文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、設立以来、特定の資本系列下ではない独立系のゲームソフト開発会社として、ゲームソフトメーカーやコンテンツプロバイダをはじめとする幅広い業種の顧客に対し、ゲームソフトやモバイルコンテンツなどの企画提案から開発、運営に至る幅広いサービスを提供してまいりました。これからも「永遠に続く会社づくり」を経営理念として、技術・知識の研鑽に努め、持続性・将来性が高い事業を推進し、ユーザーの利便性、有用性をより一層向上させてまいります。そして、当社の使命である「より良い製品とサービスを社会に提供し、健全で豊かな社会の実現に寄与する」ことを果たし続けます。
② 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期的な企業価値と資本効率の向上に向けて、中期的な戦略として以下の重点項目を掲げております。
イ.組織戦略
(イ)顧客視点に立った開発・運営サービスの提供を可能にする組織の再編成
プロジェクトマネージャーによる開発管理制度を確立するとともに、将来に備え研究開発の専門チームを設けるなど、顧客視点に立った開発・運営サービスを可能にする組織の再編成に取り組んでまいります。
(ロ)次世代を担う開発スタッフ・経営マインドを持った人材の育成
スタジオ間を横断した人材交流や異動促進による専門知識・スキルの向上を促進させるとともに、若手社員への開発・運営業務の標準化浸透を加速させ、早期戦力化に取り組んでまいります。また、中堅社員への教育体制の強化を行うとともに、技術スペシャリストのキャリアプランの再構築を進めてまいります。
(ハ)海外子会社を中心としたグローバル化の推進
技術者が育ちつつある海外子会社を積極活用し、グローバルな事業体制を構築してまいります。
ロ.事業戦略
(イ)サービスの高付加価値化による収益基盤の強化
グローバル視点に立ったマーケティング及びプロモーションを含めたビジネスプランの提案を実行するとともに、コンテンツ開発に留まらない運営、サーバ・インフラ開発の技術力向上を推進してまいります。
(ロ)技術進歩・外部環境を適切に捉えた既存事業の技術力向上や新事業分野への進出
当社グループが取り組む事業分野においては、コンテンツを供給するプラットフォームの変遷や多様化が進むとともに、IoT(インターネット・オブ・シングス)やAR(拡張現実)、VR(仮想現実)を活用したコンテンツが登場し、今後もICT(情報通信技術)やAI(人工知能)技術の進化が見込まれるなど、技術環境が著しく変化しております。こうした変化に遅れをとらないように、新しいものに挑戦できる開発体制の構築を進めるとともに、最新の技術等を活用した業務の効率化、新事業分野への進出を推進してまいります。また、収益性や将来性の高い事業への経営資源の戦略的配分を加速してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益及びROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけ、収益力と資本効率の向上に取り組んでまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
「プレイステーション5」や「Nintendo Switch」向けなどのゲームソフト開発需要は引き続き堅調に推移すると見込んでおります。一方で、昨今の原材料高騰や円安に伴うゲーム機器の国内価格の値上げや、長期化する供給不足により、将来的にゲーム機器からのユーザー離れを懸念する向きも見られ、SteamなどのPCゲームのユーザーの拡大も考えられます。
メタバースやNFTの市場はさらに拡大を続け、異業種が結びつき新しい付加価値を生み出すイノベーションが期待されます。
ビジネス系システムにおいてはDXやIoTの拡大が続き、多方面でシステムエンジニアリング技術の必要性が高まっています。
このような事業環境のもと、当社グループでは、中長期的な企業価値と資本効率の向上に向けて、先進的でより高度な開発技術の獲得を目指し、ハイエンド技術を要する案件や新規性のある案件を、戦略的に優先して選択し、取り組んでまいります。そのような案件以外においては、適正な取引価格での受注を強化し、賃上げや利益率の向上を推進いたします。メタバースやNFT関連については、これまで技術の検証や商談の種まきを進めてきましたが、引き続き多方面にアプローチを続け、次の柱の事業のひとつとなることを目指してまいります。また、開発工程の標準化を拡大することで開発事故や取りこぼしを撲滅し、バックオフィスのDXを進め、業務品質が高く安定した利益体質を確実なものにいたします。さらに、従業員に対しては階層別研修を拡充し、より一層のスキルアップを促すことで、各人の能力向上、人事評価の向上、評価に伴う給与の上昇、業務やスキルアップへのモチベーション向上、という好循環を目指してまいります。
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