(1) 会社の経営の基本方針
<新企業理念「鳥居薬品の志」>
当社は、「世界に通用する医薬品を通じて、お客様、株主、社会、社員に対する責任を果たすとともに、人々の健康に貢献する」ことを企業ミッションとして、人々のQOL(Quality Of Life)向上や企業価値向上に取り組んでまいりました。
一方、研究開発の高度化・難化による投資リスクの増大、薬価制度の抜本改革(毎年薬価改定等)、情報提供活動の変化等、医薬品業界を取り巻く事業環境は急速に変化しております。また当社においては「中期経営計画2021」で実施した事業構造改革を経て、企業の体制にも大きな変化がありました。
このような環境変化の中で、改めて、当社の存在意義や将来目指す姿をより明確に示していくことの重要性が高まっていると考え、各ステークホルダーからの期待も踏まえて、社内での議論を重ねてまいりました。会社設立から100年、創業から150年の節目を迎え、当社が長い歴史の中で培ってきた企業風土や各ステークホルダーからの信頼を受け継ぎつつ、将来へ向けても変わらない当社の志を「鳥居薬品の志」と定め、新たな企業理念といたしました。
また、当社は「中期経営計画2021」期間において、従業員が中心となり、全社的な改革を進めていく際の行動指針となる価値観として「TORII’s POLICY」を策定いたしました。当社は、この「TORII’s POLICY」を「鳥居薬品の志」の実現のために大切にする価値観として改めて位置づけるとともに、これまで企業ミッションの中で掲げてきた、各ステークホルダーへの責任をバランスよく果たし、満足の総和を高めていくことを表す「4Sモデル」を経営の基本的な考え方と位置づけ、「鳥居薬品の志」の実現に向けて取り組んでまいります。
1)企業理念:鳥居薬品の志
2)大切にする価値観:TORII’s POLICY
3)経営の基本的な考え方:4Sモデル
<中長期事業ビジョン「VISION2030」>
当社は、新企業理念である「鳥居薬品の志」を実現するために、2030年に向けて当社が目指す姿として「VISION2030」を策定いたしました。
(中長期事業ビジョン:VISION2030)
「VISION2030」のターゲットである2030年には、計数面では以下の姿を目指します。
・過去最高の売上高※1を更新する
・過去最高益※2更新を射程に入れる
※1:641億円(2017年12月期)
※2:営業利益133億円(2001年3月期)
これら「VISION2030」の実現と、以降の持続的成長を確実なものとすべく、導入に向けた事業投資に従来以上に積極的に取組むとともに、製品の価値を正しく医療関係者や患者さんに伝えるための社内体制整備や能力向上に取り組んでいく考えです。
以上のことから、以下2点を事業戦略とし、これに基づき中期経営計画の各施策を実施してまいります。
1)導入活動の強化
2)製品価値最大化のための仕組み作り
<前中期経営計画「中期経営計画2021」の総括>
当社は、2019年度から2021年度までの3ヶ年を対象期間とする「中期経営計画2021」を策定し、a.事業構造改革、b.成長戦略、c.ステークホルダーからの信頼維持に取り組んでまいりました。
計画策定当初は中期経営計画の期間中にわたって赤字が継続する見通しであった中で、「2022年度の黒字」を目標といたしましたが、2019年度の業績において前倒しの黒字を達成したことを踏まえて目標を見直し、「「中期経営計画2021」期間中の営業利益(新規事業投資(新規導入品の獲得、M&A等を含む投資)に係る費用を除く営業利益)の黒字継続と、黒字幅の拡大」を新たな目標として取組みを続けてまいりました。達成状況は以下のとおりです。
(経営目標の達成状況)
<「中期経営計画2022-2024」の概要>
当社は、「VISION2030」の達成に向け、2022年度から2024年度を対象期間とする「中期経営計画2022-2024」を策定しました。中長期事業ビジョンの実現に向けて、成長戦略の各施策とステークホルダーからの信頼維持策に取り組んでまいります。
なお、現在の市場環境は、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、先行きがますます不透明であることを踏まえて、3年後の目標を固定する従来の計画策定方式を見直し、「中期経営計画2022-2024」からは、環境変化を踏まえて毎年見直しを行うローリング方式で中期経営計画を策定し、環境変化に迅速かつ柔軟に対応していくことといたします。
1)「中期経営計画2022-2024」主要施策
2)計数指標
VISION2030の目指す姿実現に向け、「中期経営計画2022-2024」の計数指標としては、売上高及び研究開発費控除前の営業利益を設定します。
※1 :研究開発費は、中長期的な成長に向けた積極的な事業投資により大きく変動する等、現時点において見通すことが困難であるため、利益面における指標は、研究開発費を控除する前の営業利益を計数指標としております。
※2 :現時点での会社としての概算額を示す参考値であり、達成を目指す目標として位置づけるものではありません。
※3 :641億円(2017年12月期)
※4 :営業利益 133億円(2001年3月期)
(3)将来の成長へ向けた投資と株主還元について
医薬品業界を取り巻く事業環境は急速に変化しており、当社が継続的にステークホルダーへの責任を果たし続けるためには、医療ニーズを満たす新薬を継続的に創出し続ける必要がますます高まっています。当社としては、新たな導入品の獲得等、将来の成長に資する投資を最優先して継続的に進める必要があると認識しておりますが、特に「中期経営計画2022-2024」期間中は、これまで以上に積極的に導入に注力することとし、内部留保を活用して積極的な事業投資を進めていく考えです。
株主還元につきましては、2022年度の配当は、「継続的かつ安定的に実施する」との基本方針に加え、将来へ向けた投資をこれまで以上に積極的に行っていくことを勘案し、従来と同水準の配当を継続する考えです。
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