課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、グループミッションである「人と組織を強くする」のもと、メイン事業のインソーシング事業においては、「中堅・中小企業を強くする。働き方を革新する。」を実現することに経営資源を集中しております。成長企業のコーポレートIT部門が抱える内部的な問題を解決することを通じて、顧客の事業変革「デジタルトランスフォーメーション」(注1)を支援いたします。同時に、顧客への支援業務を通じて当社グループの社員が成長し続けることを牽引し、旧来の働き方の固定観念にとらわれることなく、自律的・主体的に仕事を推進できる人材の育成に努めます。

 

注1.デジタルトランスフォーメーションとは、企業が情報技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値観を創出し、競争上の優位性を確立することを言います。

 

(2)中長期的な経営戦略

当社グループの経営方針を実現していくために、中堅・中小の成長企業に特化して顧客開拓を行います。従業員数50名~1,000名の事業会社をコアターゲットとし、また、大企業の特定事業内におけるコーポレートIT部門及び関連する子会社などの顧客獲得を目指します。これまで、中堅・中小企業への情報システムサポートビジネスは、取引が小口でありながらも業務範囲は広く、かつ、スピードや柔軟さが要求されるため、事業化が困難とされてきた領域であります。当社グループは、独自に積上げた経験とノウハウ「シェアード・エンジニアリング」によって、事業化を実現してまいりました。

今後も、このシェアード・エンジニアリングを基盤技術として、成長企業支援を通じ社会に必要とされる事業を創出してまいります。一つの指標としては、2033年1,000名を当社グループビジョンとしております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、いかに人材を採用し、育成するかということが重要な課題の一つです。事業を拡大させていくためには、社員の育成に加えて、人材の確保が必要となるため、インソーシング事業における増加人員数を重要な指標であると認識しております。また、人員数の他、会員数の増加及び社員の稼働1時間あたりの売上高を指標としております。

また、高品質なサービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、営業利益を収益性の指標としております。

 

(4)経営環境

当社グループのインソーシング事業及びセキュリティ事業が位置するIT人材市場は、経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)」によると、IT需要の伸び率を中位(2~5%)とした場合、2030年度には約45万人が不足すると推測されております。

オープンデータによると、国内の事業会社を対象としたIT人材の過不足感については約9割が不足と捉えており、IT人材不足は大きな課題となっております(「DX白書2021」:IPA独立行政法人)。また、国内セキュリティサービスの市場規模については、2025年にかけての平均成長率は3.5%(「2020年下期国内情報セキュリティ市場予測」:IDC Japan)と予測されております。

現在、企業のIT活用は、業務の効率化・迅速な情報集約や業績把握・人材不足の解消等のプロセス効率化から、新技術を活用したビジネスモデル創出等の価値創造へ広がっており、また、サイバーテロ・情報セキュリティへの対応など、IT部門に要求される内容はより複雑で高度なものとなっております。

また、コロナ禍においては、IT活用を推進するコーポレートIT部門へのサービス需要も高まっており、これらのことからも、成長企業におけるIT活用への投資や組織拡大に対する意欲は、今後も継続するものと見込んでおります。

 

(5)優先的に対処すべき課題

以下に挙げる課題は、本書提出日現在において当社グループが今後対応すべきであると考えている事項を記載しております。

 

① 人材の確保と育成

当社グループにおいて、いかに人材を採用し、育成するかは事業を拡大するうえでの重要な課題の一つと考えております。安定的な採用を維持し、人材の定着率を高めるために、社員にとって働きがいのある・働きやすい企業づくりに取り組んでおります。

具体的には、独自の基幹システム導入やIT化等による業務の効率化を推進し、育児・介護休業制度を含む休職制度や短時間社員制度の整備、また、働き方の変化に対応し、テレワークやウェブ会議等に集中できる本社オフサイトセンターを開設し、社員が個々の事情により選択可能とすることで仕事とプライベートが両立できる環境の構築に努めております。また、案件を自律的に決める仕組みや経験のシェアから気付きを得る仕組み、UGアカデミー(社内大学)や社員主催等による定期的な勉強会や交流会等の実施により、学びと成長の機会を提供しております。

このような取り組みは、当社の基幹技術である「シェアード・エンジニアリング」にも活かされており、求職者にとっても当社グループの魅力の一つとして捉えられるよう、Webを活用したダイレクトリクルーティングはもとより、社内外の信頼できる人脈からの紹介や推薦により採用活動を行うリファーラル採用も積極的に推進し、人材の確保と育成に努めてまいります。

 

② シェアード・エンジニアリング(基幹技術)のノウハウの蓄積

当社の基幹技術となる「シェアード・エンジニアリング」のノウハウをさらに蓄積し、充実させていくことは当社事業の競争優位性を高めるうえでも必要不可欠です。当社サービスにおける事例をはじめ、事業スキームや社内制度・人事制度の改定、社内ITシステムへの投資等を通じて、ITや人材に関するノウハウを蓄積し、活用していくことで、さらなるサービス品質の向上と競争優位性を高めてまいります。

 

③ 新サービスの開発

「シェアード・エンジニアリング」を基盤とした新しいサービスの開発及び提供を行うことが課題であると考えています。当社の人材とWebサイトによる連携サービスの提供、当社が蓄積するIT及び中堅・中小企業のビジネスに関するノウハウを活用した新サービスの開発に取り組んでまいります。

 

④ システム基盤の強化

当社の「シェアード社員」サービスは、当社の人的・知的資源を時間単位で顧客に提供していることから、管理する基幹システムの稼働の安定性を確保することが重要な課題であると認識しております。継続的なシステム基盤及び機能の強化を図ってまいります。

 

⑤ 個人情報の取扱い及び情報管理体制の強化

当社グループは、各事業で提供するサービスの特性上、顧客の機密情報及び個人情報を多く取り扱っております。そのため、個人情報の取扱い及び情報管理体制をさらに強化することが課題であると考えております。これら情報等の取扱いについては、情報セキュリティマネジメントシステム国際規格(ISO/IEC27001)の認証を取得し、個人情報や機密情報に関する取扱いを社内規程に定め、社内研修の実施等によりセキュリティ意識の喚起や情報リテラシーの向上に努めてまいります。

 

⑥ 法令遵守の体制強化

当社の「シェアード社員」サービスは、準委任契約により事業を行っております。「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年4月17日 労働省告示第37号)に従い、労働者派遣事業との違いを厳正に適用し、法令に則った事業運営が不可欠であります。そのため、法令遵守の体制をよりいっそう強化することが課題であると考えております。

社内においては、入社時研修や定期的な講習及び顧客ごとの定期的なアンケートによる全件調査など、継続的な周知徹底に努めてまいります。

 

⑦ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループが今後の事業環境の変化に対応し、また新たに事業拡大を進めるためには、内部管理体制を強化していくことが重要であると認識しております。内部統制の実効性を高め、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。

 

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