研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。

なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は1,135,847千円であります。

 

(1)iPS細胞由来再生NKT細胞療法(iPS-NKT)

2020年6月より世界でも初となるiPS細胞由来再生NKT細胞療法の医師主導治験が、頭頚部がんを対象として千葉大学医学部附属病院で進められています。当社は2018年に、理化学研究所が進める本開発プロジェクトに参画し、共同研究を進めており、iPS-NKTの独占的開発製造販売ライセンスの導入オプション権を有しています。本治験は順調に進んでおり、当社は医師主導治験を支援するとともに、次相企業治験を見据えた製造工程改良を進めています。

 

(2)HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)

2022年5月6日付でHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が、信州大学医学部附属病院において開始されました。数年間を予定する臨床第Ⅰ相医師主導治験で臨床上の安全性及び薬効が示唆された後は、企業治験となる第Ⅱ相臨床試験へ進みます。

 

(3)抗体医薬

     抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)について、先行品と差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し、非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの非臨床試験を進めるとともに、まだ非臨床コンセプト証明に至っていない抗体をその段階へ到達させます。

 

  また、これらの1つの標的抗原に対する抗体を基に、免疫抑制性の腫瘍微小環境でより高い抗腫瘍免疫を発揮させることを目的として、2つの標的抗原に対する二重特異性を付与したバイスペシフィック抗体を作製し、付加価値を高めていく展開を想定しています。他社先行抗体とスペックにおいて差別化されたシングル標的抗体である抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)に、BP1210開発過程において樹立した二重特異性抗体化技術を掛け合わせることにより、抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)を創出しました。

 

(4)がんワクチン

 ・免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)

抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率良くワクチン抗原を送達することによって、腫瘍抗原を標的とする細胞性免疫をBP1101よりもはるかに強力に惹起させることを、担がんマウスモデルで証明しました。

 

 ・がんペプチドワクチン(GRN-1201)

2022年5月12日開催の取締役会で、米国で実施してきたGRN-1201の非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント抗PD-1抗体併用第Ⅱ相臨床試験(以下、「本試験」)を計画より早く切り上げることを決議しました。このまま当初の治験対象と試験プロトコルで継続するよりも、評価項目、適格要件を再検討して、仕切り直す方が適切と判断しました。

 

本試験の主要評価項目であるORR(Objective Response Rate: 奏効率)の妥当性や、より長期的な指標であるPFS(Progression Free Survival: 無増悪生存期間)やOS(Overall Survival: 全生存期間)といった本来がんワクチンが存在感を示すことができる臨床データも見えており、将来の承認申請に至るスピード、上市後の市場規模、その他の点でよりよい前提条件は何かを検討し、条件が整った上でGRN-1201のプロジェクトを継続することを考えています。

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