(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
その結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高は760億9千3百万円となり、前期に比べ132億4千2百万円(21.1%)の増収となりました。
利益面では、営業利益は32億5千万円となり、前期に比べ16億7千4百万円(106.2%)の増益となりました。経常利益は34億3千3百万円となり、前期に比べ23億4千万円(214.0%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は17億4千6百万円となり、前期に比べ6億5千4百万円(60.0%)の増益となりました。
当社グループのセグメント別経営成績の概況は次の通りであります。
売上高は、ほぼ全ての品目で前期を上回り、175億6千6百万円となり、前期に比べ27億8千2百万円(18.8%)の増収となりました。営業利益は期後半に原料高の影響を受けましたが、9千万円と前期に比べ5億8千1百万円の増益となりました。
塗料用樹脂は、新型コロナウイルス感染症の影響による塗装工事の遅延も緩やかに解消したことから、売上高は増加しました。
印刷インキ用樹脂は、前期に比べ期初から需要が回復していましたが、8月以降、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受け、商業印刷や新聞などに使用されるインキの需要が減少し、売上高は前期並となりました。
合成ゴム用乳化剤は、半導体不足により自動車の生産が減少した影響はありましたが、履き替え用市販タイヤの需要が増加し、売上高は増加しました。
b.製紙用薬品
売上高は、段ボール需要の増加を背景に、211億7千4百万円となり、前期に比べ26億9千2百万円(14.6%)の増収となりました。営業利益は16億5千万円となり、原材料価格の高騰の影響もあり、前期に比べ3億3千7百万円(△17.0%)の減益となりました。
国内では、加工食品や通販の市場拡大による段ボール需要の増加に加え、商業印刷や新聞広告などの需要が緩やかに回復したことから、紙、板紙の生産量が増加し、売上高は増加しました。
中国では、紙、板紙の生産量回復に加え、古紙輸入規制強化による紙力増強剤の需要が拡大したことから、売上高は堅調に推移しました。しかし、原材料価格の高騰に伴い営業利益は減少しました。
米国では、段ボール原紙の需要が拡大し、紙、板紙の生産量が増加したことから、売上高は増加しました。しかし、原材料価格の高騰に伴い営業利益は減少しました。
(単位:百万円)
c.電子材料
売上高は、全ての主要品目で前期を上回り、旺盛な半導体需要の継続もあり、63億4百万円となり、前期に比べ12億9千8百万円(25.9%)の増収となりました。営業利益は売上高の増加に伴い、6億5千8百万円と前期に比べ3億8千5百万円(141.8%)の増益となりました。
熱交換器用ろう付け材料は、自動車生産台数の増加に伴い、自動車用熱交換器の需要が増加したこと、また前期は新型コロナウイルス感染症による販売減少により、当期の売上高は増加しました。
はんだ付け材料は、自動車業界の回復に加え、自動運転や電動化により電子部品の需要が増加傾向にあることから、売上高は増加しました。
半導体用機能性樹脂は、テレワークに伴うパソコンや5G通信インフラの拡大など旺盛な半導体需要が継続していることから、売上高が増加しました。
(単位:百万円)
d.ローター
売上高は、新型コロナウイルスワクチンの接種が進んだ欧米での経済活動の回復もあり、295億1千8百万円で、前期に比べ64億5千万円(28.0%)の増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、欧州、米国での生産の合理化や原材料価格の上昇に対する販売単価への転嫁が進んだことにより、17億2千1百万円と前期に比べ、13億3千5百万円(345.8%)の増益となりました。
粘接着剤用樹脂は、南米、オセアニア地域で物流の混乱に伴い販売数量が減少しましたが、全体としては通販市場の拡大に伴い宛名用ラベルシールに使用される粘着剤用樹脂の需要が世界的に増加したことから販売は好調に推移しました。また、路面標示塗料用樹脂の需要も堅調に推移したことから売上高は増加しました。
印刷インキ用樹脂は、情報のデジタル化を背景に需要の低迷が継続しているものの、北米、南米など一部の地域で需要が回復しました。また、原材料価格の上昇に伴い、販売単価も上昇したことにより売上高は増加しました。
(単位:百万円)
当連結会計年度末の総資産は前期末に比べ95億1千4百万円の増加となり、増減の主な内容は以下の通りとなりました。
(流動資産)現金及び預金が 18億8千7百万円 増加し、同じく受取手形及び売掛金が26億8千4百万円増加しました。
(固定資産)有形固定資産が9億5千万円増加し、同じく無形固定資産が1億5千4百万円増加しました。
(流動負債)支払手形及び買掛金が25億4百万円増加し、短期借入金が9億1百万円減少しました。
(固定負債)長期借入金が49億3千4百万円増加し、退職給付に係る負債が1億5千万円減少しました。
(純資産) 親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7億9千万円増加しました。
その結果、総資産の増加もあり、当連結会計年度末における自己資本比率は46.6%となりました。
(単位:百万円)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は53億3千8百万円となり、前連結会計年度と比べ19億1千7百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フローでは、28億3千3百万円の収入となりました。
これは主として、棚卸資産の増加額が25億7千2百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が29億9千4百万円、減価償却費21億7千5百万円等、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フローでは、34億3千8百万円の支出となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出が25億8千9百万円、無形固定資産の取得による支出が2億6千6百万円等により、資金の支出が収入を上回ったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フローでは、21億6百万円の収入となりました。
これは主として、短期借入金の返済による支出11億4千3百万円、配当金の支払額9億5千5百万円があったものの、長期借入金による収入50億円等により、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は、販売価格によっております。
当社グループは見込生産を行っており、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は789億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億1千4百万円増加しております。これは主として、流動資産では増収増益に伴い、現金及び預金が18億8千7百万円増加し、同じく受取手形及び売掛金が26億8千4百万円増加しました。固定資産では設備投資の増加に伴い、有形固定資産が9億5千万円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は388億円となり、前連結会計年度末に比べ68億5千2百万円増加しております。これは主として、流動負債では支払手形及び買掛金が25億4百万円増加し、短期借入金が9億1百万減少しました。固定負債では長期借入金が49億3千4百万円増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は401億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億6千2百万円増加しております。これは主として、為替換算調整勘定が14億3千3百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7億9千万円増加したことによるものです。
(自己資本比率)
自己資本比率は前連結会計年度末の49.8%から46.6%へと3.2ポイントの減少となりました。連結会計年度末の発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末1,375.27円から1,459.97円と84.70円の増加となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は760億9千3百万円となり、前連結会計年度に比べ132億4千2百万円の増収となりました。これは主として、新型コロナウイルスワクチン接種の進展と積極的な経済対策による影響により、世界経済が緩やかに回復し、国内事業及び海外子会社の出荷量が増加したことによるものであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の売上原価は581億1千5百万円となり、原材料価格の高騰の影響等により売上原価率が0.2ポイント増加し76.4%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の合計は147億2千6百万円となり、販売の増加に伴う運搬費の増加や、旅費交通費等の増加等により13億4千万円増加しております。売上高比率は前連結会計年度に比べ1.9ポイント減少の19.4%となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は32億5千万円となり、前連結会計年度に比べ16億7千4百万円の増益となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は7億円、営業外費用は5億1千7百万円で、為替差益や持分法による投資利益が増加したため、営業外利益は1億8千3百万円となりました(前連結会計年度の営業外損失は4億8千3百万円)。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、34億3千3百万円となり前連結会計年度に比べ23億4千万円の増益となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別損失は、減損損失として4億3千9百万円計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は17億4千6百万円となり、前連結会計年度に比べ6億5千4百万円の増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、主に営業活動によるキャッシュ・フローの収入が28億3千3百万円あったものの、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が34億3千8百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの収入が21億6百万円あったことにより、前連結会計年度に比べ19億1千7百万円(56.0%)の増加となりました。
当社グループの資金の財源につきましては、短期借入金の残高が77億2千4百万円、長期借入金(一年内返済予定長期借入金を含む)の残高が129億7千4百万円となっております。
また、当社グループの資金の流動性については、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの収入が28億3千3百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を53億3千8百万円保有しております。さらには、金融機関との間にコミットメントライン契約を締結しているので、国内・海外で必要なタイミングで資金調達を行える体制になっております。将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する債権の貸倒による損失見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加計上が必要になる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、公開会社株式と非公開会社の株式が含まれます。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資に対する減損額を計上しております。公開会社株式への投資の場合、通常決算期末時点で株価が取得価額に対して50%以上下落した場合に減損額を計上しております。また、取得価額に対して30%以上50%未満の範囲で下落した場合には、過去における時価の推移等を勘案し、回復可能性がないと判断した銘柄については、減損額を計上しております。非公開会社株式への投資の場合、その会社の純資産額が、投資額に対して50%程度以上、下回る場合に減損額を計上しております。将来、市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要になる可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額を計上しております。繰延税金資産を評価するにあたっては、将来の課税所得及び過去の業績等を基準に検討しております。しかし、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、及び計上された繰延税金資産を上回る金額を今後回収できると判断した場合、当該判断を行った各々の期間に繰延税金資産の調整額を費用及び収益として計上させることになります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来キャッシュフローの総額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
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