研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループは、少子高齢化の時代を迎える国内においても、より多くの人々が、快適に暮らすことのできるWell-beingな社会の実現を目指し、健康と美に関するソリューションを提供することで、健康寿命の延伸に挑戦しております。研究開発活動としましては、先端技術の研究に注力し、既存領域であるアイケア、スキンケア並びに内服薬のさらなる独創的かつ付加価値製品の開発を進めるとともに、健康の維持増進に欠かせない機能性食品や検査薬の研究開発への取り組みを精力的に進めております。また、セルフケア領域に加えて医療分野への拡充を進め、医療用眼科薬の開発や、幹細胞を用いた再生医療による新規治療薬の研究開発につきましても、難治性疾患治療への適応に取り組んでおります。当連結会計年度において、国内外の大学をはじめとした外部機関との連携による技術導入をさらに推進し、医薬品をはじめ機能性化粧品や機能性食品の領域に、高い技術力に裏打ちされた実効性のある独自性の高い新製品を投入することによって、引き続き事業基盤の強化を図っております。
 当連結会計年度の研究開発費総額は、8,781百万円(セグメント間の取引消去後)であり、セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

<日本>

アイケア関連におきましては、自社技術のさらなる強化・分野拡大とともに、外部研究機関との連携・共同開発を積極的に行って、競争優位性の維持強化を進めております。

当連結会計年度における主な成果としまして、特許取得のオリジナル容器を採用することで、使い切りタイプの抗菌目薬としてかゆみ抑制成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)を配合した日本初の目薬である「ロートクリニカル抗菌目薬i」を発売いたしました。また、コンドロイチンに関する基礎研究を進めた結果を受け、「Vロートプレミアム」シリーズでは、「Vロートプレミアム」「Vロートアクティブプレミアム」「Vロートコンタクトプレミアム」の3品に、高分子コンドロイチン(コンドロイチン硫酸エステルナトリウム)を配合した処方でのリニューアル発売を致しました。

スキンケア関連におきましては、医薬品、医薬部外品および化粧品等の分野を中心として、様々な皮膚疾患や肌、毛髪の健康・美容に対する研究開発を積極的に進め、製薬企業としての技術基盤に基づく、高い機能性を有した製品の開発により競争優位性を確保することを重点課題として、研究開発活動を行っております。また、継続して外部研究機関との連携を強化し、新規技術の確保と新規領域への拡大に注力しております。

当連結会計年度における主な成果としまして、皮膚薬関連では、アンテドラッグ型ステロイドの『プレドニゾロン吉草酸酢酸エステル』に、かゆみの抑制成分など9種の有効成分を配合した「メディクイックPRO」をクリーム剤・軟膏剤の2種の剤形で発売した他、顔などの乾燥あれ肌用に、『ヘパリン類似物質』のワセリンベース処方である「メンソレータムアレピット」を発売いたしました。肌ラボの極潤シリーズでは、エイジングケア(シワ改善+シミ対策)として「ナイアシンアミド」を配合して手軽にエイジングケアが出来るようにすることで、エイジングケア市場の活性化に繋げました。スキンアクアからはトーンアップの企画品を発売し、トーンアップブランドの鮮度維持に努めました。メラノCCでは、酵素を安定化させた洗顔剤を限定販売し、さらにメラノCCユーザの拡大のため、メラノCC薬用化粧水の他、メンズメラノ薬用化粧水を発売いたしました。通販中心の販売品として、効果も効率も叶えるエシカルスキンケア新ブランドの「SKIO(スキオ)」から、新たにクレンジングを発売いたしました。

内服関連におきましては、新たな機能性表示の可能性を模索し、素材の評価と製品の開発を進めています。主な成果としまして、現代人の眼精疲労の原因に基づき、傷ついた末梢神経を修復する働きのある『シアノコバラミン(ビタミンB12)』や、目の酷使などで消耗したエネルギーを作り出す際に必須の栄養素である『フルスルチアミン塩酸塩(ビタミンB1誘導体)』『ニコチン酸アミド』など、7種の有効成分を配合した「Vロートプレミアム アイ内服錠」を発売いたしました。セノビックシリーズで、「セノビックゼリー」をコンビニ市場で地域限定発売いたしました。

検査技術関連では、新型コロナウイルス感染症の流行における検査ニーズに応えるべく、イムノクロマト法により、鼻咽頭ぬぐい液及び鼻腔ぬぐい液中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の核タンパク質を検出する、抗原迅速検査キット「チェックMR-COV19」「ドゥーテストCOV19」を発売いたしました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、7,634百万円であります。

 

<アメリカ>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、313百万円であります。

 

<ヨーロッパ>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。東欧において数多くの化粧品を開発・発売いたしました。また、アイケア関連では、CEマークを取得したドライアイ点眼剤である「ROHTO DRY AID」をイギリス・ポーランド・トルコで発売いたしました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、256百万円であります。

 

<アジア>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。スキンケア関連では、中国・ベトナム・インドネシア等で数多くのカテゴリーの化粧品を開発、中国では、新製品として子ども用向けのリップクリームとして「4g Lip Pure Petite」、ベトナムでの「Sunplay Skin Aqua Clear White」や「Acnes Creamy Wash」、台湾・香港での「50の恵」のリニューアル品など、数多くの新製品を発売いたしました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、566百万円であります。

 

<その他>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。オーストラリアにて主力の「Deep Heat」シリーズの新製品を発売いたしました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、9百万円であります。

 

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