文中における将来に関する事項は、当事業年度末において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、企業理念として
①人と地球に優しいEco-Logistics企業をめざします。
②パレットプールシステムにより物流に貢献する企業をめざします。
③お客様、社会から信頼される企業をめざします。
の3項目を掲げております。
これまで当社では「経営3カ年計画」を中期の経営計画として定めてきましたが、本年は創立50周年を迎えることもあり、まず「長期ビジョン」を定め、長期ビジョンに基づき、経営3カ年計画を策定いたしました。
(2) 長期ビジョン
”NEW CHALLENGES WITH CLIENTS” ~新たな挑戦 お客様とともに~
当社は、2022年5月に創立50周年という節目の年を迎え、まず10年後の当社のあるべき姿としての「長期ビジョン」を制定いたしました。そのブランドメッセージは”NEW CHALLENGES WITH CLIENTS”~新たな挑戦 お客様とともに~ であります。当社が更なる成長を遂げるために、新たな商品・サービスの開発は勿論のこと、新たな事業にも挑戦し、お客様のニーズに対応したソリューションビジネスを展開していく、という決意をメッセージに込めました。
当社が目指すべき姿は、「高品質な物流サービスの提供」、「物流の効率化」、「環境経営」に取り組み、社会やお客様に貢献できる企業であり、以下の4項目の重点項目に取り組んでまいります。
(長期ビジョンにおける4つの重点項目)
①売上の拡大
支店、デポ、輸送などのネットワークやパレットプールシステム等の経営基盤を強化し、お客様の満足と信頼を得ることにより、レンタル・販売事業を拡大します。
②環境経営の推進
グリーン調達や環境配慮商品・サービスの提供により、環境経営を推進します。
③新規事業の開発
当社の独自性を活かした新商品・サービスの開発に取り組むとともに、新たな事業に挑戦し、レンタル事業に続く第2の柱を育てます。
④職場環境の充実
従業員のマルチスキル化とIT化の推進により、更なる労働生産性の向上と快適で働きやすい職場環境を目指します。
これらの取組みによって、着実に成果を上げ、10年後の2031年度に売上高100億円以上、経常利益10億円以上を目指してまいります。
成長イメージ
(3) 経営3カ年計画2024
当社は、上記の「長期ビジョン」を踏まえて、中期経営計画「経営3カ年計画2024」を策定、2022年4月1日より3年間に亘る取り組みをスタートさせました。
本経営計画の基本的な考え方は、2022年3月末で終了しました前経営計画の遂行中に洗い出した諸課題を解決するとともに、現在の経営環境を踏まえた方向性を定め、事業の更なる成長と企業価値の向上を目指すものであり、次の3項目の重点施策に取り組んでまいります。
(経営3カ年計画における3つの重点施策)
①コア事業の拡大と新規事業の展開
お客様ニーズに沿ったサービスの提供や物流機器類の商品ラインナップの拡充を図るとともに、パレット位置情報管理システム「フクLOW」付パレットの導入など新商品・サービスの拡販に取り組みます。また、ネット販売事業やアライアンスによる新規事業への進出も検討してまいります。
②事業運営体制の強化
全国200カ所のデポの適正配置や、輸配送・回収業務の共同化、モーダルシフトの積極的展開などによる効率性向上を図ります。また、「フクLOW」システムの展開やRPAの推進、受発注・回収システムの導入などDXの推進にも取り組んでまいります。
③ESG経営への取組み
内部統制機能の強化とコンプライアンスの徹底に取り組むとともに、環境保全活動や社会貢献活動にも積極的に取り組んでまいります。
(経営数値目標)
「経営3カ年計画2024」(2022年度~2024年度)の経営数値目標は、以下のとおりとなります。
[収益目標]
現時点の経営環境から予測されるものに加えて、先に示した「長期ビジョン」の成長イメージ、及び今後取り組む諸施策の成果などを想定した上で収益目標を定めております。
(2022年度の見通し)
2022年度の業況については、主要なお客様である石油化学樹脂関連企業との好調な取引がしばらく継続するものと想定しておりますが、原油価格の動向や半導体不足による自動車減産の動きなどを注視してまいります。また、一般ユーザーについても、前期後半からレンタル売上が回復しており、今後についても、物流の効率化に関するお客様の課題・要請に対して、ソリューションビジネスを展開することにより売上高の拡大を図ってまいります。
一方、木材需給の逼迫、木材価格の高騰による世界的な「ウッドショック」の影響で、パレットの仕入価格の大幅な上昇が懸念されており、加えて、原油価格の上昇に伴う運送費や修理費の増加影響によって、コスト面では厳しい状況が続くものと想定しております。
当社としましては、引き続き、デポの再配置による輸送効率の向上やパレットの修理・洗浄機能の強化によって、現有パレットを最有効活用することで、支出構造の改善を図ってまいります。
以上の内容を踏まえて、2022年度の経営目標は、売上高71億85百万円、営業利益7億円、経常利益8億円、当期純利益5億円としております。
[資本政策]
当社は、「ROE」、「EPS」、「自己資本比率」の3つを資本政策の指標に掲げることといたしました。これら3つの指標のバランスを取りながら、攻めと守りの両面に配慮した経営を実施していく方針であります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
レンタルパレットを取り巻く環境と課題について
日本国内で流通しているパレット枚数は推定5億枚とも言われておりますが、そのうち、レンタルパレットの保有枚数は主要各社計で2,423万枚(2020年度実績・一般社団法人日本パレット協会調べ)であり、全体の5%程度にすぎません。このような実態から、パレットの紛失・流出リスクや管理の煩雑さなど、パレット運用に伴う課題を抱えておられる「自社保有」のお客様が相当見込まれ、レンタルの事業領域は十分あるものと認識しております。
さらに、トラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用される、いわゆる物流の「2024年問題」への対応策として、従来のバラ積み・バラ降ろしから「パレット化」による作業の生産性向上・効率化が喫緊の課題となっており、パレットによる輸送需要は順調に拡大していくものと予測しております。
一方、安全や衛生面上の理由から、レンタルパレットの品質に関するお客様からの要求水準が高くなってきております。現在、当社は全国に約200カ所のデポ(サービス拠点)を保有しておりますが、パレット運用の効率化とお客様のニーズに対応したネットワークの確立、及びパレットの修理・自動機械洗浄を行う高機能型デポなどインフラを整備することにより、品質とコスト両面での競争力の一層の強化を図ってまいります。
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