(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響や原油価格の高騰等により、総じて厳しい状況の中で推移しました。世界的に見ても、ウクライナ情勢等の地政学的リスクの高まりにより、先行きの不透明感を増すこととなりました。
このような経営環境の中で、売上高については、上半期はお客様各社の在庫削減や生産調整によって大幅な減収となりましたが、下半期に入り、この状況が一巡し、増収基調に転じました。その結果、通期のレンタル売上高合計は65億40百万円となり、前期比1億1百万円(1.6%)の増収となり、その他の扱いを含めた当期の売上高総額は70億94百万円となり、前期比1億32百万円(1.9%)の増収となりました。
費用面については、下半期からのパレットのレンタル稼働率の回復に伴い、パレットの保管料は減少しましたが、レンタル数量の急増に対応するため、パレットの輸送や補修・洗浄枚数の増加に加えて、原油価格や木材価格等の高騰による影響を受け、営業費用は前期比2億59百万円(4.1%)増の66億34百万円となりました。
この結果、営業利益は前期比1億27百万円(21.7%)減の4億59百万円となり、経常利益は6億47百万円で、前期比92百万円(12.5%)の減益となりました。当期純利益は、デポの再編に伴い、社有資産の減損処理を行ったことにより、前期比1億80百万円(39.8%)減の2億72百万円となりました。
(流動資産)
当期末における流動資産の残高は、18億74百万円(前期は18億77百万円)となり、2百万円減少いたしました。
これは主にレンタル未収金(前期比72百万円増)及び未収入金(前期比17百万円増)が増加したものの、現金及び預金(前期比1億11百万円減)が減少したことによります。
(固定資産)
当期末における固定資産の残高は、84億87百万円(前期は83億58百万円)となり、1億28百万円増加いたしました。
これは主に社用資産(前期比1億36百万円減)及び長期前払費用(前期比12百万円減)が減少したものの、貸与資産(前期比1億39百万円増)、無形固定資産(前期比63百万円増)及び繰延税金資産(前期比57百万円増)が増加したことによります。
(流動負債)
当期末における流動負債の残高は、33億36百万円(前期は32億91百万円)となり、45百万円増加いたしました。
これは主に未払法人税等(前期比84百万円減)1年内返済予定の長期借入金(前期比81百万円減)及び未払消費税等(前期比54百万円減)が減少したものの、契約負債(前期比1億14百万円増)、未払金(前期比88百万円増)及び買掛金(前期比77百万円増)が増加したことによります。
(固定負債)
当期末における固定負債の残高は、19億61百万円(前期は20億33百万円)となり、71百万円減少いたしました。
これは主に長期未払金(前期比34百万円増)が増加したものの、長期借入金(前期比1億18百万円減)が減少したことによります。
(純資産)
当期末における純資産の残高は、50億63百万円となり、1億52百万円増加いたしました。
これは主に利益剰余金が増加したことによります。
「NPP経営3カ年計画2021」の総括
「NPP経営3カ年計画2021」は、2022年3月末で終了となりましたが、株主への利益配分並びに今後の事業拡大に備えるため、適正な設備投資と品質維持によるサービスの向上を図り、利益水準の確保のため、効率経営に努めることを基本方針として、取り組んでまいりました。
(数値目標の達成状況)
「NPP経営3カ年計画2021」(2019年度~2021年度)の実績は次のとおりであります。
注:2019年度終了時点で2021年度計画の経常利益を達成したため、2020年度、2021年度の計画数値は、各事業年度の5月に公表した通期業績予想数値に変更しております。
2019年度は売上高、営業利益、経常利益の全ての項目で計画を達成しましたが、2020年度はコロナの影響等により売上高が未達、2021年度はコロナの影響や原材料費、燃料費の高騰に加え、積極的な設備投資を行った結果、営業利益が未達に終わりました。今後に向けて、より収益性を高めることの課題は残っておりますが、以下の重点施策への取組が功を奏し、経常利益が各年度とも達成できたことは、一定の評価ができるものと考えております。
(重点施策の実施状況)
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は7億49百万円(前期比1億11百万円減)となりました。
営業活動の結果増加した資金は27億50百万円(前期は29億53百万円の収入)となりました。
これは主に、税引前当期純利益4億26百万円、減価償却費24億29百万円等によるものであります。
投資活動の結果減少した資金は27億21百万円(前期は21億68百万円の支出)となりました。
これは主に木製パレットをはじめとする貸与資産の増備及び取替え等に要した支出25億57百万円等によるものであります。
財務活動の結果減少した資金は1億41百万円(前期は5億11百万円の支出)となりました。
これは主に長期借入金による収入8億円及びセールアンド割賦バックによる収入4億42百万円を、長期借入金の返済による支出9億99百万円、割賦債務の返済による支出3億25百万円が上回ったことなどによるものであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
*自己資本比率:自己資本/総資産
*時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
*債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
*インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株式終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローを使用し、有利子負債は貸借対照表に計上の利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社はパレットレンタル事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載に代えて、種類別の記載をしております。
当社は、パレットレンタル業を営んでいるため、生産及び受注については該当ありません。
当社の営業の主力を占める賃貸用資産の保有高(取得価額)は次のとおりであります。
(注) その他物流機器については、その形状、種類が一様でないため、数量の記載を省略しております。
当事業年度の種類別内訳を示すと次のとおりであります。
(注) その他物流機器については、その形状、種類が一様でないため、数量の記載を省略しております。
当社はパレット及び物流関連機器等の賃貸並びに販売を全国の事業所を通じて行っております。
(注) 1.販売数量は、販売形態及び取扱品目が多岐にわたり表示が困難なため記載を省略しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)及び(追加情報)」に記載しております。また、この財務諸表の作成にあたる見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高総額は、70億94百万円で前期比1億32百万円(1.9%)の増収となりました。これは、主要業務のレンタル扱いにおいて、上半期はお客様の在庫削減や生産調整の影響を受けて大幅な減収となりましたが、下半期に入ってレンタル数量が増収基調に転じ、通期で1億1百万円(1.6%)の増収となったことが主な要因であります。また、その他扱い合計も堅調に推移し、前事業年度の実績を上回りました。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度の売上原価は、56億39百万円で前期比2億10百万円(3.9%)の増加となりました。貸与資産の減価償却費、保管料が減少しましたが、レンタル数量の急増への対応とともに、原油価格や木材価格の高騰による影響によって、運送費や修理費が大幅に増加しました。
この結果、売上総利益は14億55百万円で、前期比78百万円(5.1%)減少しました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、9億95百万円で前期比44百万円(4.6%)の増加となりました。これはフクLOWシステムに係るソフトウェア開発費の増加等によるものであります。この結果、営業利益は4億59百万円で、前期比1億27百万円(21.7%)減少しました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外損益は、紛失補償金による収益等により、前期比34百万円増加しました。この結果、経常利益は6億47百万円で、前期比92百万円(12.5%)減少しました。
(特別損益・当期純利益)
当事業年度の特別損益は、デポの再編に伴い、社有資産の減損処理を実施したこと等により前期比1億77百万円増加しました。この結果、当期純利益は2億72百万円で前期比1億80百万円(39.8%)減少しました。
③ 経営戦略の現状と今後の見通し
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要等 ①財政状態及び経営成績の状況及び1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営3カ年計画2024」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、貸与資産の回送や修理・洗浄等のメンテナンス費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要は、パレット等の貸与資産の取得によるものであります。
当社の資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現預金であり、売上高の約1.0カ月分を安定的な経営に必要な手元預金水準としており、それを超える分については銀行等の金融機関からの借入と合わせて、運転資金及び設備資金に配分することとしております。このうち借入による資金調達に関して、運転資金については短期借入金で、貸与資産を中心とする設備投資については、長期借入金、割賦契約に基づく長期未払金により調達しております。
なお、当事業年度末における借入金及び長期未払金(割賦)を含む有利子負債の残高は41億64百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は7億49百万円となっております。
また、株主還元については、財務の健全性に配慮しながら「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の方針に則って実施してまいります。
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