課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

 当社の親会社は、株式会社ビジネスブレイン太田昭和(東京証券取引所市場第一部に上場)であり、当社は連結子会社として親会社グループに属しているため、当社の株式上場は親子上場となります。

 親会社グループは、経営会計を基軸にした「総合バックオフィスサポーター」を目指し、コンサルティングやシステム構築・運用、ビジネス・プロセス・アウトソーシング等を展開しておりますが、親会社グループにおいて当社と類似するサイバーセキュリティ事業を展開する会社はなく、当社の独立性が確保されております。その中で、親会社の提供する経営会計システムは、顧客企業のグローバル化やDXの進展に伴い、サイバーセキュリティ対策が重要になっております。また、親会社グループにおいても、各種サイバーセキュリティ対策のニーズが顕在化している状況です。

 親会社は、当社の販売代理店及び最終顧客としての関係にあるため、今後も継続した関係を維持することが、当社の事業成長に有益であると判断し、親子上場となる形を選択しております。

 中長期的には、さらなる当社の事業成長と、一般株主との利益相反を解消していくべく、親会社による当社株式の保有比率を下げ、親子上場を解消していく考えであります。

 

(1)経営方針

 当社は「サイバーセキュリティ教育カンパニー」をコンセプトに掲げております。情報セキュリティ・サイバーセキュリティに特化した専門会社として、セキュリティコンサルティング、脆弱性診断、サイバーセキュリティソリューションをはじめ、セキュリティの全体像を網羅した教育サービスを提供しております。

 特に中堅企業において、情報セキュリティ対策が必要であるものの、サービスを提供する事業者や人材が不足している現状を踏まえ、当社は、長年のセキュリティコンサルティングや脆弱性診断等で培った豊富な知見を社会に還元することで、日本の情報セキュリティレベル向上に貢献することを理念としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、成長性と収益性を重視しており、成長性については売上高の前期比増加率、収益性については売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 社会システムのネットワーク化が進む近年において、コンピュータ・システムを取り巻く脅威は多様化しており、システムを攻撃されることにより甚大な被害を及ぼす傾向が強まっております。さらに新型コロナウイルス感染拡大防止対策として急速に進展するテレワーク等働き方の変化に伴い、サイバーリスクの及ぶ範囲とその被害は大幅に拡大しております。

 一方で、サイバーセキュリティの専門知識を持つ人材(セキュリティ人材)の多くは、一部の大手サイバーセキュリティ専門企業に所属しており、また、一般企業においては、自社のサイバーセキュリティに関する業務を外部の専門企業へ委託することが一般的であるため、自社内におけるセキュリティ人材の育成方法や育成機会が確立されず、結果的に、日本におけるセキュリティ人材が圧倒的に不足しております。また、サイバーセキュリティに関するサービスを提供する事業者側の提供能力にも限界があり、一般企業、特に中堅・中小企業では、サイバーセキュリティ対策を講じる上での相談先がないのが現状です。

 このような経営環境のもと、当社は「教育」を軸とし、中堅・中小企業に最適化したサービスを提供することで、顧客の自衛力を高め、日本の情報セキュリティレベルを底上げすることを中長期的な経営戦略として、事業を推進してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき財務上の課題は、現在ありません。今後さらなる事業の拡大と収益性の確保、そしてリスク低減のため、特に下記の6点を優先的に対処すべき事業上の課題として取組んでおります。

①「サイバーセキュリティ教育カンパニー」の更なる訴求

 サイバーセキュリティニーズが高まる一方で、依然としてセキュリティ人材が不足している業界環境のなか、日本全国の企業がサイバーセキュリティの「自衛力」を向上するためには、セキュリティ人材の育成が急務と考えます。コンサルティングや脆弱性診断、緊急対応等のサービスを提供するだけでなく、それらで培った知見を教育コンテンツにも反映して提供することで、本質的な「サイバーセキュリティ教育」を実施するという、明確なビジネスコンセプトを引き続き訴求し、差別化されたポジションの確立と、プレゼンスの向上を目指します。

②アップセル・クロスセルの更なる推進

 中堅・中小企業におけるサイバーセキュリティの課題は多岐にわたっており、それぞれに最適化したサービスを提供することが求められております。ひとつのサービスの提供をきっかけに、当社の様々なサービスを適切に連携させることで、高い取引継続率の維持と、顧客満足度の向上を目指します。

 

③利益体質の強化

 当社は、中期的な経営戦略として、営業利益率の継続的な向上を目指すこととしております。各サービスにおいて、自動化やプロセスの標準化等の工夫を進め、中堅・中小企業に最適化したサービスを提供しながら、強い経営基盤の構築を目指します。

 

④東京以外の商圏拡大

 西日本を皮切りに、全国へと商圏拡大を目指します。地元の販売店との連携強化、サイバーセキュリティ分野における診断・研究・教育の拠点を全国展開することによって、売上高増加を目指します。

 

⑤業容拡大にともなう人材リソース不足の解消

 セキュリティ人材が不足している業界環境のなか、当社では、社員育成だけでなく社外から安定的に人材リソースを供給できる体制構築に取り組んでおります。

 具体的には、同業他社へ当社の教育コンテンツを提供することで、業界全体のセキュリティ人材を育成したうえで協業を推進することや、地方企業のIT人材にセキュリティ教育を実施し、脆弱性診断業務のニアショア化を図るなど、「サイバーセキュリティ教育カンパニー」の強みを活かした施策を実行してまいります。

 

⑥新型コロナウイルス感染症拡大への対応

 新型コロナウイルス感染症の影響は、依然として先行き不透明な状況にあります。当社では、役職員へのマスク着用、手洗い、消毒の推奨や、テレワークや時差出勤の導入等、感染防止に向けた対策を講じております。引き続き、役職員の心身の健康に留意しつつ、柔軟な対応によって当社ビジネスを進展させることを目指します。

 

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