただき、継続的な取引が実現できています。

しかしながら、事業のさらなる拡大を図るにあたり、当社ブランド及びサービスのより一層の認知の獲得が必要と考えており、広告宣伝及びプロモーション活動による認知度の向上を図ってまいります。

 

④ 知的財産管理体制の整備

第三者の著作権を含めた知的財産権に関して、当社はこれまで、調査可能な範囲で対応を行っております。

当社では、知的財産権管理に関するガイドラインを作成し、引き続き、チェック体制の強化、知的財産権管理体制の整備に努めてまいります。なお、当社では、過去において、他社の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはありません。

 

⑤ 情報セキュリティ体制の強化

当社は、インターネット上のビッグデータを収集し、分析を行い、顧客に提供しています。そのため、当該データに関する情報セキュリティ体制の強化が必要不可欠となっています。収集したデータの社内での機密性確保並びに漏洩防止の強化を行い、セキュリティ管理体制の構築、整備、運用に注力してまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社が継続的に成長し続けるためには、内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。そのため、今後においても、内部統制システムの運用を徹底し、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築に努めてまいります。

 

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