課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、これまで中小企業・個人事業主のオフィスの課題を解決するパートナーとして、IT、オフィス、Webなどの総合ソリューション活動により、顧客との信頼関係を築いてまいりました。様々な個人事業主・中小企業の経営者、従業員の方々と出会う中で、素晴らしい「アイデア」があることを目の当たりにし、同時に常に課題や悩みを抱えており、能力を発揮しきれていない状況も多数見てまいりました。そのような顧客に対し、自社サービスである光コラボレーションモデル「オフィス光119」をはじめ、電力サービスである「オフィスでんき119」や環境商材等を組み合わせ、オフィス周りのあらゆるニーズに迅速かつきめ細かく対応することで、オフィス周りの雑務から解放し、中小企業・個人事業主の限られた経営資源を本業に集中できる環境の構築と企業価値の向上に取り組んでおります。また、ソリューション分野で新しい価値の創造や、利便性を生み出せるように新たな事業領域に挑戦し続け、中小企業・個人事業主を豊かにし、日本のより良い社会づくりに貢献することで持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。これらにより、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を図ることが基本方針であります。

 

一方、新型コロナウイルス感染症拡大を機に生活が一変し、ロシア・ウクライナ問題に端を発した原材料等の高騰による影響、加えてデジタルトランスフォーメーション(DX)等の推進により世の中のニーズが急速に変化しております。このような変化の激しい事業環境下で、当社グループが今後も持続的に成長していくためには、変化をチャンスと捉え新しい価値を創造し、社会に必要とされ持続可能な社会に貢献する企業グループとなることが肝要であると考えております。

 

■経営理念

「すべての人々に感動と満足を提供し続けます。」

 

時代のニーズを常に見据えながら変化をチャンスと捉え、ソリューションカンパニーとして新しい価値の創造(感動)を提供するため、全従業員を尊重し、しあわせの実現(満足)を目指すことにより、豊かでより良い社会づくりに貢献する企業グループであり続けます。

 

■ビジョン(目指す企業像)

●お客様へ

お客様の期待を超える対応により、感動と満足を提供し続ける企業グループを目指します。

●従業員へ

全ての従業員の多様性、人格、個性が尊重され、安心で働きやすい職場と、能力が最大限に発揮できる環境を整え、感動と満足を提供する企業グループを目指します。

●株主・投資家の皆様へ

株主をはじめすべてのステークホルダーに対して幅広くコミュニケーションを図り、適時・適切でわかりやすい情報開示を行います。継続的な成長を通じ株主価値の向上に努め、永続的に応援したいと思っていただけるよう、感動と満足を提供する企業グループを目指します。

●地域社会へ

法令を遵守し、自由競争に基づく公正・透明な事業活動を行います。雇用の創出と環境に配慮したサービス等の提供を通じて社会に必要とされ、持続可能な社会の実現に寄与し、感動と満足を提供する企業グループを目指します。

 

■行動指針

我々は、常にすべての人々の満足の為に行動すること。

我々は、常に変化をチャンスと捉え行動すること。

我々は、常に新しい可能性を目指して行動すること。

我々は、常に社会に必要とされる会社を目指して行動すること。

 

(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループを取り巻く環境は、政府による各種政策の効果や新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン接種が促進され、景気が持ち直していくことが期待されている一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で、供給の制約、原材料価格の上昇、円安等の下振れリスクにより先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが主にサービスを提供する中小企業・個人事業主におきましても、厳しい状況が続いております。

このような環境のもと、当社グループは2021年9月をスタートとする3か年の中期経営計画として、「TRP-2024」を策定し取り組んでおります。基本方針を「人財と企業の成長を両立し、サステナビリティの実現に踏み出す、しなやかで強靭な企業へ」とし、1.顧客との協創力強化によるストック収益拡大、2.人的資本投資を拡大し、永続企業への基盤創造、3.「企業規模拡大」から「企業価値拡大」へ転換し、サステナビリティ経営の推進の3項目の確実な実行に取り組みます。人財投資による人財成長と、企業価値向上による企業成長を並行して遂行し、しなやかで強靭な企業グループを目指します。

各セグメントにおける2023年8月期での取り組みは以下のとおりです。

 

①オフィス光119事業

オフィス光119事業においては、販売チャネルの拡大として、代理店の開拓強化及び積極的な活用とデジタルマーケティングによる新規顧客獲得を行い、契約保有回線数の積み上げによるストック収益の向上を目指します。また、販売戦略の強化として、サービス・商材のパッケージ販売等を展開し、顧客との関係強化・顧客満足度向上により、クロスセル、アップセル、解約率低減に努めます。さらに、中小企業・個人事業主はDX化の遅れが顕著であるため、デジタル化・クラウド化を可能とする新規サービスの拡充に取り組みます。

 

②オフィスソリューション事業

オフィスソリューション事業においては、電力調達価格のリスク分散を図りながら電力小売販売(オフィスでんき119)に注力いたします。基本的な取り組みはオフィス光119事業と同様に、代理店の開拓強化及び積極的な活用とデジタルマーケティングによる新規顧客獲得及び契約保有件数増加を目指すとともに、リテンション活動によるクロスセル、アップセル、解約率低減に努めます。また、社内連携を強化し、顧客が必要な商材・サービスをワンストップで提供できるよう取り組みます。

 

③ファイナンシャル・プランニング事業

ファイナンシャル・プランニング事業においては、緊急事態宣言等による来店客数の減少も底を打ち、回復傾向がみられつつあるため、Web集客を強化いたします。既存顧客へのリテンション活動も継続して取り組み、顧客満足度向上により成約件数の回復に努めます。

 

(3)目標とする客観的な指標等

当社グループの根幹となる事業は、通信インフラや電力小売をはじめとするストック型ビジネスモデルであると認識しております。このため、新規顧客獲得数の増加及び契約保有回線数に対する解約率を意識しております。その上で、企業価値の増大を図っていくため売上高、営業利益、EPS(1株当たり当期純利益)、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標としております。なお、この指標は電力の収益モデル変更に伴い売上高については上方修正し、営業利益率から投資家が重視する指標のひとつであるEPSへ変更しております。

 

東名グループ中期経営計画 最終年度(2024年8月期)の数値目標

売上高   270億円

営業利益  20億円

EPS  173.45円

ROIC   13%

 

 

  (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、以下の事項を主要な経営課題として認識し、中期経営計画にて取り組む方針です。

 

(ⅰ)顧客との協創力強化によるストック収益拡大

当社グループは、中小企業・個人事業主のオフィスの課題を解決するパートナーとして、IT、オフィス、Webなどの総合ソリューション活動により、顧客との信頼関係を築いてまいりました。これからも、顧客が直面する課題を真摯に受け止め、解決のためのサービスに転換し、顧客が経営資源を本業に集中できる環境を構築することで企業価値向上が実現できるよう取り組みます。

2022年8月期においては、協創ソリューションとして5件の新規サービスをリリースいたしました。DX関連サービスを中心に、これら顧客と共にサービスを創り上げる「協創」ソリューションサービスのラインナップを増加し、ストック型ビジネスとしてストック収益拡大を目指します。

 

(ⅱ)人的資本投資を拡大し、永続企業への基盤創造

当社グループは、今後の事業拡大、継続的な成長を目指す上で、社内外の優秀な人財を継続的に確保・育成することが重要な課題であると認識しております。特に非対面セールスを中心とした営業本部では離職率が高く、定着率の向上が喫緊の課題となっております。

そのための人事制度改革として、2022年8月期には教育・研修体制を構築するための準備を行いました。今後は、教育ラボ(教育施設)を活用することによる教育制度を確立するとともに評価制度の見直しを行い、社員エンゲージメント向上に取り組みます。引き続き、当社グループとしてのダイバーシティ&イノベーション(多様性による新しい価値の創造)にも取り組みます。人的資本に積極的に投資を行い、当社グループの基盤創造を推進してまいります。

 

(ⅲ)「企業規模拡大」から「企業価値拡大」へ転換し、サステナビリティ経営の推進

当社グループは、設立以降、順調に売上高及び営業利益を拡大し、概ね計画通り企業規模を拡大してまいりました。今後は企業価値を基軸として拡大することとし、10年ビジョンの当初3年間という位置づけで最終年度の2024年8月期には時価総額300億円を目指します。2022年8月期には、サステナビリティ委員会を新設しマテリアリティの特定及び目標値の設定を行いました。また、決算短信・招集通知・IRサイトの英文化、アナリストレポートの開示等IR活動の充実化も実施いたしました。引き続き、ガバナンス体制の強化、ESGを中心としたサステナビリティ経営の推進、IR活動の積極的な実施による当社グループの認知度向上及び投資家との対話に努めます。

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