当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度においては、生活様式の変化により高まったDX需要が経済活動の再開によって拡大し、それに伴うIT人材不足という市場課題が顕在化しました。それによりテックエージェント事業の主要サービスである「Lancers Agent」においては、再成長・拡大のフェーズとなりました。一方で、前連結会計年度急拡大したマーケットプレイス事業の主要サービスである「Lancers」においては、プロダクト・マーケティング・新規サービス投資を強化したものの、投資回収が後ろ倒しとなり、当連結会計年度における成長は限定的となりました。マネージドサービス事業については、一部撤退(受託型サービス「Lancers Outsourcing」の撤退)を予定しておりましたが、成長性と収益性を鑑み定額型サービスを含むマネージドサービス事業の完全撤退に方針を変更いたしました。このような事業撤退及び継続的な投資活動を行った背景から、当連結会計年度は営業損失となりました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は4,073,447千円(前年同期比5.3%増)となり、営業損失は367,013千円(前年同期は営業利益36,722千円)、経常損失は358,491千円(前年同期は経常利益48,545千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は672,369千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益37,109千円)となりました。
特別損益においては、当社のマネージドサービス事業の完全撤退に伴い当社が運営している定額型サービス「Lancers Assistant」「Lancers Creative」を撤退し、当該サービスの一部顧客資産を当社の既存サービスへ移管するため、「Lancers Creative」に関するのれん及びソフトウエアに関して減損損失220,873千円を計上いたしました。また当社が保有する投資有価証券のうち、簿価に比べて実質価格が著しく下落したものについて投資有価証券評価損10,951千円を計上しました。
(資産)
当連結会計年度における総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して592,881千円減少し、2,840,459千円となりました。これは主に、流動資産において現金及び預金が437,124千円減少したこと、固定資産においてソフトウエア仮勘定が106,171千円増加したものの、のれんが256,734千円減少したこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度における負債につきましては、前連結会計年度末と比較して55,964千円増加し、1,652,032千円となりました。これは主に、流動負債において未払消費税等が36,285千円減少したものの、未払金が73,914千円、預り金が38,191千円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して648,846千円減少し、1,188,427千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が671,252千円減少したこと等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して445,257千円減少し、1,654,274千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、313,237千円の支出(前年同期は241,016千円の収入)となりました。これは主に、減損損失の計上220,873千円があったものの、税金等調整前当期純損失の計上655,569千円、未払消費税等の減少額55,413千円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、145,284千円の支出(前年同期は279,635千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が167,402千円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、14,883千円の収入(前年同期は85,665千円の収入)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入が14,883千円あったことによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(単位:千円)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 」に記載のとおりであります。
当社グループは、当社グループのサービス経由で取引される金額の総額である流通総額と、クライアント及びランサーへ提供される付加価値を示す売上総利益の最大化を重視した経営を行っております。
当連結会計年度の売上総利益につきましては2,003,270千円(前年同期比4.0%増)と順調に推移しております。
なお、当社グループの流通総額の推移は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要としては、事業の拡大に伴う人件費、外注費、クライアント獲得や認知度向上のための広告宣伝費に加え、M&A等の投資を実施する方針であります。当社グループは、財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
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