課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「“伝える・伝わる・笑顔になる”をPOP(POWER OF POP)で実現したい」というビジョン実現に向けて企業活動を進め、その事業ドメインとして当社グループが定めた「“買いたい”をつくり続ける」という領域において、消費者・ショッパーに消費財を創出するメーカー、購買機会を提供する流通小売業とともに、消費者・ショッパーが心から“欲しい”そして“買いたい”と想う気持ち・笑顔を、未来に渡ってつくり続けたいと考え、事業活動を行ってまいります。

 これまでは、あらゆる素材・形態のPOP広告ツールを取扱い、さまざまな業種を対象とし、その企画・デザインから販売までを行う会社として事業活動をしてまいりましたが、今後は、POP広告事業の可能性を更に追求した事業活動を展開していく所存です。

 具体的には、従来の購買時点広告(Point of purchase advertising 購買欲求、比較・検討、来店・購入の販促)の提供のみならず、その前後の購買行動(認知・共感、興味・関心、情報収集から継続購入、顧客化、共有拡散の各ステージ)における価値提供をするべく、新たな企画・デザイン・サービス・提案を創り出していきます。

 そして、創業以来提供してきた"製品をデザイン・製作してお届けする"というモノを提供する事業形態から、"モノ・サービスを通じて消費者・ショッパーに“欲しい”そして“買いたい”という気持ち・笑顔を与えられる、買う意味を心に残すこと“を実現できる事業形態へと、その歩を進めたいと考え、事業活動をしてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、提供する製商品・サービスの付加価値を測る尺度としての「売上総利益」と、事業活動を効率的に行った結果としての「営業利益」、そして効率性を表す数値として「総資産経常利益率」を重要な経営指標と捉えております。

 当社グループは新規事業の創出及び既存事業の効率化を通じて、企業価値を安定的に高めていくことを目標としており、その向上を目指します。

 当連結会計年度における各経営指標の実績につきましては、売上総利益は2,189百万円(前連結会計年度比11.4%減)、営業損失は146百万円(前連結会計年度は88百万円の営業損失)、総資産経常利益率△3.1%(前連結会計年度は△0.1%)となっております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、POP広告業界における独自ポジション確立に向け、主要3事業である「POP GALLERY事業」、「店頭プロモーション事業」、「サービス・デザイン事業」の付加価値創出に取り組んでまいります。そして、現場主体の自由な発想により、主要3事業のブラッシュアップを長期にわたり継続し、競合他社との差別化を実現し、当社顧客層への独自の価値提供を通じて、当社グループの収益性の向上を図ってまいります。

 リスク管理面では、グループ従業員に対するコンプライアンス教育により法令遵守を徹底するとともに、内部統制システムにつきましても一層の充実と体制強化を図ってまいります。また、時代と共に変化する社会的な要請に対しても、ESG、SDGsやコーポレートガバナンスコードなどに照らし合わせ、継続して取り組みをしてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは「POP GALLERY事業」、「店頭プロモーション事業」、「サービス・デザイン事業」の主要3事業の付加価値創出に取り組むことを中長期の経営戦略としております。その達成のために、長期・継続的なブラッシュアップをするとともに、特に優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、今後社会的に重要性が高まるデジタル領域における製品・サービス、事業の開発であります。「POP GALLERY事業」におきましては、当社オリジナル製商品である「POP GALLERY」のオンラインサイトへのシステム投資の拡充を今後も進めてまいります。「店頭プロモーション事業」におきましても、当社の主力サービスとして定着してきたクローズドキャンペーンのプロモーションについて、実店舗・紙媒体での展開から、WEBやSNSを利用したサービスへと、デジタル技術を駆使したサービスへと今後も進化を進めてまいります。また、「サービス・デザイン事業」におきましては、子会社POPKIT株式会社を設立し、当社オリジナルデジタルサービスとして、日本初のPOP作成アプリサービスPOPKIT(ポップキット)の運営・提供事業を開始いたしました。このように各事業におきまして、デジタル領域における新しいサービスの開発に取り組むとともに、新サービス・事業提携・M&A等を模索し、高付加価値企画提案活動の強化を図ってまいります。

 また、リアル店舗での購買からECサイトでの購買へと消費・購買行動が劇的に大きく変容した場合、当社グループが行うリアル店舗・空間を基点としたプロモーション提供というビジネスモデルが根底から覆されるリスクもシミュレーションしながら事業活動を行う必要性があります。加えて、WEB3.0、メタバース、NFT、仮想通貨等、新しい概念・技術革新が生まれており、ビジョンに照らし当社として、どのような事業、可能性があるのか、検討してまいります。

 しかしながら、これらの課題は当社グループのビジネスモデルの根幹にかかわる問題であり、その解決策や対処法は短期的に見出すことは極めて困難であり、継続的な対応を行いながら、随時検討を進めてまいります。

 そして、当社グループは「“伝える・伝わる・笑顔になる”をPOP(POWER OF POP)で実現したい。」という当社ビジョン実現に向け、行動してまいりますが、その活動の原動力は付加価値を生み出す当社グループ社員の人間力であり、その人的資本が有効に機能するべく、教育投資・システム投資・人事制度構築等に対して継続的に経営資源を投じてまいります。

 

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