文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループは、「私たちは、全従業員の物心両面の豊かさを追求するとともに、日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献する」という経営理念のもと、「絶えざる革新」により、変化する環境に対応し、人の一生を支援する事業を通じて、企業価値の向上と、株主のみなさまをはじめとする全てのステークホルダーへの貢献を追求しています。
(当社グループの組織価値観)
我が国においては、国民の年齢構成や人口動態が変化することにより、少子高齢化が加速しています。当社グループにとって、少子高齢化は成長戦略の重要な要素であり、課題でもあります。社会構造もグローバル化や高度なデジタル化がますます進行し、多様化してきています。今後当社グループは、学習塾事業、語学関連事業、保育事業、介護事業、人材育成・紹介事業、フードサービス事業をコア事業と位置づけ、一生支援事業を行っていきたいと考えています。
学習塾事業においては、更に多様化する未来を見据え、学習を通じて自主性を持った子どもたちを育てていきたいと考えています。未来を生きるために必要な自主性を育む教育サービスである「リーチング」を独自能力として更に磨いていくことが課題であります。また、大学入試制度、英語教育の抜本的な改革、教育のオンライン化の進行など教育環境も変化し、顧客ニーズの多様化への対応も課題であります。
語学関連事業では、日本国内だけでなく、グローバルな語学教育事業を拡大していきたいと考えています。将来の労働人口の減少は日本国内の産業にも大きく影響してきます。海外からの留学生に日本語教育を行い、技能実習生の教育に携わることも当社グループの重要なミッションであります。また、日本国民のグローバルなコミュニケーションの道具としての英会話力向上により将来のグローバル化に対応できる人材を育成していきたいと考えています。グローバル化が進むにつれ、各国の文化・慣習などを把握して対応することが課題であります。
保育事業においては、待機児童の問題が少子化の加速により徐々に解消されていくことを鑑み、出店スピードを抑制しながら、学習塾の特性を活かした知育を実現し、社会からの要請に応えていきたいと考えています。しかしながら、他社同様、保育士不足は依然問題と認識しており、保育士の確保と質の高い保育サービスを提供することが課題であります。
介護事業においては、高齢人口が急速に増加する中で、現在は入居者等の健康を考慮し、機能改善を図っておりますが、これまで以上に健康維持・改善や認知機能の低下防止などさらなる高い質の介護サービスの提供が課題であります。フードサービス事業においても、高齢者への配食による健康維持や予防につなげていくことが課題であります。
人材育成・紹介事業においては、当社グループをはじめ保育事業や介護事業を営んでいる事業者へ技術力の高い人材を育成し紹介していくことが社会的使命だと考えています。日本人の育成・紹介を展開するだけでなく、海外からの留学生や技能実習生、特定技能資格で働く外国人など、国境を越えた人材育成と地域貢献も課題と捉え、取り組んでおります。外国人が日本国内で保育士や看護師、介護士等の資格を取得するためには日本語能力だけでなく、専門知識も身につけてもらうことが必須であり、これまで培ってきた学習塾事業のノウハウをどう活かしていくかが課題であります。
新型コロナウイルス感染症については、予断を許さない状況ではありますが、少しずつ収束の光が見え始めています。学習塾などの事業においては、感染防止対策を徹底し、顧客の安全と安心を第一に考え、最善を尽くしてまいります。日本語教育や海外事業については、少しずつ留学生などの人の往来が可能となり、今後の事業拡大に向けて積極的に活動して参ります。
当社グループは、少子高齢化や教育改革など環境の変化に対応し、「総合教育企業」から「人の一生に寄り添い、社会に貢献できる企業」としての展開を進めております。2020年に「ステキな大人が増える未来をつくる」を当社のグループビジョンとして掲げました。重要課題は「本気の人材育成」と「将来を見据えた収益性の向上」です。「本気の人材育成」については、業態にかかわらず人材の交流を積極的に行うとともに、人事評価の見直しを行うことによって社員の成長を促していきたいと考えています。「将来を見据えた収益性の向上」を実現していくためには、目先の利益ではなく、ひとりひとりが力をつけ、独自性を追求していくことが大切だと考えています。また、国内市場に向けた海外人材の活用だけでなく、日本から海外への人やサービスを輸出する双方向の人材交流でグローバル戦略を計画・実行していきたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症による事業への影響は、今後も暫く続くと想定されるものの、中長期でみると、当社グループの各事業の課題は不変的要素が多分にあり、これまでの戦略が大きく変わることはないと考えています。すべての事業において、今後の基軸となるのは将来性です。京進だからこそできるサービスや商品の開拓に全力で取り組み、独自性を確かな力に変えていきたいと考えております。
具体的には、以下の3つの戦略テーマを推進いたします。
1.本気の人材育成
①積極的な人事交流とダイナミックな組織編制
②リーチングのさらなる促進
③風通しの良い職場環境の実現
2.徹底した収益性向上への対応
①人件費率の低減
②事業部ごと・事業所ごとの収益性向上
③人件費を除く経費削減
3.その他
①グローバルな事業展開
②新規事業展開
③独自性の追求
当社グループでは、顧客や社会から評価された結果としての集客及び収益性の向上を目指しており、経営指標としては、各事業において顧客数・売上高・営業利益を重視しております。長期的な経営指標の目標としては、顧客数・売上高の成長と同時に経常利益率の向上を重視しております。
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