文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は、創業以来、「協力一致、積極活動、堅実経営」を社是とし、人間社会と自然環境との共生、国民が
安全で安心できる社会に技術をもって広く貢献することを企業理念としてまいりました。
この理念のもと、「地球環境にやさしい優れた技術と判断力で、豊かな社会づくりに貢献する」を経営
ミッションとし、現場を重視するアースドクターとして陸域から海域まで、自然環境との調和を図りながら
地盤に関する多種多様な問題に取り組み、誠実・迅速・高品質なサービスを心がけ、時代が必要とする精緻な
調査・解析技術を開発し、発注者の課題解決のご要望におこたえできるレベルの高いアドバイスが可能な
総合建設コンサルタント集団としての発展を図り、株主の皆様のご期待に応えていくことを経営基本方針と
しております。
(2) 目標とする経営指標
目標とする中長期の経営指標といたしましては、安定した経営を持続していく上で、自己資本当期純利益率
(ROE)を重要な経営指標の一つと考え、その向上に努めてまいります。
70期までは自己資本経常利益率としておりましたが、71期より自己資本当期純利益率を採用しております。
これは72期よりスタートする第5次中期経営計画の目標指数と同一にしたためであります。
①第4次中期経営計画のレビュー
第4次中期経営計画(第69~71期)の業績および重点施策の取組み結果は下表のとおりで、第71期において
目標を達成することができました。好業績は、大型案件の受注・完成等、国土強靭化や再生可能エネルギーに
係る発注量の増加を背景としており、地方自治体の発注状況や業界内での競争激化等の当社に係る受注環境に
大きな変化はありません。
(第4次中期経営計画のレビュー) 単位:円,営業利益の()は売上高比
業
績 |
目標 |
71期 |
売 上 高 |
78.0億 |
営 業 利 益 |
2.70億(3.46%) |
当 期 純 利 益 |
1.25億 |
実績 |
69期 |
75.9億 |
1.25億(1.65%) |
1.41億 |
||||
70期 |
76.6億 |
1.72億(2.24%) |
1.16億 |
|||||
71期 |
87.5億 |
5.01億(5.73%) |
3.44億 |
|||||
重 点 施 策 |
コア事業の維持拡大 |
総合評価対応力強化により国土交通省業務の受注を拡大 (71期受注は、70期比103%、69期比125%) など |
||||||
事業領域の選択 |
洋上風力発電プロジェクトの海底地盤調査の受注を拡大 (70・71期で、総売上高比12.8%) |
|||||||
老朽化インフラ整備事業に係り、チャープ式地中レーダ探査を適用した実証実験を実施 など |
②第5次中期経営計画の基本方針
第5次中期経営計画(第72~74期)では、将来に亘って安定した利益を確保できるよう、既存技術力の高度化
、事業領域の拡大、サスティナビリティ経営を推進し、必要な業務対応面や組織体制の改善に取組みます。
(第5次中期経営計画) 単位:円、 営業利益の()は売上高比
|
完成高 |
営業利益(4.5%) |
備考 |
第5次 中期経営計画 |
86.0億円 |
3.85億円 |
72期~74期 目標値は74期 |
重点施策 |
サステナビリティ推進(ESG、SDGs経営)による企業価値向上 老朽化インフラ整備に係る維持管理業務の効率化を図るチャープ式地中レーダやAI解析技術の高度化と新たなビジネス展開を推進 カーボンニュートラルに係る再生可能エネルギー事業で、海洋調査・探査技術の高度化と事業領域の拡大 多様な働き方の選択・生産性向上に繋がる働き方改革・ダイバーシティ経営・教育制度の拡充を推進 DXによる業務処理の効率化、新事業の創出や既存技術を適用したビジネスモデルの改革を推進 内部統制強化、リスク管理・危機管理、コンプライアンスの推進による健全経営 |
*第5次中期経営計画については、 https://www.kge.co.jp/medium-term-plan.htmlをご参照ください。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢については、新型コロナウイルス感染症拡大により、極めて厳しい状況がつづくと見込まれます。
なお、当社事業内容の性質上、人が密集する等、一般的に新型コロナウイルス感染症の影響を受けると考えられる事柄との関係性は低い事業であり、現時点での業績への影響は軽微です。当社では、当社社員をはじめとする関係者の安全を最優先とする方針のもと、在宅勤務・時差通勤等を推奨し、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築して対応しております。
ただし、今後新型コロナウイルス感染症の影響が長期に渡る場合などには、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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