課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という企業理念のもと、お子様・保護者様のご要望を的確に把握し、教育力の向上に常に務めるとともに、お子様・保護者様の声に誠実かつ迅速に対応して業務の改善に努め、子どもたちの素晴らしい未来づくりのために全力で努力いたします。そのために、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針にしております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、景気動向および市場環境に左右されない安定した収益基盤を構築するため、以下を主軸として持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

①徹底的な差別化戦略

当社は、「生徒の個性・個人差は千差万別。その個人差に的確に対応できる教育こそが、本物の教育であり、理想の教育である」という理念のもと、完全1対1の進学個別指導システムによる質の高い教育サービスを提供しております。

一口に個別指導といっても、1対2、1対3といった指導形態のものや、補習を中心とした塾が大半を占めるなか、当社は創業以来一貫して進学実績にこだわり続け、"個別で進学実績を出せるのはTOMASだけ"という業界独占ポジションを築くことにより、同業他社との差別化を図っております。

当社の子会社も同様に、当社グループが理念として掲げる本物の教育を実践することで他社との差別化を行い、収益力の向上を図ってまいります。

 

②事業の特色を活かした戦略的な校舎展開

当社グループの主要な事業のうち、TOMAS・伸芽会は首都圏を中心に、名門会・スクールTOMASについては首都圏をはじめとして全国に拠点・校舎を展開しております。各事業の特色を踏まえ、戦略的に校舎を展開することで、より多くのお客様に当社グループの教育サービスを提供できる体制を構築してまいります。

主力事業のTOMASは首都圏(1都3県)を重点地域とし、首都圏サテライト校戦略として、首都圏の各地域にさらなる校舎展開を行ってまいります。なお、資本業務提携しておりますヒューリック株式会社より、同社が所有・開発する不動産の紹介サポートを受けることで、同業他社と比較して有利な立地での教室展開が可能となります。

伸芽会につきましては、引き続き首都圏での小学校受験のニーズが高まっているため、首都圏を中心とした校舎展開を行っております。また、コナミスポーツ株式会社との業務提携による新ブランド「コナミスポーツ伸芽’Sアカデミー」をコナミスポーツが所有する施設へ展開することで、両社の顧客が抱える「勉強」と「スポーツ」のバランスの悩みの解消を図ってまいります。こうした、小学校受験に留まらない多様なニーズにも応えていくことで、新規顧客の獲得と顧客満足度の向上に努めてまいります。

名門会では、すでに全国に展開している拠点・校舎を基盤として引き続き全国のお客様にサービスを提供するとともに、TOMASが展開していない地域には個別指導塾「TOMEIKAI」を展開することで、首都圏以外における「本物」の個別指導へのニーズに応えてまいります。

スクールTOMASにつきましては、TOMASで蓄積したノウハウを基に、全国の私立中学校・高等学校中心に個別学習支援サービス(学校内個別指導塾)を提案するとともに、KDDIまとめてオフィス株式会社との業務提携による相互紹介、新規開拓でマーケットを拡大してまいります。

 

③1歳から社会人までの囲い込み戦略

当社グループの強みの一つとして、幼児期から学生、社会人に至るまでの各段階のそれぞれについて、適切な教育サービスを提供できるパッケージを備えていることが挙げられます。伸芽'Sクラブ(1~3歳)を入口に、伸芽会(4~6歳)、TOMAS・名門会・スクールTOMAS(小・中・高生)という大学生までの受験指導を基軸とし、勉強では埋められない多様な体験を提供するためのプラスワン教育、社会人に至るまでの英語学習のサポートを行うインターTOMASなど、当社グループの持つ教育サービスをお客様の成長に合わせて提供することで、グループ内での顧客の定着を図ってまいります。

 

④財務体質の強化

当社グループは、上記の経営戦略に基づいたキャッシュ・フローの獲得および保有資産の有効活用等により財務体質の強化を図ってまいります。

 

 

(3)経営環境

 当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 事業の成長と企業価値の増大とともに様々なステークホルダーの皆様からの期待が尚一層高まる中、下記を当社グループの課題として捉え、対処と対応に積極的に取り組みたいと考えております。

 

①企業ブランドの増強と向上

生徒一人一人の個性に的確に対応した、高品質な「本物」の教育サービスの提供による徹底した差別化戦略によって学習塾業界での当社グループの地位を高め、さらなる収益機会を拡大するため、ブランドの一層の向上と拡大を目指し、経営体制を拡充してまいります。

 

②優秀な人材の確保と育成

当社グループは人材を重要な経営資源と捉えております。そのため、優秀な社員、講師を採用し、育成指導することが重要課題であり、当社グループ全社を挙げて積極的に取り組んでおります。具体的には、多くの優秀な講師を採用するため、講師の採用・育成専門の子会社「ココカラTチャーズ」にて、講師の採用、育成、研修および紹介を一貫して行う体制をとっております。

 

③囲い込み戦略に伴う新規会員の獲得およびTOMAS等への移行

1歳から社会人までの年齢軸による囲い込みを行うにあたっては、伸芽'Sクラブの新規会員の獲得およびTOMAS等への移行が課題となります。入り口である伸芽’Sクラブをはじめとした新規会員を増やすため、期待される以上の高品質な教育サービスの提供を行うとともに、グループ間での連携を図っております。

また、軸となる戦略を遂行するため、他社とも積極的に提携を行ってまいります。まず、新規会員の獲得増加のため、キッズ会員を多く有しているコナミスポーツ株式会社と引き続き業務提携を行ってまいります。さらに、業務提携しておりますヒューリック株式会社、コナミスポーツ株式会社と共同開発を行っている「こどもでぱーと」は、同ビル内に伸芽’SクラブおよびTOMAS等が併設されることとなっておりますので、新規会員の獲得のみならず、地理的・心理的側面より、TOMASへの移行促進の効果が期待できるものと考えております。

 

④労務および管理コストの削減

上記の課題を達成し規模の拡大を図るとともに、コストの削減を行うことで収益力の向上を行うことが持続的な成長のためには必要となります。当社グループの場合、事業の性質上総コストに占める比率が高い労務コスト、および管理コストの削減が収益の拡大に効果的と考えております。その取り組みの一環として、株式会社ココカラTチャーズにて講師の採用管理を一元化することにより、労務および管理コストの削減を図っております。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2023年2月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)で、2025年2月期には、連結業績として売上高400億円、営業利益45.1億円、経常利益45億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を目標として掲げております。

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であり、中期経営計画の初年度である2023年2月期の目標値は、売上高330億円、営業利益36.1億円、経常利益37億円、親会社株主に帰属する当期純利益25億円であります。

 なお、2022年2月期における指標の達成・進捗状況は以下の通りとなります。なお、計画値につきましては、2022年2月期を初年度とする中期経営計画(2022年2月期~2024年2月期)に基づいております。

 

2022年2月期

(計画)

2022年2月期

(実績)

2022年2月期

(計画比)

売上高

29,000百万円

30,008百万円

1,008百万円増( 3.5%増)

営業利益

2,510百万円

3,030百万円

  520百万円増(20.7%増)

経常利益

2,500百万円

3,048百万円

 548百万円増(21.9%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

1,700百万円

2,431百万円

 731百万円増(43.0%増)

 

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