課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

  (1) 会社の経営の基本方針

  当社グループは、生物の生命維持に不可欠である免疫機構「抗体」について研鑽することによって、人類が病気から安全に免れるような治療用医薬品、診断用医薬品の開発や生活習慣病領域での検査サービスができるよう、独自の研究開発と大学・研究機関などとの共同研究の成果を製品の品質向上に結びつけるべく、研究開発活動を行っております。また、当社グループの成長戦略の柱とするカイコ繭中に、抗体を始めとした様々な安全性の高いタンパク質を発現させる技術を用いた、新しい生産系の確立に向けた研究開発活動を行っております。本技術では高い安全性を有する抗体医薬品等の生産開発など、医療に直接貢献できる事業を目標にしております。

  このように、世界で難病に苦しむ人々が、1日も早く病気を克服し、明るく豊かな暮らしを営めるよう社会に貢献することを経営理念としております。

 

  (2) 目標とする経営指標

  当社グループは、医薬品開発を目標とする創薬系バイオベンチャーであり、研究開発費が先行して発生いたしますが、当社グループの技術力から生産される独創的な製品の販売やサービスを国内外に提供し、安定的に黒字化を継続できる経営を目指してまいります。

 

  (3) 中長期的な会社の経営戦略

  当社グループのセグメント別中長期経営戦略は、次のとおりであります。

抗体関連事業

(診断試薬サービス)

製薬企業や大学等の研究用で使用する試薬サービスの領域は、非常に流動的であり、競争が激しいグローバル社会において、安定した収益を生み出すことが困難な領域ですが、eマーケティング(SNS等)を活用した情報戦略を構築し、当社の独自技術について、日本をはじめ世界へ広め、販売拡大を目指してまいります。また、安定した収益を生み出すため、体外診断用医薬品領域の製品化に注力しており、有用な診断薬企業との協業も視野に入れ、企業価値の拡大を目指してまいります。

(検査サービス)

当サービスにおいては、2021年11月1日付で株式会社スカイライト・バイオテック(SLB社)を吸収合併いたしました。本合併により、「LipoSEARCH」を始めとするSLB社のサービスを当社が取扱うこととなりました。従来からの弊社代理店ネットワークを活用した販促活動によって、LipoSEARCHを始めとするSLB社商材をこれまで以上に広く宣伝し、売上増加に貢献してまいります。一方、営業・管理部門における人的、物的資源の効率化により、経費削減を進めております。また、国内外での学会展示、対面訪問などの営業活動が制限される中、Webを活用した情報発信などに努めてまいります。さらに、株式会社フェニックスバイオ(以下「PXB社」)との業務提携(2022年3月15日公表の「株式会社フェニックスバイオとの業務提携契約締結に関するお知らせ」を参照)により、当社とPXB社は双方の技術や販売経路を活用することにより、国内外のユーザーに対して「PXB-cells LA」細胞の製造・販売から薬効薬理試験の受託サービスまでを提供することで、当該製品の特長・価値を最大限に生かし、大きな市場に向けた新たなビジネスをグローバル展開していくことを目指してまいります。

(TGカイコサービス)

  当サービスでは、遺伝子組換えカイコにより生産された抗体においては、非特異反応が低いことや動物愛護の対象とならないことなどから、数年前から大手診断薬メーカーで使用する診断薬原料として採用されており、今後は販路拡大により製造数の増加が見込まれております。また、培養足場材として用いる研究用試薬の販売についても安定した収益が見込まれております。

 

・ 遺伝子組換えカイコ開発事業

  当事業においては、当事業の技術の有用性が発揮でき、売上規模が比較的大きいと見込まれるタンパク質や抗体の製造・開発を進めてまいります。

『今後生産拡大が見込まれる製品ラインナップ』

  ・化粧品原料(ネオシルク®-ヒト型コラーゲン)

  ・ラミニン 511-E8(iMatrix-511 Silk)

  ・体外診断用医薬品原料(大手診断薬メーカーへの原料供給)

『技術の有用性が発揮でき、売上規模が比較的大きいと見込まれるタンパク質』

  ・開発中(今期中の製品化を目指す)     

  また、将来の利益拡大を目指し、現在製造されている抗体・タンパク質や新規開発しているタンパク質の生産コストの低減が、利益拡大の課題となっており、当該課題の基礎研究に集中してまいります。

 

・ 化粧品関連事業

  当事業は、遺伝子組換えカイコ開発事業が開発した、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、高品質を求めるユーザーに幅広く提供できる製品を開発し、販売拡大を目指してまいります。

〇海外販売(中国)

  中国市場へのBtoB販売につきましては、コロナ禍における規制やロックダウン等の問題により直接現地代理人との情報交換が出来ず、目途がついておりませんが、SNSを利用した販路拡大の準備を進めており、2023年3月期第1四半期より販売を開始する予定であります。

〇海外販売(欧州・その他)

  欧州現地代理人は、オンライン販売会社「PolyNeo GmbH」を設立し、eマーケティング (SNS)やAmazonへの出店、さらに国際展示会での展示を行い、販売網を拡大し売上増加を目指しております。

 

  (4) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境

・ 医薬品業界

  世界の医薬品関連事業を取り巻く環境は大きく変化し、高齢化社会、高ストレス社会の進展により、医薬品や診断薬に対する需要が伸び続けております。さらに、重症熱性血小板減少症候群やコロナウイルスなどの、治療法がない、もしくは治療満足度の低い疾患が多数あり、そのような疾患に対する治療薬の開発が待たれており、医薬品事業の重要性は、ますます高まっているといえます。

  しかしながら、創薬技術の高度化や医薬品承認要件の厳格化などにより、治療用医薬品あるいは診断用医薬品の開発には、多額の研究開発費と長い年月が必要であり、経営環境は厳しさを増しています。従って、これら医薬品や診断薬の開発には、当社グループの人的資源と効率を鑑み、自社では製品化するまでの全過程を行うことが可能かどうか注意深く検討し、製品開発においては、選択と集中により積極的な投資によって、抗体に付加価値を付け、パイプラインを充実させることで企業価値の最大化を追求いたします。

   ・ 化粧品業界

  近年の化粧品業界は、新型コロナ感染症の影響により、訪日外国人が著しく減少したことによりインバウンド消費による恩恵は消滅し、厳しい状況となりました。また、カテゴリー別に見てみると、テレワークや外出自粛などが、口紅やアイメークアップなどのメイク用品が大きく減少する一方、洗顔・スキンケアに関係する製品は、化粧品関連全体が落ちる中で、増加しております。当社グループが販売する化粧品「フレヴァン」シリーズにつきましては、スキンケア製品を中心に安全・安心をコンセプトに製造販売を行っております。

  一方で、高齢社会や人口縮小の日本では今後市場の縮小が懸念されていることから、日本の化粧品メーカーは生き残りを賭けて海外進出を図っておりますが、当社グループにおきましても中国や欧州を中心に海外販路の開拓を行っております。

 

  (5) 会社の対処すべき課題

・ 研究開発の重点投資

 当社グループは、治療用医薬品及び診断用医薬品のさらなるパイプラインの充実が、事業の安定化のためには必要となります。そのため、資源投入の集中と研究開発の効率化を図り、また、現行の共同研究先である大学などに加え、優秀な人材を採用し、研究開発のスピードアップを図ってまいります。さらに、海外企業が保有する有用なシーズの発掘も積極的に行ってまいります。

   ・ 体外診断用医薬品への取り組み

 診断・試薬事業の領域は、非常に流動的であり、競争が激しいグローバル社会において、安定した収益を生み出すことが困難な領域となっております。安定した収益を生み出すためには、体外診断用医薬品の領域の製品化が必要であると認識し、体外診断用医薬品の研究開発に注力してまいります。

   ・ 遺伝子組換えカイコ開発事業への取り組み

 カイコの繭中に目的タンパク質を産生する生産技術による、遺伝子組換えカイコの繭に産生される抗体やタンパク質は、非特異反応が低いことや動物愛護の対象とならないことから、短期的には、研究用試薬・体外診断用医薬品にて使用する抗体をはじめとした目的タンパク質の置換え利用や化粧品原料等への産業利用を推進し、具体的な生産拡大を目指してまいります。しかしながら、遺伝子組換えカイコの繭から生産する抗体やタンパク質の生産コストの低減が、利益創出の課題となっており、当該課題の基礎研究に集中しております。

   ・ 化粧品関連事業における中国向け販売の取り組み

 中国市場においては、中国における商標登録問題が解決しましたが、中国市場へのBtoB販売につきましては、コロナ禍における規制やロックダウン等の問題により直接現地代理人との情報交換が出来ず、目途がついておりません。また、国内市場におきましては、遺伝子組換えカイコ開発事業で開発した、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を配合した高級化粧品の開発に取り組み、幅広いユーザーに提供できる製品を開発してまいります。

   ・ 人材の確保及び教育

  当社グループは、各事業に精通した研究員及びプロジェクトを推進できる人材の確保が必要不可欠と考えており、研究開発の効率を上げるため、ハード面とソフト面の両面から研究開発に適した環境作りを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。

  研究開発型企業である当社グループにおいては、自由な発想が生み出される柔軟な組織がふさわしいと考えております。組織が硬直化し、研究開発活動が滞ることがないように、常に問題意識をもって物事に対処する集団として組織を維持運営いたします。

   ・ 財務安定性の確保

  当社グループは、研究開発型企業として、積極的かつ継続的に研究開発に投資していく方針であります。投資の源泉は事業からの収益をもって行われることが望ましいと考えておりますが、研究開発テーマにより多額の先行投資が見込まれる場合には、株式の発行等により資金を調達してまいります。当社グループは、引き続き、収益確保のため、現製品の見直しや間接部門コストの削減に努めてまいります。また、研究テーマの選択を行い、経営資源を集中して効率的な経営を行うことが重要であると認識しております。

   ・ 経営管理体制の強化

  既存事業に加え、新規事業やサービスの展開が加速し、多角期を迎える当社グループにおきましては、経営の公正性・透明性・継続性を確保するための更なる管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。特に昨今におきましては、世界情勢の悪化や新型コロナウイルス感染症の影響により、物流の停滞・各種コストの増大・急激な為替の変動等、社会環境が不安定・不透明な状況となっております。その状況下においても着実に事業を継続するため、各種社内規程や関係法令等の遵守を積極的に推進し、内部統制に資する業務プロセスの整備・運用、必要に応じた是正活動を定常的に行うことで、より透明性が高く健全な経営管理体制を構築してまいります。

   ・ グロース市場の選択について

  当社は、2022年4月4日に株式会社東京証券取引所の新市場区分において、グロース市場を選択し同市場に上場となりました。同市場は高い成長可能性を有する企業向けの市場として開設されております。当社はベンチャー企業として高い成長を目指すとともに、経営理念である、「世界で難病に苦しむ人々が、1日も早く病気を克服し、明るく豊かな暮らしを営めるよう社会に貢献する」ことを目指し、株主の皆様や投資家の皆様の期待に応えるべく、さらなるチャレンジをしてまいります。

 

  (注) 用語解説については、「第4提出会社の状況  4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。

 

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