業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、「地域のくらしを、かしこく、たのしく」をビジョンとし、地域情報に関するサービスの提供を通じて、ユーザーの「時間×場所」の価値を最大化し、日本の生活者の行動を変えるサービスの創出に取り組んでまいりました。

 また、さらなる事業拡大や企業価値向上に向けて、地域情報のデジタル化や地域コミュニティに関連した企業及び成長分野に関連する企業等への投資を行い、投資先の価値向上を通じたキャピタルゲインを獲得することを目的として投資事業を開始いたしました。

 当連結会計年度の経営成績については、売上高は2,023,919千円、営業利益は480,409千円、経常利益は475,334千円、親会社株主に帰属する当期純利益は354,549千円となりました。なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較を行っておりません。

 セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントを従来の単一セグメントから「インターネットメディア事業」「投資事業」の2区分に変更しております。

 

(インターネットメディア事業)

 主力事業であるチラシ・買物情報サービス「トクバイ」において、新型コロナウイルス感染症の影響によりソーシャルディスタンスが求められる中、小売店舗の混雑状況を確認できる「混雑ランプ」のサービス提供を開始いたしました。観光施設、宿泊施設、レジャー施設及びスポーツ施設等の「トクバイ」利用店舗以外でも「混雑ランプ」の導入が進み、東京都など地域の自治体との連携も飛躍的に拡大いたしました。機能面では、小売企業が手軽に販促動画を作成できる「スポットライト動画」の提供を開始し、サービスの価値向上に努めました。販売面では、ジム・フィットネス施設やリラクゼーションなどのサービス業態での成果報酬契約も開始し、有料契約店舗数も拡大いたしました。また、連結子会社「株式会社リテール総合研究所」を設立し、小売・流通業の動向や先進事例の調査・研究を行い、解決へのアクションを提言するシンクタンクとして、業界の課題解決、発展のための支援を開始いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度のインターネットメディア事業の売上高は1,630,969千円、営業利益は772,971千円となりました。

 

(投資事業)

 当社グループの企業価値を高める出資及びM&A等の投資の検討を進め、出資や保有株式の一部売却を実施いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の投資事業の売上高は392,949千円、営業利益は70,758千円となりました。

 

 財政状態については以下の通りであります。

 

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は6,278,209千円となり、この主な内訳は、現金及び預金2,807,932千円、営業投資有価証券3,347,776千円であります。固定資産は230,996千円となり、この主な内訳は、投資有価証券122,978千円であります。繰延資産は16,304千円となり、これは株式交付費16,304千円であります。

 この結果、総資産は6,525,510千円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は525,927千円となり、この主な内訳は、前受金241,947千円、未払法人税等117,144千円であります。固定負債は210,657千円となり、この主な内訳は、繰延税金負債172,636千円であります。

 この結果、負債合計は736,585千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は5,788,925千円となり、この主な内訳は、資本金2,259,434千円、資本剰余金2,323,862千円、利益剰余金732,945千円であります。

 この結果、自己資本比率は88.6%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,807,932千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、減少した資金は2,399,081千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益475,508千円があった一方で、営業投資有価証券の増加2,670,412千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は123,716千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出119,450千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、増加した資金は4,384,049千円となりました。これは主に、新株の発行による収入4,318,752千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当社グループが提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 b. 受注実績

 当社グループが提供するサービスには受注に該当する事項がありませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績は以下の通りであります。

 なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

インターネットメディア事業

1,630,969

投資事業

392,949

合計

2,023,919

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態の分析

当社の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

 b.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、2,023,919千円となりました。内訳は、「トクバイ」における有料契約店舗数の拡大や機能拡張に伴う単価向上により堅調に推移したインターネットメディア事業の売上1,630,969千円、株式売却収入による投資事業の売上392,949千円であります。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は、437,578千円となりました。主な内訳はサーバー利用料79,269千円や投資事業における営業投資有価証券売上原価315,243千円であります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,105,931千円となりました。主な内訳は、給料及び手当586,652千円や業務委託費64,242千円であります。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は480,409千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、主に持分法による投資利益3,528千円により3,685千円となりました。営業外費用は、主に株式交付費償却6,338千円により、8,760千円となりました。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は475,334千円となりました。

 

(特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は、退職に伴う新株予約権戻入益の計上により173千円となりました。特別損失は発生しておりません。

 この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は475,508千円となりました。

 当連結会計年度の法人税等は、法人税、住民税及び事業税140,962千円、法人税等調整額20,003千円の計上により、法人税等合計額は120,959千円となりました。

 以上より、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は354,549千円となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、 当社グループが事業展開する小売業界においては、インターネット広告費が今後も堅調に推移すると考えておりますが、国内外の経済情勢を受け、小売業界の拡大基調やインターネット広告費の成長が当社グループの予想を超えて下振れするような場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。

 また、当社グループのインターネットメディア事業は、当社グループが運営するチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」において、食品スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等、小売企業が取扱う多様な商品に係る最新の特売情報をリアルタイムでユーザーに提供しており、ユーザーからの信頼を基盤としたものであることから、ユーザーによるサービスの利用度合いは、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 その他、当社グループが抱える事業等のリスクについての詳細は、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 以上を踏まえ、当社グループは常に市場動向には留意しつつ、ユーザーや小売企業を中心としたサービス利用者に求められる機能やサービスを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規サービスの開拓、内部管理体制の強化をしていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対して、そのリスクの発生や影響を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の達成状況

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通りであります。

 当連結会計年度末のサービス月間利用ユーザー数は1,628万人、有料契約店舗数は33,719店舗(定額課金店舗26,879店舗、成果報酬店舗6,840店舗)となりました 引き続きこれらの指標について、向上できるよう努めてまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 資本政策につきましては、資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考慮して実施してまいります。

 当社グループにおいては、ユーザー獲得のための販売促進活動、優秀な人材を確保し育成する活動、地域情報領域への取組みに係る活動への資金投下、当社グループの企業価値を高める出資及びM&A等の投資は継続的に実施する方針であります。運転資金については、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。

 将来の成長のための内部留保については、人材採用・育成、販売促進費、地域情報領域への取組みなど、将来の事業展開の財源のための投資に資源を優先的に充当してまいります。

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財 務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループが行なっております会計上の見積りのうち特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

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