(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、前連結会計年度に続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による厳しい状況が長期化しております。2022年に入ってからは、3回目のワクチン接種も広まり感染者数も一時期より減少傾向にありましたが、変異株による感染再拡大の懸念やウクライナ情勢等により依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の下、当社グループは、新型コロナウイルス感染症に伴う影響の最小化に向け、事業収益力の回復および安定的な財務基盤の強化を図るため「有利子負債の大幅削減」、「事業の選択と集中」、「不採算店舗の整理」を柱とする構造改革を実施しました。保育事業においては、持続的成長の更なる推進と業務支援の効率化および管理コストの削減を目的に組織再編成を行い、フィットネス事業においては「総合型」から「24時間型・365日型」へ業態転換とウィズコロナ時代に対応した安全性・利便性の向上を図ったコンテンツの導入を行い、あわせて改善が難しい一部の店舗を閉店いたしました。また、経営資源の有効活用と財務体質の向上を目的として当社が所有する不動産を譲渡いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は39億87百万円(前連結会計年度比8.9%増)、売上総利益は36億47百万円(前連結会計年度比10.1%増)、営業損失は74百万円(前連結会計年度は営業損失2億70百万円)、経常損失は1億60百万円(前連結会計年度は経常損失3億35百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は64百万円(前連結会計年度は当期純損失5億90百万円)となりました。
②セグメント別の概況
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ウェルネス事業)
フィットネスは、業界全体が昨年同様、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けており、会員の休会・退会が続く状況ではありましたが、当社では新たなサービスとしてEMSによる目のパーソナル『イーキュアレーション』の導入とフィットネス関連商品の催事販売などを積極的に行い業績の回復に取り組んでまいりました。
また、構造改革の一環としてSDフィットネス郡山店(2022年3月)、SDフィットネス福知山店(2022年3月)を閉店いたしました。
保育・介護等は、前第4四半期から当第1四半期にかけて開園した保育施設が通年寄与したことと園児の充足率が順調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度比127.3%となりました。
以上の結果、ウェルネス事業の売上高は31億70百万円(前連結会計年度比115.5%)となりました。
(クリエーション事業)
オンラインクレーンゲーム事業は、大手景品メーカーの参入などがあり、ユーザーの獲得競争が続いております。このような状況の下、2拠点(ぽちくれ、#とれたね)を1拠点(ぽちくれ)に統合することにより経費を圧縮しつつ、ブースを増やすことで景品ラインナップの充実を試みましたが、ユーザーの分散及びコロナ禍の先行き不安からの消費意欲低迷の影響を受ける結果となりました。
以上の結果、売上高は2億28百万円(前連結会計年度比74.9%)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸は、自社所有の不動産「北24条ビル(札幌市北区)、ディノス札幌白石ビル(札幌市白石区)」の売却があり、売上高は3億26百万円(前連結会計年度比99.7%)となりました。
(その他)
当社子会社が運営するコールセンター等の通信テレマーケティングやカウネット代理店事業、通販サイトEC事業等では消費意欲低迷の影響を受ける結果となり、売上高は2億61百万円(前連結会計年度比92.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
(当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億62百万円増加し、14億63百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ2億9百万円増加し、1億74百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1億80百万円であったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ21億86百万円増加し、18億36百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が20億13百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ18億35百万円増加し、14億49百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が6億80百万円、社債の償還による支出が7億96百万円あったことなどによるものであります。
④営業実績
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
ウェルネス事業(千円) |
3,170,342 |
115.5 |
(フィットネス) |
1,047,903 |
97.3 |
(保育・介護等) |
2,122,439 |
127.3 |
クリエーション事業(千円) |
228,574 |
74.9 |
不動産賃貸事業(千円) |
326,226 |
99.7 |
その他(千円) |
261,909 |
92.0 |
合計(千円) |
3,987,052 |
108.9 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.ウェルネス事業は、フィットネス部門、保育部門、介護部門等の売上高であります。
3.クリエーション事業は、オンラインクレーンゲーム部門の売上高であります。
4.不動産賃貸事業は、不動産賃貸部門の売上高であります。
5.その他は、通信テレマーケティング部門、カウネット代理店部門等の売上高であります。
6.最近2連結会計年度の主な営業能力は次のとおりであります。
セグメント |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
収容能力 |
収容能力 |
|||
ウェルネス事業 (フィットネス) (保育・介護等) |
フィットネス 保育・介護等 |
15店 35店 |
フィットネス 保育・介護等 |
13店 38店 |
クリエーション事業 |
オンラインクレーンゲーム |
2店 |
オンラインクレーンゲーム |
1店 |
不動産賃貸事業 |
賃貸物件 |
6ヶ所 |
賃貸物件 |
4ヶ所 |
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成のための重要な会計方針及び見積りに関しましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
②財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、18億51百万円となり前連結会計年度末に比べ3億92百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が5億62百万円増加し、売掛金が63百万円、未収還付法人税等が12百万円、未収消費税等が52百万円減少したことによるものであります。固定資産は、36億49百万円となり前連結会計年度末に比べ18億46百万円減少しました。これは主に、有形固定資産が17億77百万円、無形固定資産が49百万円、投資その他の資産が19百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、55億4百万円となり前連結会計年度末に比べ14億72百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、24億53百万円となり前連結会計年度末に比べ5億37百万円減少しました。これは主に、1年内償還予定の社債が2億49百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億89百万円、未払金が1億90百万円減少したことによるものであります。固定負債は、14億80百万円となり前連結会計年度末に比べ9億94百万円減少しました。これは主に、社債が5億47百万円、長期借入金が3億81百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、39億34百万円となり前連結会計年度末に比べ15億31百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、15億70百万円となり前連結会計年度末に比べ59百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が64百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は28.5%(前連結会計年度末は21.6%)となりました。
③経営成績の分析
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症に伴う影響の最小化にむけて構造改革を実施し、事業収益力の回復及び安定的な財務基盤の強化を図りましたが、フィットネスについては、業界全体が昨年同様、新型コロナウイルス感染症影響を受けており、利用者の安全性・利便性を図りましたが利用数の大幅回復には至りませんでした。
オンラインクレーンゲームについては、拠点統合により固定費の圧縮はできたものの、競合他社の新規参入もあり、売上高は減少しました。保育については、施設数の増加と組織再編成による業務支援の効率化により収益を伸ばしました。
また、経営資源の有効活用と財務体質の向上を図るため当社が所有する不動産を譲渡しました。
以上の結果、売上高は昨年に比べ8.9%の増加となり、営業利益・経常利益につきましては、損失計上とはなりましたが、損失額は改善することができました。
④キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。短期運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金及び銀行保証付社債を基本としております。
なお、財務活動の結果使用した資金は、14億49百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が6億80百万円、社債の償還による支出が7億96百万円あったことによるものであります。
⑦今後の見通し
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面事業が主である当社グループの事業は大きな影響を受けております。現時点において、新型コロナウイルス感染症の収束時期を予測することは困難な状況ですが、主力であるフィットネスの休会または退会された会員数が元に戻るには相当の期間を要するものと考えており、ワクチン接種の進展等により徐々に回復していくという想定に基づいて、次期の業績見通しを算定しております。
売上高は、構造改革による自社不動産売却等による減収はあるものの、上記想定に基づく回復に加え、企業主導型保育園の持続的成長の更なる推進やフィットネス施設の業態転換等に伴う増収等で39億円を見込んでおります。利益面では、増収に伴う投資費用が増加するものの、固定費用の見直しを中心にコスト削減策を織り込んだ結果、営業利益1億30百万円、経常利益80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益40百万円を見込んでおります。
なお、業績予想につきましては、現在において入手可能な情報に基づいて作成したものであり実際の業績等は、今後の様々な要因により大きく異なる可能性があります。
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