当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループの経営成績について、当連結会計年度の業績は、売上高19,036百万円(前年比12.2%増)、営業利益2,355百万円(前年比38.1%増)、経常利益2,514百万円(前年比35.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,049百万円(前年比36.2%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の売上高は269,271千円減少しておりますが、損益に与える影響は軽微であります。また、利益剰余金の当期首残高への影響はありません。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<金属表面処理剤及び機器等>
当セグメントの売上高は、10,569百万円(前年比16.5%増)、営業利益は、1,403百万円(前年比33.2%増)となりました。
<電 子 材 料>
当セグメントの売上高は、791百万円(前年比23.9%増)、営業利益は、39百万円(前年同期は88百万円の営業損失)となりました。
<自動車用化学製品等>
当セグメントの売上高は、3,155百万円(前年比9.3%増)、営業利益は、972百万円(前年比21.8%増)となりました。
<工 業 薬 品>
当セグメントの売上高は、4,519百万円(前年比3.5%増)、営業利益は、189百万円(前年比17.2%増)となりました。
当連結会計年度末における流動資産残高は、前連結会計年度末に比べ627百万円増加し11,881百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加315百万円、棚卸資産の増加150百万円、電子記録債権の増加138百万円であります。固定資産残高は、前連結会計年度末に比べ315百万円増加し14,002百万円となりました。主な増減は、投資有価証券の増加597百万円、投資その他の資産その他(生命保険積立金)の減少150百万円、有形固定資産の減少126百万円、無形固定資産の減少22百万円等によるものであります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ25百万円減少し4,389百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ968百万円増加し21,494百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より333百万円増加し、4,479百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が前年同期に比べ724百万円増加し2,802百万円となり、法人税等の支払額△808百万円、有価証券及び投資有価証券売却益△285百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは1,786百万円(前年同期2,410百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有価証券の取得による支出△1,700百万円、有価証券の売却及び償還による収入1,139百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは△604百万円(前年同期△1,463百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
自己株式の取得による支出△451百万円、配当金の支払額△380百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは△862百万円(前年同期△355百万円)となりました。
(注) 金額は販売価格によっております。
(注) 金額は実際仕入価格によっております。
当社グループは主として見込生産によっておりますので、受注実績について特に記載する事項はありません。
(注) 1 輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりであります。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、親会社株主に帰属する当期純利益2,049百万円並びに剰余金の配当380百万円等により当連結会計年度期首の純資産残高より968百万円増加し、当連結会計年度末の純資産残高は21,494百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は83.0%となり、健全な経営基盤を維持するため内部留保の充実をはかっております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況が続きました。また、新型コロナウイルスの新たな変異株の発生など、新型コロナウイルス感染症の終息の見通しは未だ不透明であります。
このような状況の中、当社グループは、前年から引き続き、新型コロナウイルス感染症対策として在宅勤務等を実施したうえで、Web会議システムを活用した営業活動を進めるなど、高付加価値製品の市場展開に努めてまいりました 。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、短期的には付加価値の高い製品を市場投入し市場を拡大していくことであり、長期的には研究開発を促進し事業化を加速していくことであります。新規高付加価値製品の市場展開に積極的に取り組むとともに研究開発をさらに進めております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは、①売上総利益率35%以上、②経常利益率15%以上、③利益額の伸長により、ROE(自己資本利益率)10%以上を目標としております。
当連結会計年度におきましては、売上総利益率・経常利益率・ROEは前期と比較して増加致しました。全ての指標について目標を達成するため、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(参考)売上総利益率、経常利益率、ROE(自己資本利益率)の状況
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
<金属表面処理剤及び機器等>
電子部品業界は、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワーク、巣ごもり需要の拡大による恩恵を受け、パソコン、タブレット、家庭用ゲーム機の需要増や5Gの普及に伴うサーバーの需要拡大などの要因により、金属表面処理剤は好調に推移しました。
また、化成処理液自動管理装置等は、スマートフォン、タブレット、パソコン及びデータサーバー向けパッケージ基板が好調だったことにより、設備投資が旺盛となり、販売は好調に推移しました。
<電 子 材 料>
機能材料加工品は、半導体市況が依然好調であり、半導体製造及び検査装置向けセラミック及びエンプラの販売は堅調に推移しました。
<自動車用化学製品等>
エアコン洗浄剤は、取組カーディーラーの拡大、さらには新型コロナウイルス感染症の影響による消費者の衛生意識の向上もあり、販売は好調に推移しました。
<工 業 薬 品>
特殊鋼板の減産による薬剤の使用量減及び「収益認識に関する会計基準」を適用した影響がありましたが、鉄鋼会社を中心に需要の回復と新規商材の拡販により、前年を上回りました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについて、営業活動によるキャッシュ・フローは1,786百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは604百万円の支出となり、フリーキャッシュ・フローは1,181百万円のプラスとなりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資産構成に合わせた最適な資金調達を行うことを基本方針としております。
運転資金のうち主なものは、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの資金需要に対しては自己資金により対応しております。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであり、これらの資金需要に対しては自己資金により対応しております。
資金の配分方針については、適正な手許現金及び現金同等物の水準を定め、企業価値向上に資する資金の配分に努めております。貸借対照表から算出した運転資金(※売上債権+棚卸資産-仕入債務)を安定的な経営に必要な適正な手許現金及び現金同等物の水準とし、それを超える部分については、成長投資、株主還元等への原資といたします。
成長投資について、当連結会計年度は主として金属表面処理剤及び機器等セグメント等における設備投資として339百万円、主として金属表面処理剤及び機器等セグメント等における研究開発投資として1,050百万円となりました。次連結会計年度は設備投資として857百万円、研究開発投資として1,155百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主還元については安定的で継続的な配当を行うことを基本としつつ、自己株式取得も機動的に組み合わせて行います。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、取締役会で承認された事業計画等に基づき算定され、売上高に影響する電子部品の市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
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