(1) ミッション
当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」(注1)をミッションに掲げ、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」の実現を目指してサービスの開発及び提供をしております。
大胆に、スピード感をもってアイデアを具現化することができるスモールビジネスは、様々なイノベーションを生むと同時に、大企業を刺激して世の中全体に新たなムーブメントを起こすことができる存在だと考えております。
一方、日本全体の労働生産性は主要先進7ヶ国中最下位(注2)であり、なかでも中小企業の従業員一人当たり付加価値額は大企業の半分未満(注3)と、スモールビジネスの生産性は低い状況にあります。
当社グループは、AIを始めとする先進的なテクノロジーを用いてスモールビジネスにクラウドERPサービス(注4、5)を提供し、スモールビジネスの生産性向上と経営改善を支援してまいりました。
当社グループは、データとテクノロジーの活用が、スモールビジネスが大企業に対する弱みを克服する鍵であると捉え、スモールビジネスこそがデータとテクノロジーの最先端を活用できる世界を追求することで、より良い社会を実現してまいります。
(注) 1.本書における「スモールビジネス」とは、個人事業主と従業員が1,000名以下の法人を指す
2.公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2021」
3.中小企業庁「中小企業白書(2022年版)」
4.クラウドサービス:ソフトウェアやハードウェアを所有することなく、ユーザーがインターネットを経由してITシステムにアクセスを行えるサービス
5.ERP:Enterprise Resources Planningの略称。日本語では、企業経営において点在するあらゆる情報を一箇所に集め、一元管理を行うシステムを指して一般的に「ERP」「ERPパッケージ」と呼ばれる
(2) サービス概要
当社グループでは、スモールビジネスのバックオフィスの生産性向上に寄与するSaaS(注)サービスを開発・提供してまいりました。具体的には、2013年3月に「クラウド会計ソフトfreee(現・freee会計)」を、2014年10月に「クラウド給与計算ソフトfreee(現・freee人事労務)」をリリースしました。その後も、2015年6月に「会社設立freee(現・freee会社設立)」を、2016年10月に「開業freee(現・freee開業)」及び「申告freee(現・freee申告)」を、2020年4月に「プロジェクト管理freee(現・freeeプロジェクト管理)」を、2020年12月には「freeeスマート受発注(現・freee受発注)」を、2021年11月には「freee勤怠管理Plus」を、2021年12月には「freee経費精算」を、2022年1月には「freeeカード Unlimited」をリリースし、サービスの拡充に努めてまいりました。
また、当社は、金融サービスの展開に向けて、2018年10月にフリーファイナンスラボ株式会社(以下、「フリーファイナンスラボ」という。)を設立しております。
更なるサービスの拡充に向けて、2021年4月には株式会社サイトビジット(現・freeeサイン株式会社)を子会社化し、電子契約サービス「NINJA SIGN(現・freeeサイン)」の提供を開始しました。
なお、当社グループは当社と連結子会社6社の合計7社で構成されておりますが、プラットフォーム事業を主な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)SaaS: Software as a Serviceの略称。ユーザー側のコンピューターにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービス
(3) 統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトを提供する「freee」が選ばれる理由
当社グループが提供するサービスは、資本、人材に限りのあるスモールビジネスにおける利用を前提に設計・提供しており、独自性の高い統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトとして、下記の特長がユーザー企業(注)に支持されています。
(注)当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す
① カンタン、自動化
一般的な会計ソフトは、すべての取引を複式簿記形式の仕訳として手動で入力する必要があり、多くの手間を要するという課題があります。「freee会計」においては、例えばクレジットカードや銀行の口座との同期(データ連携を指し、以下、「同期」という。)を行うことで、金融機関のトランザクションデータを自動的にサービス上に取り込み、AIにより自動で仕訳を行うことができます。これにより、ユーザー企業は手作業や手入力にかけてきた時間と工数を削減し、生産性を向上させることが可能です。
また、「freee会計」は、簿記の知識がない人でも直感的に使用可能なユーザー・インターフェイスを提供しており、専門人材の確保が容易でないスモールビジネスが自社で財務会計(会計帳簿の作成)や管理会計までを実施することも可能にしております。
さらに当社グループでは、会計ソフト業界において早期よりモバイル対応の開発を行ってまいりました。「freee会計」のモバイルアプリは、直感的に操作しやすいユーザー・インターフェイスを有し、簡単かつ効率的に業務を行うことができます。その結果、このモバイルアプリは、5.9万件超のユーザー評価をいただくなど、多くのユーザーに利用頂いていることに加えて、5段階評価で平均4.5の高評価(注1)を獲得しております。また、2022年に主要3社を対象として実施されたモバイルアプリの市場調査においても、シェア1位を獲得しております。(注2)
また、スモールビジネスにおいて、会計業務に次ぐ大きな負担となっていると当社グループが考えているのが、給与計算及び給与計算に関連する人事労務業務です。例えば、社会保険や源泉所得税などの専門的知識が要求される上に、勤怠情報や従業員の扶養状況などの詳細な把握が求められ、さらに、申告や様々な届け出が必要となります。
「freee人事労務」では、従業員が必要な情報を登録し、勤怠をつけるだけで、会社の給与計算やそれに付随する申告書類の作成などを自動化することができるため、専門的知識がなくても利用可能です。
(注)1.Apple社が運営するApp Storeにて「freee会計」のiPhoneアプリが5段階評価で平均4.5のスコアを獲得。ユーザー評価数は5.9万件超(いずれも2022年8月末時点)
2.リードプラス「キーワードから紐解く業界分析シリーズ:クラウド会計ソフト編」(2022年8月)。調査対象は、当社、株式会社マネーフォワード及び弥生株式会社
② バックオフィスオートメーション
一般的な単機能型会計ソフトが担う領域は経理業務全体の一部である記帳処理に留まり、上流工程である業務は別のソフトウェアやソリューションを使用する必要があります。例えば、販売業務に関連する請求書発行や入金消込、仕入業務に関連する購買申請や支払業務は、それぞれ会計ソフトとは異なるソフトウェアや、紙と印鑑などを使用したオペレーションが用いられていたため、各業務が分断され、非効率な業務構造となっています。加えて、同一の取引に係る情報について、会計ソフトへの転記作業を要し、さらに手入力ミスを防止するための確認作業を要するという課題があります。
「freee会計」は、スモールビジネス向け統合型会計ソフトであり、請求書機能やワークフロー機能(注)を同一のソフトウェア上で提供しているユニークな設計を特長としており、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化にも寄与します。例えば、「freee会計」上にて作成した請求書の情報は、売掛金として自動で帳簿に登録され、かつ債権管理台帳にも登録されます。その債権情報と、銀行のオンライン口座の入金情報との連携により、自動的に債権の消込が行われます。一方、仕入取引又は経費支払の場合も、受領した請求書をスキャンして取り込むと、買掛金や未払金として自動で会計帳簿及び債務管理台帳に登録されます。加えて、登録された債務は「freee会計」の中から一括で振込指示を行うことができ、債務の消込も自動的に行われます。
このように、統合型会計ソフトである「freee会計」のソフトウェア上で上流工程にあたる業務を行うことで自動的に会計帳簿が作成されるため、経理業務自体も大幅に効率化されます。
同様に、人事労務の領域においても、従来は、従業員基礎情報、勤怠管理、給与計算、保険・行政手続、マイナンバー等の人事関連の定型業務に係る情報のマスタ(データベース)が別個のソフトウェアに散逸し、マスタ間の転記及び整合性担保に手間とコストが生じているケースが見られました。
「freee人事労務」も統合型人事労務ソフトとしての性質を持ち、従業員基礎情報の構築から給与計算及び行政手続等に至るまでのデータを一元管理することで、人事労務に係る定型業務を単一のソフトウェア上で完結し、人事労務担当者の負荷を軽減するとともに、従来の転記に伴うミスを避けることが可能となります。これにより、人事労務に係る定型業務の大幅な効率化につながります。
(注)経費精算、支払依頼、各種稟議など、各種業務フローに係る申請・承認を行う機能
③ 経営者の意思決定をナビゲート
一般的な会計ソフトは、税務を中心とした制度会計のための財務諸表作成とそのための記帳を主な目的として利用されています。経理業務は、会計ソフトだけでなく、様々なソフトウェアや紙と印鑑によるオペレーションの組み合わせにより行われていることが多く、販売や仕入れなどの取引発生から会計処理の完了までのリードタイムは長期化しています。また、様々なソフトウェアやアナログ手法の組み合わせによって経理業務が行われていることで、取引の発生から財務諸表までのデータは断絶されています。
そのため、会計ソフトを、経営指標のモニタリングや、元取引及び証憑に遡って深掘りする目的に利用することは難しいのが現実です。
当社グループの「freee会計」は統合型会計ソフトであるため、上流工程と会計帳簿を一体で扱うユニークな設計を有しており、リアルタイムに経営状況が記録され可視化されます。また、財務情報のみならず、財務諸表や各種レポートから、上流工程業務の証憑、取引先、部門等の情報を一元化して可視化し分析することができます。
例えば「予算・実績管理」機能を用いることで、予算と実績の差異について、財務諸表から個々の取引情報まで遡って分析することができます。さらに、蓄積された財務データを基に将来の資金繰りを示し、今後の経営の意思決定をサポートします。
人事労務ソフトの領域においても、従来は、従業員情報及び勤怠情報等のデータが別個のソフトウェアに散逸し、意思決定に有用なデータをリアルタイムで把握することが困難な状況が珍しくありませんでした。
当社グループの「freee人事労務」は、統合型人事労務ソフトであり、人事労務に係る情報を単一のソフトウェアに集約することで、適時に情報を把握することが可能となり、さらに「freee会計」の各種機能と連携することでより経営の意思決定への活用が可能となります。
④ 組織全体での利用による効率化と内部統制整備
一般的な会計ソフトは、経理業務に携わる従業員のみがライセンスを有して使うことが想定されています。
「freee会計」は、上述のワークフロー機能の提供を通じて、経理業務の枠組みを超えた企業のあらゆる事業活動において全従業員が活用することが可能な設計となっております。特に中堅規模以上の企業において、全従業員が利用することで「カンタン、自動化」「オペレーション効率化」の更なる追求につながる他、ワークフロー機能が有する承認プロセスの証跡を活用することで内部統制の整備にも貢献します。
また、「freee人事労務」と併せて利用することで、人事データ及び組織構造をリアルタイムにワークフローや経営分析に反映し、一層の業務効率化と高度な経営の可視化の両立を図ることが可能となります。
⑤ パブリックAPI(注1)による拡張性
従来のスモールビジネスでは、その企業特有の業務プロセスを自動化するために、独自のシステムを開発するしかありませんでした。しかし、独自のシステム開発は多額な開発コストとメンテナンスコストがかかり、IT投資の体力が限られるスモールビジネスにとって、大きな負担になっていました。また、そもそも独自のシステム開発自体が難しい規模の企業においては、市販のソフトウェアにアナログのプロセスを加えて補う運用がなされてきました。
このように自社開発された独自システムや、市販のソフトウェアと別のソフトウェア間でのデータ連携も容易ではなく、システム間のデータ連携はファイルの取り込み等の手作業によってなされ、工数が増大する上、転記ミス等の原因にもなっていました。
当社グループは、2013年に日本国内の会計ソフト業界では初めてパブリックAPIを公開して以来、クラウドとAPIを活用したオープン・エコシステム(注2)の構築を進めております。パブリックAPIの公開により、「誰でも、自由に」当社グループのサービスとデータ連携を行うためのアプリケーション開発を行うことができます。
そのため、スモールビジネス向けの業務ソフトウェアを提供する企業が、当社グループのサービスとの連携機能を自発的に開発することが容易になります。このような他社製品との連携機能が多く提供されることにより、スモールビジネスが社内業務のための独自のシステムやソフトウェアを開発する負担を大幅に削減することができます。
また、もし独自要件を追加したい場合でも、パブリックAPIを活用すれば、ユーザー企業が自社の業務プロセスに合わせて、カスタマイズ開発を従来より簡単に行うことができます。
2019年1月には「freeeアプリストア」をリリースしました。freeeのユーザー企業は、必要な業務カテゴリーごとにfreeeと連携可能なソフトウェアを検索することができ、数回のクリックで簡単にfreeeと連携させることができます。業務ソフトウェアを提供する企業にとっては、当社グループの顧客基盤にアクセスできる「freeeアプリストア」への掲載は、魅力的な販促手段となりえます。
(注) 1.組織内部のみでの利用を想定したAPIをプライベートAPIと呼び、他方で、組織外の主体にも利用を認めるものをオープンAPIと呼ぶ。オープンAPIの中でも、特定の提携企業のみでなく、幅広い外部企業が利用可能なものをパブリックAPIと呼ぶ
2.複数の企業同士が非排他的に提携することで、複数の企業が提供するサービスが共存共栄できる生態系のような環境を指す
以上の「選ばれる理由」を背景に、有料課金ユーザー企業数(注1)及びARPU(注2)の双方が伸長した結果、当社のARR(注3)は堅調に成長し、2022年6月期末には15,057百万円(うち法人10,652百万円、個人事業主4,404百万円)に到達するなど、事業は順調に拡大しております。
(注)1.当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す
2.ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出
3.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍して算出。MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない)
(4) サービスラインナップ
①「freee会計」
個人事業主及び法人向けに提供している統合型クラウド会計ソフトです。
銀行口座やクレジットカード等との連携、請求書発行から入金管理、各種稟議や支払依頼など日々行われる経理の上流工程業務との統合により、手入力によるミスを防ぎ、経理作業にかかる時間を大幅に削減することが可能となります。同時に、上流工程業務まで含めた日々のデータを活かして、リアルタイムでの経営指標のモニタリングや詳細かつ打ち手に繋がる経営分析を可能としております。
さらに、従業員に個別アカウントを付与し、ワークフロー機能を利用することで、更なる業務の効率化と内部統制の整備にも寄与します。なお、ワークフロー機能は、承認プロセスの証跡を有していることから、上場企業に求められる内部統制報告制度に対応しており、上場準備企業及び上場企業における利用も非常に効果的です。
また、個人事業主向けプランにおいては、所得税の確定申告までを完結することが可能です。
加えて、freee会計で提供してきた経費精算機能及びワークフロー機能が利用可能な「freee経費精算」をリリースしています。
②「freee人事労務」
法人向けの統合型クラウド人事労務ソフトです。
人事労務業務は、給与計算、勤怠管理、保険・行政手続、マイナンバー管理等と多岐にわたり、かつ従来は業務毎で使用するツールが異なるなど、複雑に分断されているという課題がありました。
従業員一人一人が、「freee人事労務」の従業員用アカウントを用いて、個人情報や勤怠情報を入力することにより、給与計算や年末調整の自動化に加えて、労務の諸手続の自動化や従業員マスタとなるデータベースの構築を可能とします。
また「freee会計」と「freee人事労務」を連携することで、給与情報を「freee会計」に自動で転記できるほか、「freee会計」にて申請した経費精算について「freee人事労務」にて計算した給与と一緒に支払うことが可能です。さらに、従業員マスタにおける役職や組織構造を反映したワークフローを、「freee会計」において自動で運用することが可能です。
加えて、幅広いニーズに適した勤怠管理プロダクトである「freee勤怠管理Plus」をリリースし、店舗数や拠点数が多いユーザーや、組織階層が複雑なMidセグメント(注1) のユーザーにおけるニーズに対応しています。
③「freeeプロジェクト管理」
「freeeプロジェクト管理」は、システム受託開発業務や、コンサルティング業務等の案件型のビジネスを運営する事業者向けに提供しているクラウド型プロジェクト管理ソフトです。
従来は、プロジェクト管理型ビジネスにおいては、日々の工数入力が手作業であったり、更にその入力したデータ集計が煩雑な管理業務になっていたり、あるいは案件ごとの経費をリアルタイムに補足することは難しくタイムリーに予実管理ができない等の課題がありました。一方、「freeeプロジェクト管理」は、カレンダーツールと連携することで、日時と作業内容を提示し、作業工数の入力を素早く簡単に行うことが可能です。また、プロジェクト毎のメンバーの工数や予算消化状況等について容易に確認することができ、プロジェクト毎の収支管理が可能となります。
④「freee会社設立」「freee開業」(注2)
「freee会社設立」は会社設立時に、「freee開業」は個人事業主としての開業時に提出を求められる書類の作成を効率化できる無料のサービスです。
会社を設立したり、個人事業主として開業したりするには、各種書類の作成から、関係者の捺印、役所への提出手続など、手続が多岐にわたる上、同じ情報を複数の書類に記載する必要があるなど、多くの課題がありました。
「freee会社設立」及び「freee開業」は、会社設立や開業に係る知識がない場合でも、Q&A形式で必要な情報を入力していくことで、必要な情報を各種書類に転記し、必要なすべての書類を自動で作成することが可能です。
⑤「freee申告」
「freee申告」は、会計事務所や小規模法人に提供している、「freee会計」とシームレスに連携したクラウド型税務申告ソフトです。
従来の税務申告ソフトは、会計ソフトとは分断されていたことから、会計ソフトから出力したデータを税務申告ソフトに入力する必要があるなど、多大な労力や時間がかかるという課題がありました。
「freee申告」の利用により、これまでプロセスごとに分断されていた会計と申告の業務がシームレスに連携し、「freee会計」に入力された財務情報をもとに税務申告書を自動的に作成することができ、更に、作成した申告書を電子申告することができます。
また、会計事務所は、顧問先とともに「freee会計」を利用し、更に「freee申告」を利用することで、会計事務所における記帳業務、顧問先の決算、申告書類作成等の多岐にわたる業務について、ワンストップでクラウド上で効率的に管理することが可能となります。
⑥「freeeサイン」
「freeeサイン」は、freeeサイン株式会社が個人事業主及び法人向けに提供している電子契約サービスです。
スモールビジネスにおいては、法務専任者を自社に抱えていないことが多く、担当者が他の業務と兼務しながら契約業務を行うことが一般的であり、本来注力すべき業務に時間を割けないなどの課題がありました。
「freeeサイン」は、法務の知識が浅い方や、業務に時間を割けない方でも、迷わず簡単に利用できるユーザー・インターフェイスを提供しており、入力フォームに回答することで容易に契約書を作成することが可能です。契約書の新規作成から、社内承認プロセス、電子契約の締結、契約書管理まで、契約業務をカバーしているため、契約業務をワンストップでクラウド上で管理することが可能になります。
⑦金融サービス
スモールビジネスの資金繰り改善を企図した金融サービスとして、「freeeカード」や「freee資金調達」等を提供しております。
「freeeカード」は、従来クレジットカードを作成することが容易でなかった個人事業主や中小企業に特化した事業用クレジットカードです。経費精算や仕入れなどの現金取引のキャッシュレス化によりバックオフィス業務の効率化を、またクレジットカード明細を自動で「freee会計」と同期することにより経営状況の可視化を実現します。また、Midセグメントを中心とした顧客の成長資金ニーズに対応すべく、「freeeカード Unlimited」をリリースいたしました。
「freee資金調達」は、利用可能性の高い資金調達手段を検索・比較して申込ができるオンライン資金調達サービスです。審査通過の可能性が高い資金調達手段に限定して表示することで、従来は審査通過可能性がわからないまま金融機関窓口に出向き、審査に数週間要していた時間を有効活用できるとともに、経営者の精神的負担も軽減することができます。
これらの金融サービスは、資金繰りの実態を把握できる場所である会計ソフト上で、資金繰り改善のアクションまでを可能にするものであり、従来の会計ソフトからは一線を画した価値を提供するものです。
⑧「freee受発注」(注2)
「freee受発注」は、個人事業主及び法人向けに提供している受発注業務を効率化するサービスです。
従来の受発注業務においては、見積書、発注書、請求書など複数の書類の作成が必要であり、関連するデータを各書類に転記するなど、面倒な処理が発生しておりました。
「freee受発注」は、受注者及び発注者の双方がクラウド上で発注や請求に係る電子データを共有することで、受発注業務における転記や確認の手間を大きく削減することが可能です。
以上に述べたプラットフォーム事業を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
(注) 1.従業員が20名以上1,000名未満の法人を指す。
2.「freee開業」、「freee会社設立」及び「freee受発注」の利用者は「法人・個人事業主」であり、当サービス自体の利用料は無料です。
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