文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、株式会社オービック(当社)及び連結子会社1社並びに持分法適用関連会社2社等より構成されており、事業は主に企業情報システムのシステムインテグレーション事業、システムサポート事業、オフィスオートメーション事業及び業務用パッケージソフト事業を行っております。株式会社新潟オービックシステムエンジニアリングは、株式売却により持分法適用の範囲から除外しております。なお、業務用パッケージソフト事業は持分法適用の関連会社で行っているため連結セグメントには含まれておりません。
当情報サービス業界では、企業の生産性向上を目的としたシステム投資需要が活性化し、より効率的でコストパフォーマンスの高い情報システムが求められております。また、変化の激しい経済環境を背景に、従来からの経営資源である「ヒト・モノ・カネ」に加えて「情報」と「時間」の重要性も高まっております。当社は、幅広い業界・規模の企業に「価値ある情報システム」を早期に提供し、継続的なシステム運用サポートを可能とするため、高い技術力とノウハウの蓄積に取り組んでまいりました。
ユーザーオリエンテッド(顧客第一主義)の経営姿勢のもと、クラウドサービスをはじめとした技術革新によって顧客企業のデジタル変革と新たな企業利益の創造を支援することで社会に貢献することを経営の基本方針としております。
(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社は中長期的に安定した企業の発展を考え、そのためには利益を意識した経営が重要であると考えております。自己資本利益率10%以上を一つの目標とし、それを維持・継続できるよう努めております。
「ワンストップソリューションサービス」これは中長期的に見た当社の重要なキーワードであります。導入コンサルティングから、システム構築、運用、情報提供まで当社グループ一貫体制でトータルに「企業の情報システム構築と運用」をサポートしてまいります。
自社開発・直接販売の体制を重要とし、市場ニーズに直結したソリューションを自社運営のクラウドセンターにて安定的に提供できるデジタル基盤を整えております。既存顧客のクラウドサービス利用率を高めるとともに、AIなど最新のデジタル技術を用いたデータ活用を促進し、新たな経営課題の設定と具体的な解決策の検討を通じて、顧客企業との継続的な関係性構築に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、当情報サービス業界および当社の経営環境においても、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込まれます。しかしながら、当社は、顧客企業の経営管理や決算業務に関わる統合基幹業務システムの提供及びサポートを行っており、安定的に事業を継続する社会的責任を果たすべく、従業員のテレワーク環境整備や、当社クラウドセンターの拠点二重化をはじめとしたBCP対策などに努めております。
また、当社は世界の気候変動リスク緩和に向けた環境負荷低減に取り組む社会的責任の大きさを認識し、さまざまな技術革新と経営効率の向上により、人材(ヒト)や環境資源(モノ)の増大に依存しない「知識集約型ビジネス」の推進に努めております。高度な環境性能を誇るクラウドセンターへの集約により当社及び顧客企業の温室効果ガス排出の削減に取り組み、2030年までに50%削減(2017年度比、Scope1・2)、2050年までに排出量実質ゼロを目指します。引き続き、環境保全と企業の持続的成長が両立する社会の実現に貢献してまいります。
(3)対処すべき課題
今年度も、継続したイノベーションを重視して顧客満足度の向上に取り組む中で、以下の項目を優先的に対処すべき課題として重視してまいります。
Ⅰ 製販一体体制の推進
Ⅱ カスタマイズ性の高い「OBIC7シリーズ」によって、生産性の向上に取り組む。
Ⅲ 人材の育成と活性化に注力する。
「経営資源を選択・集中し継続する」ことこそが経営にとって重要であると認識しており、今後ともグループ企業各社はその特徴を生かしつつ独立した企業としてグループ内での役割分担を明確にし、「グループの発展」のため経営努力をしてまいります。
(4)サステナビリティについての取り組み等
当社は、「人財の成長が会社の成長」、「Innovation~破壊と創造~」の企業理念のもと、事業および企業活動に関する重要課題に取り組むことで、社会と当社自身の持続的な成長を目指しております。代表取締役社長直下の組織であるサステナビリティ推進委員会を中心に、環境・社会・ガバナンスに関する重要課題について部門横断的に取り組んでおります。
事業に関する 重要課題 |
技術革新と製品開発 |
統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」の開発 |
プライベート型クラウドサービスの提供 |
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AIなど最新のデジタル技術を活用したデータ活用 |
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情報セキュリティの強化 |
情報セキュリティマネジメントシステム認証基準の取得 |
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オービッククラウドサービスにおける米国保証業務基準書第18号(SSAE18)に準拠した「SOC1 Type2報告書」の取得 |
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BCP対応 |
社員のテレワーク環境整備 |
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当社クラウドセンターの拠点二重化 |
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大規模災害時における対応マニュアルの整備と定期訓練 |
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企業活動に関する 重要課題 |
人材の確保と教育 |
社員をゼロから育てる新卒採用 |
業績及び業務プロセスに対するフィードバック制度の実施による社員エンゲージメントの把握と向上 |
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社員の成長による多様性の確保 |
直販体制を通じた多様性のある中核人材の育成 |
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IT・会計・業界など社員の特性に合わせた幅広い教育・研修プログラムの整備と能力開発 |
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社員のワークライフバランス実現 |
時間単位年休・時差出勤・在宅勤務など柔軟な働き方の推進 |
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子育てサポートの優良企業として「くるみん」の認定取得 |
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地球環境の保全 |
環境マネジメントシステム認証基準の取得 |
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気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく情報開示 |
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ガバナンスの徹底 |
指名・報酬諮問委員会設置による透明性・公平性・客観性の強化 |
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倫理・法令等の遵守に関する各種方針の策定と徹底 |
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内部通報制度の設置によるコンプライアンス違反等の早期解決と未然防止 |
(5)TCFD提言への賛同表明及び情報開示
当社は、2021年12月、金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)」による提言への賛同を表明しました。「TCFD」の提言に基づき、気候変動に関するガバナンスを強化するとともに、リスクと機会の分析に基づく戦略・目標を策定し、その財務的な影響についての情報開示に努めております。
①ガバナンス
代表取締役社長の直下組織として「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。代表取締役社長については、気候関連課題に関する最高責任者として、委員メンバーより日常的に気候変動に関する外部環境・課題の変化や、当社の目標に対する進捗状況、新たな取組みに関する企画提案の報告等を受けており、必要に応じて取締役会等にて報告・共有をしております。
②戦略
気候変動における当社事業の「リスクと機会」については以下の通りです。
<リスク>
移行リスク |
規制 |
炭素税等の新たな環境関連規制の導入による事業コストの増加 |
法的 |
重大な環境法令等の違反による訴訟や事業停止 |
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評判 |
温室効果ガスの排出規制等に適合できないことによる企業レピュテーションの低下 |
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物理的リスク |
気候変動を起因とした大規模な自然災害による業務運営への影響や当社の施設等の損壊 |
<機会>
製品及びサービス |
温室効果ガス削減ニーズの高まりによる高度な環境性能を誇るクラウドセンター経由のサービス需要拡大 |
リソースの効率 |
電力等エネルギーの効率的な利用に伴う運営コストの削減 |
レジリエンス |
大規模な自然災害に対する事業継続性を担保する堅牢なクラウドセンターの需要拡大 |
③リスク管理
当社では、委員会及び環境マネジメントシステムにおいてリスク管理を行っております。四半期毎に委員会の指示により関連部門にて気候関連データの集計を行い、委員メンバーにて進捗状況の確認・分析・課題の抽出等のモニタリングを実施することで、継続的なリスクの把握と管理をしております。
④指標と目標
温室効果ガス排出量(Scope1+2 ※1)の削減目標
2030年 目標 |
2017年度比で、排出量を50%削減 |
2050年 目標 |
排出量を100%削減 |
※1) Scope1:自社施設の燃料の消費に伴う直接排出量
Scope2:自社施設における電気・熱の使用に伴う間接排出量
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