文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、取引先に信頼され、株主・社員に報い、社員が誇りと意欲をもって働く企業を目指します。
小粒でも光るファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーとして、社会に貢献するとともに、独自性のある技術・製品を擁し、環境志向等時代のニーズへの即応力を備え、CS(顧客満足度)においても高い評価を得られる企業グループとなるよう努めてまいります。
当社グループは、2022年3月期を最終年度とした「新三ヵ年中期経営計画」を終了しました。2023年3月期からは、2025年3月期を最終年度とする「TOHO Step Up Plan 2024」に取り組んでまいります。「新三ヵ年中期経営計画」及び「TOHO Step Up Plan 2024」に掲げた数値目標と課題は、(3)目標とする経営指標、(5)対処すべき課題に記載のとおりです。「TOHO Step Up Plan 2024」においては、多岐にわたる製品群と幅広い技術を有する当社グループの特色や強みは生かしながらも、「選択と集中」を一層徹底し、経営資源を成長事業へ集中的に投入することにより、収益力を改善・強化すべく全力で取り組んでまいります。
「新三ヵ年中期経営計画」(2020年3月期~2022年3月期)では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標といたしました。
数値目標(連結) <最終年度(2022年3月期)>
「TOHO Step Up Plan 2024」(2023年3月期~2025年3月期)においても、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元拡大を重視し、下記の指標を数値目標としています。
数値目標(連結) <最終年度(2025年3月期)>
今後の経済の見通しにつきましては、国内景気は持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による影響は、2023年3月期も一定期間継続するものと考えられ、中国の「ゼロコロナ政策」徹底による経済への影響も懸念されます。また、世界経済の回復に伴って原油価格が高水準で推移していた中、ロシアのウクライナ侵攻や急速な円安の進行により原材料価格やエネルギー価格の高騰に拍車がかかっており、コスト増加による収益への悪影響が懸念されます。加えて、米国等の金融引き締めによる景気減速も不安材料として挙げられます。
<「新三ヵ年中期経営計画」を振り返って>
「新三ヵ年中期経営計画」(2020年3月期~2022年3月期)の重要課題と対応状況につきましては以下のとおりです。
(最重要課題)
2019年度に操業開始以来初の営業損益黒字化を、2020年度には初の経常損益黒字化を果たしたものの、2021年度は、コロナ禍に加えて中国国務院査察による生産停止指示(約3ヵ月間)の影響もあり、市場開拓活動や国内工場からの製造移管が大幅に遅れ、更に原料高騰も追い打ちとなった結果、営業損益は大幅な赤字となり、第2期増設工事稼働後の同社事業を軌道に乗せるには至りませんでした。
製造設備の大型化に伴うスケールアップやDCS(分散制御システム)による省力化・省人化の他、製造工程の短縮、生産場所や生産設備の最適化、生産合理化のための投資等を進め、計画を設定した際に掲げた課題は概ね完了し、確実に進捗いたしました。
経営階層の世代交代や組織再編、最適人員配置、風通しの良い組織づくりなどでは大きな前進があった一方、採算意識とスピードに対する意識の改善はいまだ不十分であり、重要課題として次期中期経営計画に持ち越す形となりました。
(その他重要課題)
2021年12月に千葉工場に新プラントが完工した他、同事業の生産合理化による生産性改善にも着手するなど、確実に前進しました。
千葉工場から電子情報材料以外の製品を他工場へ製造移管し、生産場所や設備の最適化を実施するなど進捗はあったものの、コロナ禍で東邦化学(上海)有限公司の第2期増設工事完工後の製造移管に遅れが生じ、計画の達成には至りませんでした。
渡航制限により日本からの営業活動ができない中、子会社である東邦化貿易(上海)有限公司を活用し、日本からはリモート商談で市場開拓活動を実施してまいりましたが、2年にわたるコロナ禍の影響を受け、計画に対し大きく遅れる結果となりました。
電子情報材料では長年注力してきた先端製品の販売が始まりつつある他、香粧原料や土木建築用薬剤のポリマー製品の開発では一部製品の販売を開始、またプラスチック用添加剤のポリマー製品開発では技術確立において成果がありました。
ERPは2020年5月の稼働後、安定的な運用を続けております。また、在宅勤務を支援するITインフラの整備やシステム構築を相次いで実施した他、申請書類のワークフローシステム化等、IT活用による業務の合理化を進めました。
<「TOHO Step Up Plan 2024」の内容・取り組みについて>
「TOHO Step Up Plan 2024」(2023年3月期~2025年3月期)におきましては、下記の重要課題に取り組んでまいります。
(最重要課題)
・「選択と集中」を一層強化するための経営資源配分
・各事業・各製品の「連結営業利益」、「連結売上高営業利益率」を指標とし、将来性等も考慮した総合的な収益性評価を基にした経営判断
・高機能・高付加価値製品の事業拡大、コモディティ化した製品の比重低減、不採算取引の取引条件是正
・同分野への優先的な経営資源投入による当社中核事業への育成
・2021年12月完工の新プラント稼働及び更なる増設対応による需要増の確実な取り込み
・スピード感のある研究開発の推進、先端製品の開発への注力、製品群の拡大
・第2期増設設備の稼働率の早期向上による売上・利益拡大
・当社グループの最適生産体制強化に向けた同社の日本向け製品の割合引き上げ
・国内工場からの速やかな生産移管、アジア市場開拓の加速による計画の遅れの挽回
・2024年度の同社営業利益5億円の達成
(その他重要課題)
・「カーボンニュートラルの実現」を長期目標とし、その実現に向けたサステナビリティ活動への取り組み
・脱炭素化に向けた各種対応策の実施、本中期経営計画期間中に数値目標及び長期計画を策定
・CO 2 排出量の抑制につながる省エネ・省資源対策への取り組み
・環境負荷低減製品の開発への注力
・「設備投資計画・製造移管スケジュール」策定とそれに沿った設備投資、製造移管の実施
・本計画期間中の設備投資は、千葉工場の電子情報材料生産設備増設、鹿島工場の貯槽増設、国内各工場の生産合理化投資の3点を中心に、優先度の高いものに限定して実施
・千葉工場は電子情報材料のウエイトを高め、それ以外の製品の一部は他工場へ製造移管
・国内外の生産拠点間でBCP体制を強化
・事業分野・製品群・テーマの将来性や収益性等を精査し、研究開発エネルギーを配分
・差別化できる事業分野及び高機能・高付加価値製品への研究開発エネルギーのシフト
・長期戦略テーマへの注力と早期製品化の実現
・脱炭素化・環境対応のテーマ、製品開発への注力
・プロジェクトチーム、ワーキンググループの柔軟な組成による技術の横展開と開発のスピードアップ
・最適な人員配置、省力化・省人化によるスリムな体制の維持
・リーダー及びリーダー候補の育成への注力、チャレンジ意欲の喚起
・採算意識とスピードに対する意識を一層浸透させる意識改革への取り組み
・スリムな人員体制による収益力向上、その収益を原資とした社員の待遇改善
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