業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出される等、経済活動に大きな制約を受けました。ワクチン接種の普及や緊急事態宣言等の解除により段階的な経済活動の再開により一部で持ち直しの動きがみられましたが、新たな変異ウイルスによる感染拡大、原材料価格の上昇やウクライナ情勢の動向などの懸念事項もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)は「世界No.1 のグローバル・オンライン・コミュニティ・カンパニー」を目指し、オンラインゲーム事業及びスマートフォンアプリ事業を進めてまいりました。

 当社グループの当連結会計年度における経営成績の概況は以下のとおりであります。

 当連結会計年度は、連結売上高600,958千円(前期比39.0%減)となり、大幅な減収となりました。これは、主にスマートフォンアプリ事業において、前期にライセンス譲渡による一時的な売上高が発生したこと及び当該ライセンス譲渡によるスマートフォンアプリ事業の売上高が減少したことにより前期と比較し売上高が減少したものであります。

 売上原価につきましては、上記ライセンス譲渡によるスマートフォンアプリ事業の売上高の減少に伴い支払ロイヤリティが減少したことから減少となりました。

 販売費及び一般管理費につきましては、前期と比較して「Rappelz(ラペルズモバイル)」(※1)に係るアウトソーシング費用が増加したものの、ソフトウエア償却費が減少したことから、減少となりました。

 また、暗号資産売却益24,925千円、暗号資産評価益24,979千円、為替差益25,981千円を営業外収益として計上いたしました。

 これらの結果、営業損失297,865千円(前期は営業利益26,265千円)、経常損失220,339千円(前期は経常利益93,273千円)、親会社株主に帰属する当期純損失186,142千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失131,087千円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の概況は、次のとおりであります。

a.日本

 日本セグメントでは、連結子会社Gala Lab Corp.が開発したスマートフォンゲームアプリ「Rappelz (ラペルズモバイル)」については、主にゲームのクオリティの向上や機能強化のために開発期間が長期化し、リリースが遅延したものの、2021年10月にアメリカ・カナダでのサービス提供を開始いたしました。現在、「Rappelz(ラペルズモバイル)」にブロックチェーン技術を組み合わせてNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム(※2)にリニューアルし、グローバルエリアにおけるリリースに向けて準備を進めております。NFTゲーム/ブロックチェーンゲームは、ゲーム内のアイテム等が暗号資産基盤技術であるブロックチェーン(※3)により「NFT(※4)化」され、ユーザーがゲーム内で得たアイテム等を暗号資産に変えて取引所等で売買が可能となります。これにより、ゲームの魅力をより高め、スマートフォンアプリ事業の収益化に向けて注力してまいります。サービス開始予定は、アメリカでの再リリースが2023年3月期第2四半期、台湾及びEUが2023年3月期第3四半期、韓国及び日本が2023年3月期第4四半期を予定しております。

 また、当社は、2021年4月2日開催の取締役会において、㈱ツリーフルが実施する第三者割当増資の引受及び同社を子会社化することについて決議し、2021年4月30日に同社の株式を取得いたしました。これに伴い、当社グループは、ツリーハウスリゾート事業を新規事業として開始いたしました。ツリーハウスリゾート事業は、連結子会社㈱ツリーフルが沖縄県名護市で行っているツリーハウス及び地上の建築物であるエアロハウスを1つのセットにして宿泊者に提供するリゾート事業であります。㈱ツリーフルは、2021年7月に「旅館業法に基づく旅館業営業許可申請」が許可され、日本で初めて宿泊料を受けて宿泊が可能なツリーハウスリゾートとして2021年8月にオープンいたしました。

 ツリーハウスリゾートのコンセプトは、「サステイナブル(持続可能な)リゾート」であり、化石燃料を使用せず、代わりに電気を使用し、使用量よりも多くの太陽光発電により持続可能な社会を構築することを目指しております。当社グループは、ツリーハウスリゾート事業について成長戦略を見出し、グループの企業価値向上を目指してまいります。

 上記の売上高計上の他、クラウド関連事業の売上高の増加により、前期と比較し売上高(内部取引を含む)が増加いたしました。なお、クラウド関連事業は、韓国のMegazone社グループのクラウド事業の日本展開に関して、日本国内の営業サポート業務、運営サポート業務、採用及び人事管理サポート業務、イベントサポート業務を行っております。

 費用面では、㈱ツリーフルが連結の範囲に含まれたことにより主に人件費及び減価償却費の増加があり販売費及び一般管理費が増加いたしました。

 これらの結果、日本セグメントにおける売上高は76,747千円(内部取引を含む)と前期比で22,098千円(40.4%)の増加となり、セグメント損失が185,479千円(前期は164,138千円の損失)となりました。

 

b.韓国

 韓国セグメントでは、スマートフォンアプリ事業において、連結子会社Gala Mix Inc.が開発した歩数計アプリ「winwalk(ウィンウォーク)」、スマートフォンアプリ「wingift(ウィンギフト)」及びスマートフォンアプリ「winQuiz(ウィンクイズ)」について、グローバルなネットワークを活かした多言語展開による配信を進めており、売上高が順調に推移したものの、Gala Lab Corp.が開発したスマートフォンゲームアプリ「Flyff Legacy(フリフレガシー)」について、2021年1月において、韓国のMETABORA Co., Ltd.(契約時の社名:WAY2BIT Co., Ltd 以下METABORA Co., Ltd.とする)とライセンス及び運営権の譲渡契約を締結したことにより前期にライセンス譲渡による一時的な売上高が発生したこと及び当該ライセンス譲渡によるスマートフォンアプリ事業の売上高が減少したことにより前期と比較し売上高(内部取引を含む)が減少いたしました。

 なお、2022年4月1日において、Gala Lab Corp.は、METABORA Co., Ltd.と「Flyff Legacy(フリフレガシー)」の権利を再取得する契約を締結しております。

 一方、オンラインゲーム事業では、Gala Lab Corp.の主力ゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」において、ライセンス展開及びチャネリング展開(※5)を進めておりますが、前期において「巣ごもり消費」が生じたこと及びライセンスフィー等の収益化による一時的な売上高が発生したことにより、前期と比較して売上高(内部取引を含む)が減少いたしました。

 ライセンス展開においては、当社の強みであるグローバルなネットワークを活かした多言語展開によるサービス提供として、「Flyff Online(フリフオンライン)」について、2021年6月に台湾のゲーム提供会社Digeam Co., Ltd.によりサービス提供を開始いたしました。

 チャネリング展開においては、「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」について、2021年1月に締結した、METABORA Co., Ltd.とグローバルライセンス契約、チャネリング契約及び運営サポート契約に基づき、METABORA Co., Ltd.は、LINE株式会社が提供しているプラットフォーム「LINE POD」により「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」のサービス展開を進めており、2021年6月に日本語版の提供を開始いたしました。これにより、Gala Lab Corp.は、ライセンス収入及び運営サポート収入を得ております。

 また、今後の収益貢献への施策として、Gala Lab Corp.は、「Flyff Online(フリフオンライン)」をベースに、ダウンロード不要でPC及びスマートフォンでのプレイが可能なHTML5ゲームの要素とブロックチェーン技術によるNFTゲーム/ブロックチェーンゲームの要素を組み合わせた「Flyff Universe(フリフユニバース)」のリリースを予定しております。さらに、収益貢献へのもう一つの施策として、Gala Lab Corp.は、メタバース(※6)プロジェクトとして2021年4月にMETABORA Co., Ltd.及び韓国のエンターテイメント会社Barunson Co., Ltd.とブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム内で提供するゲーム「Flyff World for Metaverse」及び「Rappelz World for Metaverse」の開発契約を締結いたしました。当該メタバースプロジェクトでは、Barunson Co., Ltd.がメタバースの三次元仮想空間を開発・実装することにより、メタバースプラットフォームの提供・運営を行い、メタバース内で暗号資産「BORA」が利用できるシステムを開発・構築します。METABORA Co., Ltd.はメタバース内で使用可能なブロックチェーン技術開発と技術支援を担当します。Gala Lab Corp.はグローバルサービス提供中のPCオンラインゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」のIPを使い、Barunson Co., Ltd.が提供予定のメタバースプラットフォーム内で提供するゲーム「Flyff World for Metaverse」及び「Rappelz World for Metaverse」の開発・コンテンツ制作及びサービス運営を担当します。

 これらにより、ゲームの提供先を増やし、オンラインゲーム事業の安定的な収益化に向けて注力してまいります。

 費用面では、「Rappelz(ラペルズモバイル)」に係るアウトソーシング費用が増加した一方でソフトウエア償却費が減少したことにより販売費及び一般管理費が減少いたしました。

 これらの結果、韓国セグメントにおける売上高は571,885千円(内部取引を含む)と前期比で392,687千円(40.7%)の減収となり、セグメント損失が98,993千円(前期は190,181千円の利益)となりました。

 

(※1)東南アジア版「Rappelz M(ラペルズモバイル)」から大幅アップデートを行い「Rappelz(ラペルズモバイル)」としてリニューアルいたしました。

(※2)NFTゲーム/ブロックチェーンゲームとは、暗号資産基盤技術であるブロックチェーン(※3)を利用し、ゲーム内アイテムが「NFT化」されているゲームをいいます。GemeFi(GemeとDecentralized Finance:ゲームと分散型金融を掛け合わせた造語)とも言われています。

(※3)ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法であり、一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながら正しい記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みであります。

(※4)NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことであり、暗号資産と同じく、ブロックチェーン上で発行および取引されるデジタルデータであります。

(※5)チャネリングとは、オンラインゲーム等に関して、他社のゲームポータルサイトにてプレイできるようになるサービスをいいます。

(※6)メタバース(Metaverse)は、超を意味するメタ(meta)と宇宙を意味するユニバース(universe)から作られた合成語で、多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できるインターネット上に構築された多人数参加型の3次元仮想空間です。利用者はアバターと呼ばれる自分の分身を介して仮想空間に入ることでその世界の探索、他の利用者とのコミュニケーションを図ることができます。また、ユーザーが独自のゲームを作成し、他のユーザーにプレイさせて収益化することやユーザーがゲーム内のアイテム等をNFT(※4)として他のユーザーと暗号資産により売買することができる仕組みを構築できます。

 

 事業部門別の売上高を示すと、次のとおりであります。

 

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

オンラインゲーム事業

397,226

40.3

371,970

61.9

スマートフォンアプリ事業

510,687

51.8

113,086

18.8

その他事業

77,499

7.9

115,901

19.3

合計

985,413

100.0

600,958

100.0

(注)事業部門別売上高内訳におきましては、記載金額の千円未満を切り捨てて表示しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて536,441千円減少し、288,934千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、595,893千円の資金使用(前期は381,854千円の資金獲得)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純損失218,633千円、前受収益の減少95,555千円、長期前受収益の減少72,636千円、退職給付に係る負債の減少額50,353千円、暗号資産売却益24,925千円及び暗号資産評価益24,979千円の支出要因に対して、未払金の増加18,928千円、減価償却費14,816千円、のれん償却額13,990千円の収入要因によるものであります。前受収益及び長期前受収益の減少は、主にライセンスフィーの償却によるものであります。暗号資産売却益及び暗号資産評価益は、主に当社連結子会社Gala Lab Corp.が取得した暗号資産「BORA」に関して、売却及び当連結会計年度末時点の市場価格で評価替えを行ったことにより発生したものであります。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、62,311千円の資金獲得(前期は623千円の資金獲得)となりました。主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入113,504千円の収入要因に対して、有形固定資産の取得による支出41,353千円、無形固定資産の取得による支出9,839千円の要因によるものであります。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入は、㈱ツリーフルを連結の範囲に含めたことにより生じたものであります。

 

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において、該当事項はありません(前年同期は310,100千円の資金獲得)。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績については、当社は受注生産を行っていないため、受注状況の記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

金額(千円)

前期比(%)

日本

55,451

99.4

韓国

545,507

△43.0

合計

600,958

△39.0

(注)1 セグメント取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Friends Games Corp.

(WAY2BIT Co., Ltd)

474,123

48.1

328,505

54.7

Webzen Dubline Ltd.

69,948

7.1

3 WAY2BIT Co., Ltdは、Friends Games Corp.との合併により2021年7月1日付でFriends Games Corp.に、また、2022年4月1日付でMETABORA Co., Ltd.に社名を変更しております。

 

(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産及び負債の報告数値、決算期間における収入及び費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、退職給付に係る負債及び繰延税金資産、固定資産の減損損失等であり、継続して評価を行っております。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 なお、評価につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響については、依然として不確実性が高く、将来事業計画等の見積数値に反映させることが難しい要素がありますが、新型コロナウイルスの感染拡大が少なくとも2023年3月まで続くものと仮定し、期末時点で入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。

 

② 財政状態の分析

a.資産

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて44.5%減少し、500,241千円となりました。これは主に暗号資産が126,205千円、売掛金が14,121千円増加したことに対して、現金及び預金が536,441千円減少したことによります。暗号資産は主にメタバースプロジェクトにおいて暗号資産「BORA」の初期流動化投資として購入したものであります。また、現金及び預金の減少は、主に税金等調整前当期純損失218,633千円の計上、前受収益の減少95,555千円、長期前受収益の減少72,636千円、退職給付に係る負債の減少50,353千円によるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて198.0%増加し、547,417千円となりました。これは主に㈱ツリーフルを連結の範囲に含めたことにより建物及び構築物(純額)が152,211千円、土地が46,294千円、のれんが108,109千円増加したことによります。

 この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて3.5%減少し、1,047,658千円となりました。

 

b.負債

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて36.8%減少し、191,434千円となりました。これは主に未払金が36,509千円増加したことに対して、前受収益が116,039千円減少したことによります。未払金の増加は、主にマーケティングコストやサーバー費用の増加によるものであります。前受収益の減少は、主にライセンスフィーの償却によるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて12.7%減少し、417,783千円となりました。これは主に㈱ツリーフルを連結の範囲に含めたことにより長期借入金が48,000千円増加したことに対して、長期前受収益が64,937千円、退職給付に係る負債が43,778千円減少したことによります。長期前受収益の減少は、主にライセンスフィーの償却によるものであり、退職給付に係る負債の減少は、退職者に対する退職金の支払によるものであります。

 この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて22.1%減少し、609,218千円となりました。

 

c.純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べて44.3%増加し、438,439千円となりました。これは主に㈱ツリーフルを連結の範囲に含めたことにより非支配株主持分が353,351千円増加したことに対して、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が186,142千円減少したことによるものであります。

 

③ 経営成績の分析

a.売上高

 当連結会計年度における業績の概況は、連結売上高600,958千円(前期比39.0%減)となり、大幅な減収となりました。

 これは、主にオンラインゲーム事業、スマートフォンアプリ事業の売上高が前期と比較して減少したことによります。オンラインゲーム事業では、主に前連結会計年度において、ゲーム提供会社の過年度の契約に係るパブリッシング権の権利不行使に基づくライセンスフィー等の収益化による一時的な売上が発生したことにより、前連結会計年度に比べて6.4%減の371,970千円となりました。また、スマートフォンアプリ事業では、主に歩数計アプリ「winwalk( ウィンウォーク)」、スマートフォンアプリ「wingift(ウィンギフト)」及びスマートフォンアプリ「winQuiz(ウィンクイズ)」について、グローバルなネットワークを活かした多言語展開による配信を進めており、売上高が順調に推移した一方で、2021年10月にアメリカ・カナダでのサービス提供を開始した「Rappelz(ラペルズモバイル)」の売上高が低調に推移したこと及び前連結会計年度において、「Flyff Legacy(フリフレガシー)」のライセンス譲渡による一時的な売上が生じたことにより、前連結会計年度に比べて77.9%減の113,086千円となりました。その他事業では、主に㈱ツリーフルを連結の範囲に含めたことによるツリーハウスリゾート事業の売上高の計上及び新規事業であるクラウド関連事業の売上高の増加があり、前連結会計年度に比べて49.6%増の115,901千円となりました。

 

b.売上原価

 売上原価は、売上高減少に伴う支払ロイヤリティの減少により、前連結会計年度に比べて23.2%減の128,525千円となりました。

 

c.売上総利益

 売上総利益は前連結会計年度と比べて42.2%減少の472,432千円であり、売上高に対する割合は78.6%と前連結会計年度比で4.4ポイントの減少となりました。

 

d.販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて2.7%減少の770,298千円となり、売上高に対する割合は128.2%と、前連結会計年度比で47.8ポイントの増加となりました。主な要因は「Rappelz(ラペルズモバイル)」に係るアウトソーシング費用が増加したものの、ソフトウエア償却費が減少したことによるものであります。なお、販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料及び手当283,318千円、役員報酬141,788千円及び支払手数料124,079千円であります。

 

e.営業利益

 営業損益は297,865千円の営業赤字(前連結会計年度は26,265千円の営業黒字)となりました。これは、主に売上高の減少に伴う売上総利益の減少によるものであります。

 当社の経営目標である営業利益の業績回復に向けてスマートフォンアプリ事業の早期収益化や新たな収益基盤の確立により売上高拡大を図るべくスマートフォンアプリ事業及び新規事業の事業展開に注力してまいります。

 

f.営業外損益

営業外収益

 営業外収益は78,438千円となりました。主な内訳は、当社連結子会社Gala Lab Corp.が保有していた暗号資産を売却したことによる暗号資産売却益24,925千円、同社が保有する暗号資産に関して、市場価格で評価替えを行ったことにより発生した暗号資産評価益24,979千円、為替差益25,981千円であります。

営業外費用

 営業外費用は912千円となりました。主な内訳は、支払利息148千円であります。

 

g.特別損益

特別利益

 特別利益は2,129千円となりました。内訳は、行使期間満了による新株予約権戻入益2,129千円であります。

特別損失

 特別損失は424千円となりました。内訳は、収益性の見込めない全社資産についての減損損失424千円であります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、収益基盤の確立に取り組んでおり、当期はスマートフォンアプリ事業の拡大と収益獲得に注力いたしました。次期以降も当該事業拡大による影響が続くと認識しております。スマートフォンアプリ事業における開発の成否、サービス提供準備やダウンロード配信等のスケジュールが遅延する等の変動要因が、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備投資資金であります。運転資金及び設備投資資金については、主に自己資本により調達することを基本としております。

 当社は2022年5月13日開催の当社取締役会において、第三者割当による新株式(以下「本新株式」といいます。)の発行及び第7回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の発行を決議し、2022年5月30日に払込手続が完了しており、事業運営上必要な資金を確保及び流動性の維持を図っております。

 本新株式により調達した178,601千円(手取概算額)の資金使途は、Metaverseプロジェクトコンテンツ開発活動費用に充当する予定であります。また、本新株予約権及びその行使により調達する552,588千円(手取概算額)の資金使途は、NFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」のマーケティング活動費用及び人件費等の運営費用に充当する予定であります。なお、本新株予約権の行使期間中に行使が行われない場合又は当社が取得した新株予約権を消却した場合には、上記手取概算額は減少いたします。

 また、当社グループの設備投資計画につきましては、重要な設備の新設等及び重要な設備の除却の計画はありません。

 

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