課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループはユーザーの嗜好をとらえ、他社との競合において比較優位に立ち、持続的に成長するため、以下の内容を対処すべき課題としてとらえ、その対応に取り組んでまいります。

 

(1) 会社の経営の方針

当社グループは、「いい未来をつくる。」を企業理念としており、単純に「未来」とするのではなく「いい未来」とすることで "誠実さ" や "社会的責任" を表現しました。ここで言う「いい未来」とは、お客様、株主、経営陣、従業員、そしてその家族など、企業活動に関わるすべての人のための「いい未来」を意味しています。「つくる」ということばには、"積極性" や "情熱" を表現しており、未来を創造するのは自分たち一人ひとりであると自覚する姿勢を表しています。当社の企業活動が、人間にとって明るくより良い未来につながることを理念としています。

また「OPEN DATA, OPEN SCIENCE!」を経営理念としており、POSデータのオープン化を通じた収益性の向上を目指し、データ・ドリブン経営で社内の生産性を向上させることを目指します。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、継続的な成長性を重視しており、売上高の対前期増加率及びARR(年間経常収益)を重要な経営指標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、長期ビジョン「VISION2031」において、アクティブ店舗数30万店舗、国内市場シェア14%を目指しており、継続的な高成長を実現するために「顧客数×顧客単価」のそれぞれの向上を意識し、以下の施策に取り組んでまいります。
①積極的な広告宣伝活動
 テレビCMやラジオ番組をはじめとする認知向上とウェブ広告やアフィリエイトの強化による相乗効果で、新規顧客の獲得を目指します。
②アプリマーケットの活性化
 アプリマーケットが活性化することで追加される拡張アプリにより、あらゆる業種や業態に対応することが可能となります。現状では、クロスセル効果は小さいものの、専門性の高い機能をフックにした新規顧客の獲得や拡張アプリの利用料収益による顧客単価の向上を目指します。
③決済サービス強化によるトランザクションベースの収益拡大
 株式会社ロイヤルゲートの買収によって、従来の代理店という決済サービスの提供に加え、POSサービスと一体化したシームレスな決済サービスの提供が可能となりました。スマレジ導入店舗及び株式会社ロイヤルゲートの既存加盟店へのクロスセルによるARR向上を目指します。
④勤怠管理からHRサービスへの成長
 スマレジ・タイムカードの機能やサービスを充実させ、HR事業を独立した組織とすることで成長を促し新規顧客の獲得を目指します。また、スマレジ導入店舗へのタイムカード導入キャンペーン等の営業施策を実施することで、クロスセルによるARR向上を目指します。
 

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループが属するクラウドサービス市場におきましては、技術の更なる進展により、デジタルトランスフォーメーションの重要性が高まっており、その実現に向けたIT投資戦略の増加も期待され、より一層のクラウド化の波も推進され、中長期的に成長トレンドが継続するものと考えております。

一方で、新型コロナウイルス感染症問題が、当社グループのお客様である小売店様及び飲食店様に影響を及ぼしており、先行きに対する不透明感が増しております。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症問題への対応として、働き方や業務に関する方針の転換を行い、業績への影響を最低限に抑えるための取組みを行っております。

 

① お客様のニーズに応える技術力やサービスの強化

スマレジのユーザーは毎年増加を続けており、登録店舗数も11万店舗を突破しました。ユーザーの潜在的ニーズやユーザーが当社サービスを使用して生じた新たなニーズを抽出し、当社サービスの機能に反映させていくことが当社グループの強みであり、これが競合他社との差別化の要因となっております。お客様のニーズを迅速かつ的確に抽出できるようお客様の意見を取り入れる機会を増加させ、当社サービスの機能に適時に反映できるように、当社グループの技術力の強化に努めてまいります。

 

② レジ機能のみに偏らない今後の当社サービスの拡充について

当社グループでは、ユーザーのニーズに基づき、スマレジの定期的なバージョンアップを行い、その利便性や安全性を高めてまいりましたが、当社グループの人的リソースに限界があるため、スマレジの機能に反映が出来ていないユーザーのニーズが存在します。この課題に対し、当社グループでは2020年より「スマレジ4」として、当社以外のサードパーティー(第三者である法人若しくは個人事業主等)にもスマレジAPIを公開し、従来社内のみで行っていたスマレジの機能拡充等を、サードパーティーでも行えるようになりました。また、サードパーティーが開発したスマレジの関連サービスや追加機能はスマレジ・マーケットプレイスで販売が可能となっています。他方で、当社グループではCVC事業としてスタートアップ企業への投資を行うと同時に当社サービスとの連動を実現し、サービスの拡充を図るなど、新しい施策にも対応しております。

 

③ 技術者(ソフトウェアエンジニア)の確保について

当社グループのシステムの安定稼働のためには、日常的なメンテナンスと社内でのテスト運用が必要であり、それらを運用する技術者の確保は、必要不可欠であると認識しております。一方で、システムの継続的なバージョンアップや、新規サービスの開発も並行して進められるよう、引き続き優秀な技術者の確保に努めてまいります。

今後、日本の労働者人口が減少していくと考えられるなかで、技術者もまた減少することが考えられます。魅力的な労働環境や技術者を増やすための啓蒙活動を通して、当社グループのみならず、技術者全体の数の増加及び優れた技術者の育成にも注力してまいります。

 

④ 組織力の強化

職務分掌の明確化や、新たな管理職の登用及び各部署の増員も行い、組織体制も充実してきましたが、スマレジのリリースから10年を経過した今、新たなフェーズに向かうための組織体制の強化を図ってゆきます。積極的な採用活動による人財獲得に合わせて、教育プラン、評価制度、働きやすい環境の整備を行い、事業の拡大と企業の成長スピードに耐えうる組織の構築を目指す必要があると考えております。

 

⑤ コンプライアンス体制の強化

企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。ユーザーや社会からの信頼向上のため、今後もコンプライアンス体制の強化を図っていく方針であります。当社グループでは、従業員に向けての定期的なインサイダー取引の防止に関する研修の実施や、内部通報制度の整備等、コンプライアンス体制の強化に引き続き対応してまいります。

 

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