文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(経営理念)
・ 教育・文化事業への貢献を通じて人づくりを目指す
・ フランチャイズノウハウの開発普及を通じて自己実現を支援する
上記2つの経営理念のもとに、事業活動を通じて民間教育企業としての人づくりと、フランチャイズノウハウの提供による自己実現支援企業としての役割を果たすことで社会に貢献し、社会からその存在を認められる社会的存在価値の高い企業でありたいと考えております。
(教育理念)
・ 個別指導による自立学習を通じて創造力豊かで自立心に富んだ21世紀社会の人材を育成する
上記の「教育理念」により多様化する教育に対する様々なニーズに応えたいと考えております。
これらの理念を「創業の精神」として、これからも変わらぬものとして引継ぎながら、社会環境の急速な変化に対応すべく、当社がこれからも選ばれ続ける企業となるために、未来社会に向けた当社の存在意義、在り方である “Purpose”、行動指針である“Values”、そして“Vision”を策定いたしました。進化の過程である明光ネットワークジャパンとその先の未来のために、改めて進化の向かう先を宣言いたします。
(Purpose)
・ 「やればできる」の記憶をつくる
Statement
明光ネットワークジャパンは「自分にYES」を出せる人づくりをします。
新しい“め”を育み、新しきに繋がる記憶と勇気をつくります。
創造性豊かな社会の実現のために、新しい価値を発揮し続けます。
(Vision)
・ “Bright Light for the Future”
人の可能性をひらく企業グループとなり輝く未来を実現する
(Values)
・ 隣に立つ
前でも、後ろでもない。向き合うでもない。同じ目線で、同じ方向を見る。
・ 繋ぐ
点と点を繋ぎ、新たな結び目を創る。新結合によって新価値を生む。
・ 自分にYES
自分にYESを出せる、自分でいる。判断行動する。社会をつくる。
(2) 経営環境
当社グループの属する教育サービス業界を取り巻く環境につきましては、少子化による学齢人口の減少が進む中で、個別指導塾市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う一時的な落ち込みはありながらも、集団指導塾から個別指導塾への業態転換や新規参入は加速しており、競争が激化しております。
当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。
(明光義塾直営事業・明光義塾フランチャイズ事業)
明光義塾は、47都道府県すべてに教室を展開しており、2022年8月時点の教室数は1,775教室(当社直営220教 室、連結子会社5社216教室、FC1,339教室)で、個別指導塾としては業界シェアトップであります。明光義塾は、小学生・中学生・高校生・既卒生まで全学年を対象としており、定期テスト対策や受験対策等、一人ひとりの目的・目標に向きあい、親身に寄り添ってオーダーメイドの学習プランを提供しております。また、明光義塾の授業は、講師の一方的な指導ではなく、授業の主役である生徒自身の「分かる(判断力)」「話す(表現力)」「身につく(思考力)」過程を繰り返し習慣化する「振り返り授業」を導入しております。なお、教育制度改革における英語4技能対策として、小学生を対象とした「明光みらい英語」、中学生を対象とした「明光の中学リスニング」などのタブレットを活用したICTコンテンツを提供しております。
(日本語学校事業)
外国人留学生向けの日本語学校事業は連結子会社の株式会社早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」と、国際人材開発株式会社が運営する「JCLI日本語学校」の2校を展開しております。国籍別では、中国からの留学生が中心となっており、大学・大学院進学コースのほか、早稲田EDU日本語学校は美術進学コース、「JCLI日本語学校」は在留資格特定技能制度における日本語対策講座等を提供しております。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う入国制限により、留学生が入国することが困難となっておりましたが、政府の水際対策緩和を受けて今春より入国が可能となっており、生徒数は回復基調となっております。
(その他)
長時間預かり型学習塾「キッズ(アフタースクール)」事業、AIを活用した個別学習塾「自立学習RED」事業、オールイングリッシュの学童保育・プリスクール「明光キッズe」事業、在留外国人人材紹介サービスや研修サービスのほか、日本人人材紹介サービスや、外務省より受託したEPAに基づくベトナム人看護師・介護福祉士候補者に対する訪日前日本語研修事業等を手掛ける「HRソリューション」事業、株式会社古藤事務所による大学入試及び大学教育に関する事業、Simple株式会社による保育士・栄養士の転職支援サービス事業等を展開しております。Simple株式会社につきましては、2022年4月1日付で株式を取得し、当連結会計年度より、連結の範囲に含めております。
なお、早稲田アカデミー個別進学館事業につきましては、2021年11月5日を効力発生日として簡易新設分割により当社の完全子会社である「株式会社個別進学館」を設立し、2021年11月30日付で株式会社早稲田アカデミーに譲渡いたしました。
(3) 中期経営戦略
当社グループが属する教育サービス業界におきましては、少子化による学齢人口の減少が継続する中で、教育制度改革による小学校での英語教科化及び中学校の教科書改訂、大学入学共通テストの導入のほか、コロナ禍によるGIGAスクール構想の計画前倒しや、オンライン学習・AIを活用した学習サービスの浸透により、教育のデジタル化・個別最適化が加速するなど、大きな変革期を迎えております。また、社会環境の急激な変化に対応すべく、M&A・アライアンスの動きが加速しているほか、周辺事業領域への拡大を図る動きもあり、企業間の差別化競争は激化しております。
このような中で、当社グループとして、2022年8月期を初年度とする中期3ヶ年計画を策定し、中期経営方針を「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」としました。
当社は“Purpose”を起点として“蛻変(ぜいへん)”を繰り返しながら、“人の可能性をひらく”企業グループを目指してまいります。また、FanとFunを繋ぐInnovation(=新結合)により、ファンづくりを推進し、持続的な企業価値の向上と成長を実現します。
具体的には下記の基本方針のもとで、事業戦略・人事戦略・資本戦略を推進してまいります。
<基本方針>
① Fanをつくる
・DXの推進と明光ブランドの深化と探索により、新たなファンを創出します。
・社会の変化に対応した新しい価値の提案により、まなびのインフラをひろげます。
② Funをつくる
・“わくわく”を通じて満足と信頼に満ちたファン・エンゲージメントを育みます。
・働きがいのある、ウェル・ビーイングな職場づくりを目指します。
③ Innovation(=新結合)をつくる
・常に新しい“め”でみて意識変化し、判断行動します。
・事業収益のさらなる向上のために、事業構造を変革します。
<中期経営計画における戦略>
① 事業戦略
・既存事業における新教室フォーマットによる新規開校と、顧客エンゲージメント向上への取り組みを強化してまいります。
・新規事業である人材事業への取り組みを強化することで、教育事業に続く収益の柱を創出し、社会環境の変化に強い事業ポートフォリオへの変革を図ります。
・DX戦略として、「全社デジタルマーケティング機能の実現」と「DXデータプラットフォームの構築」に取り組んでまいります。
② 人事戦略
・イノベーション創出のためのダイバーシティ経営の推進と、働き方改革によるウェル・ビーイングの追求に取り組んでまいります。
③ 資本戦略
・事業基盤の強化・成長投資に必要な自己資本の充実と、株主の皆さまに対する安定的かつ持続的な利益還元を通じて中長期的に企業価値を高めてまいります。
(脚注)
Purpose(パーパス)
パーパスとは、企業の最大の目的は、永続的に成長する過程で社会的責任を果たすことであるという考えに基づき、自分たちは何のために存在するのか、何のために事業を行うのか(社会的存在意義)を定義したもの。CSRやSDGsを重視した経営にもつながります。
Innovation(イノベーション)
イノベーションとは、物事やサービスなどについてこれまでになかった新しい結び付きを見つけ、新たな価値を生み出すことです。
ファン・エンゲージメント
ファン・エンゲージメントとは、ファン(熱烈な支持者、応援者)との持続的な信頼関係のことであり、人と人、あるいは人と組織の「つながり」や「結びつき」のことを表現しています。
ウェル・ビーイング
ウェル・ビーイングとは、人々が、精神的・身体的・社会的に「よき在り方」「よい状態」であり、「幸せ」な状態であること。一時的な気持ちや感情の「幸せ」ではなく、人生の中での「長く続く幸せな状態」のことを意味します。
当社では、売上高及び営業利益の持続的成長を最大の経営目標とし、売上高営業利益率を経営上重要な指標と考えております。
(注) 上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)及び(3)に記載の、会社の経営の基本方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
ファン・エンゲージメントの育成・向上
当社グループは、コロナ禍における「蛻変(ぜいへん)の経営」の推進により、当連結会計年度(2021年9月1日~2022年8月31日)は縮小均衡から反転の兆しが明らかとなりました。このような状況を踏まえて、中期経営方針を「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」と掲げ、ファンづくりの推進により、持続的な企業価値の向上と成長の実現に取り組んでまいります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 新規開校の推進
当社グループは、「Fanをつくる」を中期経営計画における基本方針の一つとして掲げており、少子化が加速する地方においても成り立つ「低投資・低コスト・シンプル」な事業モデルの新教室フォーマットによる新規開校を強化・推進することで、新たなファンを創出してまいります。
② イノベーションの創出
当社グループは、「Innovation(=新結合)をつくる」を中期経営計画における基本方針の一つとして掲げており、イノベーションの源泉であるダイバーシティ経営の推進に向けて、積極的に女性・中途採用者を要職に登用しております。また、事業収益のさらなる向上のために、新規事業である人材事業への取り組みを強化しており、事業構造の変革を推進してまいります。
当社グループは今後においても、環境変化に柔軟に対応しながら、収益機会を創造し、持続的な成長の実現を目指してまいります。
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