業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の低迷により、依然として厳しい状況で推移しました。

 当社グループが属する情報サービス業は、1月から9月に至る多くの期間が緊急事態宣言期間となる等厳しい環境であったものの、クラウドシフトやアジャイル活用、及びERP分野におけるSAP・ERPの保守サポートが今後終了することに伴う後続製品へのアップグレード需要等を背景として、デジタル変革「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」関連の推進機運は一層高まりを見せました。その結果、特定サービス産業動態統計(経済産業省/2021年10月分確報)によると、1-9月における情報サービス業の売上高は前年同期比で0.9%微増となりました。緊急事態宣言解除後の10月は前年同月比で7.9%増となり、その後も新規感染者数は低く抑えられて経済活動は回復傾向が続いたため、10-12月期の売上高は前年を大きく上回ることが予想されます。また、法人企業景気予測調査結果(内閣府・財務省/令和3年10-12期調査)によると、2021年度のソフトウェアを含む設備投資額は前年比で5.3%増の見込みとなっています。

 このような経営環境の下、当社では昨年より取引先企業と連携して速やかにテレワーク環境を構築しており、緊急事態宣言等に影響されることなく、社員及び取引先企業の安全・健康を確保し、顧客への安定したサービスを提供することが可能となっています。また、コロナ禍で昨年より一時凍結していた案件が今年になって動き始め、商談が活発化してまいりましたが、その一方で断続的に発出される緊急事態宣言により、一部の案件に延期、縮小等の動きがみられました。このようなプラスとマイナスの要素が混在する状況におきまして、新規案件の獲得及び既存案件の継続、拡大等の対応を行った結果、増収増益となり売上高・利益ともに過去最高を更新しました。

 中国子会社においては、早期に新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着き、中国現地企業及び日系企業に対する受注が堅調に推移し、増収増益となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高13,293百万円(前期比7.2%増)、営業利益3,001百万円(同23.1%増)、経常利益3,004百万円(同24.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,126百万円(同22.0%増)となりました。

 なお、当社グループは、ソフトウェア受託開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、11,440百万円となり、前連結会計年度末より1,154百万円増加しました。

 流動資産は、前連結会計年度末より1,061百万円増加し、9,990百万円となりました。これは主に現金及び預金が306百万円、売掛金が701百万円増加したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末より93百万円増加し、1,450百万円となりました。これは主にのれんが54百万円減少した一方、投資有価証券が134百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、2,855百万円となり、前連結会計年度末より529百万円減少しました。

 流動負債は、前連結会計年度末より355百万円減少し、2,748百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が225百万円減少したことによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末より173百万円減少し、107百万円となりました。これは長期借入金が173百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、8,584百万円となり、前連結会計年度末より1,683百万円増加しました。これは主に利益剰余金が1,499百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は7,489百万円となり、前連結会計年度末より306百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,437百万円(前年同期は2,557百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上3,004百万円の資金増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は116百万円(前年同期は12百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出50百万円、敷金及び保証金の差入による支出42百万円の資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は1,063百万円(前年同期は1,235百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出398百万円、配当金の支払額625百万円の資金減少によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当社グループはソフトウェアの受託開発を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア受託開発

13,484,745

105.2

1,744,986

112.3

合計

13,484,745

105.2

1,744,986

112.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア受託開発

13,293,952

107.2

合計

13,293,952

107.2

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

富士通株式会社

2,232,515

18.0

2,592,862

19.5

株式会社野村総合研究所

1,865,238

15.0

1,933,156

14.5

みずほ証券株式会社

2,290,594

18.5

1,895,311

14.3

株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ

677,610

5.5

1,358,047

10.2

日本証券テクノロジー株式会社

1,511,488

12.2

709,650

5.3

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高、売上原価及び売上総利益

 当連結会計年度における売上高は、大型案件の消滅により苦戦しましたが、NTTデータグループとの取引拡大等により13,293百万円となり、前連結会計年度に比べて893百万円、7.2%の増加となりました。

 当連結会計年度における売上原価は、売上拡大に伴う人件費及び外注費の増加等により9,398百万円となり、前連結会計年度に比べて411百万円、4.6%の増加となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上総利益は3,895百万円となり、前連結会計年度に比べて481百万円、14.1%の増加となりました。

 

b.販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、採用関係費の減少等により893百万円となり、前連結会計年度に比べて81百万円、8.4%の減少となりました。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は3,001百万円となり、前連結会計年度に比べて563百万円、23.1%の増加となりました。

 

c.営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度における営業外収益は、投資有価証券売却益の計上等により19百万円となり、前連結会計年度に比べて2百万円、9.8%の減少となりました。

 当連結会計年度における営業外費用は、上場関連費用の減少等により16百万円となり、前連結会計年度に比べて19百万円、54.4%の減少となりました。

 この結果、当連結会計年度における経常利益は3,004百万円となり、前連結会計年度に比べて580百万円、24.0%の増加となりました。

 

d.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は、税金等調整前当期純利益の増加に伴い853百万円となり、前連結会計年度に比べて201百万円、30.9%の増加となりました。また、連結子会社にかかる非支配株主に帰属する当期純利益は25百万円となり、前連結会計年度に比べて3百万円の減少となりました。

 この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は2,126百万円となり、前連結会計年度に比べて382百万円、22.0%の増加となりました。

 

 なお、財政状態の分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」、キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、運転資金については、当座貸越を利用することにより、手許資金で賄うこととしております。なお、当座貸越枠につきましては、取引銀行4行と契約を締結しており、その限度額は総額2,500百万円であります。

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