業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績

当連結会計年度(2021年1月1日~2021年12月31日)の売上高は、顧客のIT投資需要に応えた国内IT事業が堅調に推移したものの、国内IT事業における連結子会社1社の持分法適用関連会社への変更や、2021年6月30日付で株式譲渡したCRO事業子会社の連結除外等による減収等から、前年度比1.2%減少の479億35百万円となりました。利益については、減収の影響があったものの、国内IT事業の堅調な推移やCRO事業の赤字解消等により、営業利益は同89.7%増加の36億97百万円、経常利益は同92.1%増加の36億68百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同48.4%増加の24億76百万円となりました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりです。売上高につきましては、外部顧客への売上高を表示しています。

 

<国内IT>

連結子会社1社が持分法適用関連会社へ変更(2021年2月1日付)となった影響があったものの、中核子会社である株式会社シーエーシーにて、製薬業や金融業向けなどのシステム案件が堅調に推移したため、売上高は335億86百万円(前年度比5.4%増)となりました。セグメント利益については、増収に加え、技術者の稼働率も向上したこと等から、25億81百万円(同39.0%増)となりました。

 

<海外IT>

インドネシア子会社においてシステム開発案件が増加したものの、インド子会社の業績回復が遅延している影響から、売上高は95億7百万円(前年度比3.6%減)、セグメント利益は3億3百万円(同32.0%減)となりました。

 

 <CRO>

当事業を担う連結子会社であった株式会社CACクロア(現:株式会社EPクロア)については、その全株式を2021年6月30日付でイーピーエス株式会社へ譲渡したため、当期の業績については、第2四半期連結累計期間(2021年1月1日~2021年6月30日)の実績となります。

売上高は48億41百万円(前年同期比29.0%減)となりました。セグメント利益については、8億12百万円(前年同期は3億53百万円のセグメント損失)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年度比(%)

国内IT(百万円)

25,701

3.7

海外IT(百万円)

7,073

△5.3

CRO(百万円)

3,262

△41.1

合計(百万円)

36,036

△4.6

 

(注) 1.金額は売上原価で表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

受注高

前年度比(%)

受注残高

前年度比(%)

国内IT(百万円)

34,538

7.6

8,418

10.4

海外IT(百万円)

9,943

6.8

3,430

14.5

CRO(百万円)

9,211

35.6

合計(百万円)

53,693

11.4

11,848

△28.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年度比(%)

国内IT(百万円)

33,586

5.4

海外IT(百万円)

9,507

△3.6

CRO(百万円)

4,841

△29.0

合計(百万円)

47,935

△1.2

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アステラス製薬株式会社

5,918

12.3

 

2.前連結会計年度におきましては、外部顧客への販売実績のうち、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

② 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて26億95百万円増加して、472億61百万円となりました。

流動資産は11億11百万円減少して、218億4百万円となりました。主な変動要因は、有価証券が11億円増加した一方、株式会社CACクロアを連結の範囲から除外した影響等により受取手形及び売掛金が12億27百万円減少、仕掛品が6億13百万円減少、前払費用が1億46百万円減少したこと等によるものです。固定資産は38億7百万円増加して、254億57百万円となりました。主な変動要因は、保有資産の時価の増加及び非連結子会社への追加出資に伴い投資有価証券が58億27百万円増加した一方、株式会社CACクロアを連結の範囲から除外した影響等により建物及び構築物が1億83百万円減少、機械装置及び運搬具が7億47百万円減少、ソフトウエアが1億81百万円減少、長期前払費用が2億16百万円減少、差入保証金が2億50百万円減少したこと等によるものです。

 

セグメント別の資産の状況は次のとおりです。

<国内IT>

セグメント資産は、製造業や金融業向けシステム案件が堅調に推移したことにより売掛金が増加した一方、株式会社シーエーシーナレッジを連結の範囲から除外し、持分法適用関連会社となったことによる減少の影響等により、154億80百万円(前年度比5億25百万円増加)となりました。

<海外IT>

セグメント資産は、事業収益に伴う現金及び預金の増加があった一方、インド子会社の業績回復が遅延していることによる売掛金の減少の影響等により、90億21百万円(前年度比35百万円増加)となりました。

<CRO>

株式会社CACクロアを連結の範囲から除外したため、セグメント資産はありません。(前年度は42億50百万円)

<全社資産>

各報告セグメントに配分していない全社資産は、主に当社が有する資産であります。全社資産は、保有資産の時価の増加に伴う投資有価証券の増加の影響等により、227億59百万円(前年度比63億85百万円増加)となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて24億66百万円減少して、158億62百万円となりました。

流動負債は12億19百万円減少して、88億79百万円となりました。主な変動要因は、賞与引当金が2億3百万円増加した一方、未払法人税等が1億円減少、及び株式会社CACクロアを連結の範囲から除外した影響等により支払手形及び買掛金が9億60百万円減少、未払費用が3億49百万円減少したこと等によるものです。

固定負債は12億47百万円減少して、69億82百万円となりました。主な変動要因は、繰延税金負債が17億27百万円増加した一方、関係会社事業損失引当金が6億25百万円減少、退職給付に係る負債が8億98百万円減少、及び株式会社CACクロアを連結の範囲から除外した影響等によるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて51億62百万円増加して、313億98百万円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益により24億76百万円増加、剰余金の配当により10億12百万円減少したことにより、14億63百万円増加、保有資産の時価の増加に伴いその他有価証券評価差額金が32億89百万円増加したこと等によるものです。

 

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、29億2百万円の収入となりました(前連結会計年度比17億92百万円の収入増)。これは主に、税金等調整前当期純利益が39億78百万円、減価償却費が6億14百万円、賞与引当金の増加額が2億20百万円あった一方、退職給付に係る負債の減少額が10億21百万円、法人税等の支払額が11億71百万円あったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、5億32百万円の収入となりました(前連結会計年度比8億5百万円の収入減)。これは主に、投資有価証券の売却による収入が2億75百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が15億7百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が1億61百万円、有価証券の増加額が11億円あったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、29億30百万円の支出となりました(前連結会計年度比12億26百万円の支出増)。これは主に、リース債務の返済による支出が1億78百万円、配当金の支払額が10億5百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式等の取得による支出が16億82百万円あったこと等によるものです。

 

以上の結果、当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比6億62百万円増加し、103億67百万円となりました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。その作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与える見積り、判断が必要になります。当社グループは、過去の実績又は現在の状況下で合理的と考えられる前提等に基づいて一貫した見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性が含まれるため、実際の結果が異なる場合があります。

なお、新型コロナの世界的な感染拡大の規模や収束時期等の合理的な予測は困難であるものの、現時点では、それらが当社グループの連結財務諸表に与える影響について重要性は乏しいと仮定しております。

当社グループが連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表等の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績の分析

経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりであります。

 

③ 財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは「世界をフィールドに先進のICTをもって新しい価値を創造する」ことで、持続的に成長し続ける企業グループとなることを目指しています。CAC Vision 2030の実現に向け、2022年度~2025年度までのフェーズ1においては、国内外における既存受託事業での安定した収益の確保と2026年度~2030年度までのフェーズ2に向けて継続的にデジタルプロダクト&サービスを生み出す仕組みの構築を行います。

これらに必要な資金につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応することを考えていますが、必要に応じ、資金調達(金融機関からの借入や各種社債の発行等)することも含めて対応してまいります。

 

⑥ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、2022年度から始まるフェーズ1での中期経営計画の最終年度となる2025年度の数値目標を、売上高580億円、営業利益50億円、営業利益率8%以上、ROE10%以上としております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得