文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「顧客満足度向上の追求」「魅力ある人間の育成」「社会への貢献」を経営理念として掲げ事業を展開してまいりました。
今後もこの経営理念を踏まえ、これまでに蓄積したナレッジを武器に提案力と最先端ICT技術を駆使したKnowledge Integratorとして顧客サービスを一層向上させることを、経営の基本方針としていく所存であります。
そのため、不断の努力を積み重ね、次世代を見据えた高度なIT人材を育成し拡大することを経営の柱としております。このことが企業としての存在価値を高めるとともに、社会に対する使命を果たすことにつながると考えております。
(2) 経営環境及び経営戦略
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、デジタル技術活用の重要性が高まる一方で、行政、企業、社会におけるデジタル化の遅れが顕在化しました。日本政府はこれらの課題を解決し、デジタル社会実現の司令塔として、デジタル庁が創設され、『誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。』をミッションに掲げ、デジタル化によって社会問題を克服し、誰もがデジタルの恩恵を受ける社会を作ることを目指しています。
当社を取り巻く情報サービス産業におきましては、企業の新たな価値の創出、競争力の強化に向け、業務及び業務プロセスのデジタル化、業務基盤の強化等デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)を推し進める流れは加速し、IT投資は底堅く推移することが見込まれます。
このような状況下、当社は、持続的な成長を遂げるべく、2022年度から2024年度までの新中期経営計画として「+ transform 2ndStage」を掲げ、「バイモーダルなDXカンパニーへの成長」という目標を踏襲し、既存ビジネスの拡大を基盤として、DX分野への参画・拡大、DX人材の育成により一層注力し、更なる成長を目指してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症については、未だ収束が見通せない状況が継続しており、今後の状況次第では当社業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。不可抗力による事象を防止または軽減することには多くの困難も伴いますが、これまでのウィズコロナにおける取組みを元に見直し・改善を継続し、不測の事態に備えて参ります。
(3) 対処すべき課題
2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種等が進み国内の新規感染者数は減少傾向にありましたが、変異株の流行で新規感染者数が再び増加傾向となり、先行き不透明な状況が続いております。一方で、コロナ禍で浸透したデジタル・トランスフォーメーション(DX)の波は更に加速していくと見られ、顧客のIT投資は積極的な状況が続くと認識しております。
このような中、当社は2022年度から2024年度までの3カ年を対象にした新たな中期経営計画「+ transform 2nd Stage」を策定しました。前中期経営計画で掲げた「バイモーダルなDXカンパニー」を目指す姿勢を踏襲しながら、新たな基本方針への取り組みを推し進めてまいります。
① DXの推進
ビジネスイノベーション室を中心にDXビジネスへの取り組みを進め、需要予測、自然言語処理、ビッグデータ分析などのAI関連分野へ参入致しました。今後も当社の強みである証券、金融、保険などの業務知識を活かし、顧客が求めるDXの実現を目指して取り組んでまいります。
また、DXビジネスを推進していくためには、DX人材の育成が引き続き重要課題となります。
当社では近年、従来のIT技術者に加え、AI・データサイエンス分野の技術者育成に注力してまいりました。今後、DXビジネスを更に推し進めていくにあたり、AI・データサイエンス分野以外のDX系技術者育成も急務であると認識しております。DXビジネスを推進する企業として、全社員がDXの知見を持ち、顧客の期待に応えることができるよう、戦略的な人材育成計画を策定し取り組んでまいります。
② 既存ビジネス領域の維持・拡大
経済産業省が2018年9月に『DXレポート』を公表して以降、日本企業はDXへの取り組みを本格化させるとともに、レガシーシステムの見直しを進めています。当社が長年にわたり培ってきたナレッジや経験を活かしてレガシーシステムのモダナイゼーションを推進するとともに、高品質且つ信頼性に優れたサービスを提供し、既存ビジネスの安定的成長を目指してまいります。
③ 社内デジタル基盤の強化
コロナ禍をきっかけに、行政や企業におけるデジタル化の遅れが浮き彫りになりました。当社においても在宅勤務を進めるにあたりデジタルツールを導入、利用の促進を図ることで社内のデジタライゼーションを進めてまいりました。今後は経営戦略室に新設したDHQ推進グループを中心に更なる社内デジタル基盤の強化策を講じ、災害などの外的要因に揺るがない強固なIT基盤を構築することを目指します。
④ 成長戦略としての人材確保と働き方改革
コロナ禍でオンラインによる採用活動がメインとなり、企業と学生の間でミスマッチが生じやすい状況が続いております。当社ではオンラインのみならず、Face to Faceのアプローチを重視することでミスマッチを防ぎ、学生の満足度を高める施策を講じてまいりました。
また企業として職場環境を整えることは、優秀な人材を確保するだけでなく、会社の持続的成長に繋がると考えております。働き方改革を更に推し進めるとともに、在宅勤務の普及によるコミュニケーション不足の防止などの重要課題に対し、引き続き積極的に対応してまいります。
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