業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

1.財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の普及に伴う感染者の減少や各種政策の効果等により、緩やかな回復傾向にありましたが、新たな変異株が確認されるなど依然として予断を許さない状況であり、今後の経済情勢は先行き不透明な状態が続くものと考えております。

学習塾業界におきましても、こうした経済状況や少子化、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒しなどとも相まって、取り巻く環境が大きく変わろうとしております。

こうした環境のもと、少子化を前提としたビジネスモデルの当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針としており、新型コロナウイルス感染症の影響に対しても、子どもたちの教育の場を守るために、同業他社には例のない徹底した感染防止策を講じ、安心して対面授業を受けることができる環境作りに注力してまいりました。

さらには、職域でのワクチン接種を開始する政府発表方針を受け、ワクチン接種の加速化と集団免疫の獲得による早期の経済再生に向けて、第1回および第2回の職域接種を2021年7月5日より実施し、8月11日に完了、また、第3回の職域接種を2022年4月に実施するなど、徹底した感染防止対策に取り組んでおります。

当社グループのこうした取り組みの成果もあり、当連結会計年度における当社グループ各社の生徒数は前年・前々年同期を上回る水準となっており、学校内個別指導事業「スクールTOMAS」の導入校も増加するなど既存事業の業績は順調に推移しております。

今後は、ヒューリック株式会社との資本業務提携の強化による積極的な新校展開に加えて、当社、ヒューリック株式会社およびコナミスポーツ株式会社との3社提携による事業拡充や、株式会社伸芽会とコナミスポーツ株式会社との業務提携による「多彩で豊かな人間性をもった文武両道的バランスのとれた子どもを育む」事業の発展、株式会社スクールTOMASとKDDIまとめてオフィス株式会社との提携による学校へのICT導入でのマーケット拡張など、異業種を含めた他社との提携を推し進めることで、持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は30,008百万円(前期比19.1%増)、営業利益は3,030百万円(前期比199.8%増)、経常利益は3,048百万円(前期比155.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,431百万円(前期比337.9%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりとなります。

①TOMAS(トーマス) [学習塾事業部門]

完全1対1の進学個別指導による高品質な教育サービスを提供し、売上高は15,830百万円(前期比16.3%増)、内部売上を含むと15,831百万円(前期比16.3%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、TOMAS上尾校(埼玉県)、TOMAS大船校(神奈川県)、TOMAS月島校(東京都)、TOMAS流山おおたかの森校(千葉県)、メディックTOMAS吉祥寺校(東京都)、インターTOMAS田町校(東京都)を新規開校、TOMAS田町校(東京都)、TOMAS蒲田校(東京都)を移転リニューアルいたしました。

②名門会 [家庭教師派遣教育事業部門]

100%プロ社会人講師による教育指導サービスの提供に加え、全国区へ事業展開を図っており、売上高は5,147百万円(前期比8.3%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、名門会鹿児島校(鹿児島県)、名門会熊本校(熊本県)、TOMEIKAI新潟校(新潟県)、TOMEIKAI天神校(福岡県)を新規開校、名門会天神駅前校(福岡県)、TOMEIKAI長崎校(長崎県)を移転リニューアル、オンライン事業の拠点として、下北沢オンラインセンター(東京都)を新規設立いたしました。

③伸芽会 [幼児教育事業部門]

名門幼稚園・名門小学校受験業界でトップクラスの合格実績を誇る既存事業「伸芽会」に加え、受験対応型の長時間英才託児事業「伸芽’Sクラブ(しんが~ずくらぶ)」の2つのブランドの充実を図り、売上高は6,003百万円(前期比24.0%増)、内部売上を含むと6,004百万円(前期比24.0%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、伸芽会吉祥寺教室(東京都)、伸芽’Sクラブ託児荻窪校(東京都)、伸芽’Sクラブ学童吉祥寺校(東京都)、伸芽‘Sクラブ学童大宮校(埼玉県)を新規開校、伸芽会浦和教室(埼玉県)を移転リニューアルいたしました。

④スクールTOMAS [学校内個別指導事業部門]

学校内個別指導塾「スクールTOMAS」の営業展開を推し進め、売上高は2,022百万円(前期比50.4%増)、内部売上を含むと2,294百万円(前期比45.3%増)となりました。

⑤プラスワン教育 [人格情操合宿教育事業部門]

情操分野を育む多彩な体験学習サービスの提供を行い、売上高は990百万円(前期比55.9%増)、内部売上を含むと1,022百万円(前期比53.2%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、TOMAS体操スクール広尾校(東京都)を新規開校いたしました。

⑥その他の事業

売上高は14百万円(前期比31.5%増)、内部売上を含むと125百万円(前期比48.8%増)となりました。

 

2.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて4,047百万円増加し、8,011百万円(前連結会計年度末3,963百万円)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は3,607百万円(前連結会計年度に使用した資金は36百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,107百万円、減価償却費378百万円、退職給付に係る負債の増加額231百万円、前受金の増加額260百万円、法人税等の支払額△793百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,011百万円(前連結会計年度に使用した資金は655百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△695百万円、無形固定資産の取得による支出△67百万円、敷金及び保証金の差入による支出△193百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は1,450百万円(前連結会計年度に使用した資金は182百万円)となりました。これは主に、短期借入れによる収入2,300百万円、短期借入金の返済による支出△2,300百万円、配当金の支払額△1,399百万円、自己株式の処分による収入2,836百万円等によるものです。

 

3.生産、受注及び販売の実績

①事業所と収容能力

事業所および収容能力に著しい変化はありません。

②販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

学習塾事業(TOMAS(トーマス))

15,830,671

116.3

家庭教師派遣教育事業(名門会)

5,147,060

108.3

幼児教育事業(伸芽会)

6,003,505

124.0

学校内個別指導事業(スクールTOMAS)

2,022,280

150.4

人格情操合宿教育事業(プラスワン教育)

990,535

155.9

その他

14,822

131.5

合計

30,008,875

119.1

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.売上高には、消費税等が含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

①財政状態の分析[図1][図2]

当連結会計年度末の資産につきましては、現金及び預金、有形固定資産、繰延税金資産、敷金及び保証金の増加、営業未収入金の減少等により5,105百万円増加し、19,045百万円(前連結会計年度末13,940百万円)となりました。

負債につきましては、未払法人税等、前受金、その他の流動負債(未払消費税等)、退職給付に係る負債、資産除去債務の増加、関係会社整理損失引当金の減少等により1,166百万円増加し、8,531百万円(前連結会計年度末7,365百万円)となりました。

純資産につきましては、資本剰余金、利益剰余金の増加、自己株式の減少等により3,938百万円増加し、10,513百万円(前連結会計年度末6,575百万円)となりました。

流動比率は、152.56%から201.92%と49.36ポイント上昇、自己資本比率は46.7%から54.8%と8.1ポイント上昇しており、財務の健全性は適切に維持されている状況となっております。資産の内訳については、現金及び預金および営業未収金等の運転資本が大きな割合を占める状況となっております。今後につきましても、財務の健全性を維持しつつ、剰余金の配当等による株主還元を図ってまいります。

 

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②経営成績の分析[図3]

当連結会計年度における経常利益は3,048百万円となり、前期比1,856百万円の増加となりました。また、経常利益率は10.2%となり、前期比5.4ポイント上昇となりました。主な要因としては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う通学控え等の影響が薄れたことや、新校展開・拡大リニューアルなど規模の拡大を行ったことによる売上高の増加、感染防止対策が進んだことによる感染防止対策費用の低減を始めとしたコスト削減によるものです。2023年2月期におきましても、規模の拡大とコスト削減を推し進めることで、収益性の改善に努めてまいります。

 

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2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報[図4]

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、以下の通りとなっております。

営業活動CFは、3,607百万円となり、前連結会計年度に比べ3,643百万円増加しました。主な要因としては、売上高の増加、感染防止対策費用の低減などのコスト削減によるものです。

投資活動CFは、△1,011百万円となり、前連結会計年度に比べ355百万円減少しました。主な要因としては、新校展開・拡大リニューアルなどの新規投資の増加によるものです。

財務活動CFは、1,450百万円となり、前連結会計年度に比べ1,632百万円増加しました。主な要因としては、配当金の支払額の増加および自己株式の処分によるものです。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りとなっております。

(資本の財源)

当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか必要に応じて資金調達を行ってまいります。

(資金需要)

2022年2月期は、TOMAS、メディックTOMAS、インターTOMAS、名門会、TOMEIKAI、伸芽会、伸芽‘Sクラブ託児・学童で新規開校および拡大リニューアルを行いました。これらの新規投資の効果もあり、2022年2月期末の生徒数は、グループ全体で前年同月比4.1%増加、前々年同月比でも6.5%増加するなど、好調に推移いたしました。

2023年2月期以降におきましても、引き続き新規開校や拡大リニューアルを推し進めるとともに、「こどもでぱーと」などの新たな取り組みに対しても積極的に資金を投入することで、さらなる成長を目指してまいります。

(株主還元)

当社グループは、株主への皆様に対する利益還元を経営の重要課題の1つとして捉え、安定的な手元資金の確保を前提としつつ、業績に応じた配当を行うことを基本方針においております。

 

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3.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の報告数値および偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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