課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針等

① 経営理念

 当社グループは、インターネットにおけるコミュニティ関連サービスの提供を通じて、世界の人々の交流を促進し、新たな経済価値創造による社会の発展、国際交流促進による世界の平和に貢献することを経営理念としております。そのため、地球規模での人と人との交流を大切にしたいと考えております。

② 経営方針

 当社グループは、「世界No.1のグローバル・オンライン・コミュニティ・カンパニー」を目指し、継続的な収益の拡大を実現するため、オンラインゲーム事業及びスマートフォンアプリ事業を中心にグローバルなビジネス展開を推進し、世界規模のビジネスネットワークの構築に向けて取り組んでおります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、オンラインゲーム事業のグローバル展開に経営資源を集中させておりましたが、スマートフォンアプリ事業に大きく体制をシフトしてまいりました。そして、今後更なる売上高拡大を図るため、NFTゲーム/ブロックチェーンゲームを経営戦略上の主力の事業と捉え、NFTゲーム/ブロックチェーンゲームの収益化に向けて注力してまいります。この展開の過程で段階的に売上高、営業利益及び経常利益を増大できるものと考えております。当連結会計年度におきましてはオンラインゲーム事業の減益を補う収益貢献には至りませんでした。今後、スマートフォンアプリ事業及びNFTゲーム/ブロックチェーンゲームの開発費用を売上高の増加が上回ることで営業損失及び経常損失は改善していく見込みでありますが、効果を上げることができない場合には財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新たな収益獲得基盤を確立すべく、クラウド関連事業、ツリーハウスリゾート事業及びブロックチェーン関連事業を進めてまいります。

 

 事業別には以下の事業展開を計画しております。

① オンラインゲーム事業

 オンラインゲーム事業において、「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」について、METABORA Co., Ltd.とのライセンス契約の終了に伴い、2022年4月にBPMG Co,. Ltdとチャネリング契約を締結いたしました。今後、他社プラットフォームでプレイが可能となるチャネリング展開を進めてまいります。また、「Flyff Online(フリフオンライン)」をベースに、ダウンロード不要でPC及びスマートフォンでのプレイが可能なHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」について、2022年5月に東南アジアで、2022年6月にグローバルエリアでのサービス提供を開始いたしました。今後、韓国、日本、台湾でのサービス提供を予定しております。さらに、今後、HTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」のHTML5ゲームの要素にブロックチェーン技術によるNFTゲーム/ブロックチェーンゲームの要素を組み合わせたNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」のリリースを予定しております。また、メタバースプロジェクトとしてブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム内で提供するゲーム「Flyff World for Metaverse」及び「Rappelz World for Metaverse」の早期開発を目指します。これらにより、ゲームの提供先を増やし、オンラインゲーム事業の安定的な収益化に向けて注力してまいります。

② スマートフォンアプリ事業

 現在サービス提供中のスマートフォンアプリ「winwalk(ウィンウォーク)」、「wingift(ウィンギフト)」及び「winQuiz(ウィンクイズ)」については、当社グループの強みであるグローバルなネットワークを活かした多言語展開による配信を進めております。

 また、「Rappelz(ラペルズモバイル)」について、2020年3月に配信開始した東南アジアでのリリースに続き、2021年10月にアメリカ・カナダにおいてダウンロード配信を開始いたしました。現在、「Rappelz(ラペルズモバイル)」にブロックチェーン技術を組み合わせてNFTゲーム/ブロックチェーンゲームとしてグローバルエリアにおけるリリースに向けて準備を進めております。NFTゲーム/ブロックチェーンゲームは、ゲーム内のアイテム等が暗号資産基盤技術であるブロックチェーンにより「NFT化」され、ユーザーがゲーム内で得たアイテム等を暗号資産に変えて取引所等で売買が可能となります。これにより、ゲームの魅力をより高め、スマートフォンアプリ事業の収益化に向けて注力してまいります。サービス開始予定は、アメリカでの再リリースが2023年3月期第2四半期、台湾及びEUが2023年3月期第3四半期、韓国及び日本が2023年3月期第4四半期を予定しております。

 なお、スマートフォンゲームアプリ「Flyff Legacy(フリフレガシー)」については、2021年1月にライセンス及び運営権を他社に譲渡しましたが、2022年4月にライセンス及び運営権を再取得する契約を締結いたしました。今後、当社グループでの運営サービスの提供によりゲームユーザーに対するサービス価値の向上を図り、当該ゲームのさらなる成長を促進させてまいります。

 

③ クラウド関連事業

 当社グループは、業務提携先であるMegazone Co.,Ltd.グループ(以下、Megazone社グループ)が行う日本でのアマゾン ウェブ サービス(AWS)等のクラウド事業について、当社グループがMegazone社グループをサポートし、クラウド関連事業を進めてまいります。

 また、当社のクラウド関連事業を主体的に行うための収益基盤を確保するため、クラウド関連事業におけるM&Aを含む資本・業務提携を進めてまいります。

 

④ ツリーハウスリゾート事業

 ツリーハウスリゾート事業は、連結子会社㈱ツリーフルが沖縄県名護市で行っているツリーハウス及び地上の建築物であるエアロハウスを1つのセットにして宿泊者に提供する事業であり、今後、ツリーハウス及びエアロハウスの追加建設により宿泊施設を増やしてまいります。

 

⑤ ブロックチェーン関連事業

 ブロックチェーン関連事業は、ブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム(メタバースの三次元仮想空間)において、様々なコミュニティやゲーム等のコンテンツを提供してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、営業利益の業績回復を最も重要な経営目標としております。

 当社グループは、売上高の拡大による企業の成長及び収益基盤の確立を最重要課題と認識しており、利益確保体制の確立を目標としております。

 

(4)経営環境

① 事業を行う市場の状況

 当社グループのオンラインゲーム事業及びスマートフォンアプリ事業における、市場の動向は以下のとおりとなっております。

 グローバルゲーム市場における2022年度のオンラインゲーム市場は、前年度比2%増の410億ドルに対して、スマートフォンゲーム市場は、前年度比5%増の1,035億ドルになると予想されております(newzoo「Global Games Market Forecast Toward 2024」より)。

 当社は、グローバルのオンラインゲーム市場及びスマートフォンゲーム市場について、以下のように分析しております。

 オンラインゲーム市場において、2021年度は、新型コロナウイルスによるいわゆる「巣ごもり消費」の影響が落ち着いていくものの継続的な成長が見込まれるものと分析しております。一方でスマートフォンゲーム市場においては、2022年度も継続して市場の成長が見込まれているものと分析しております。但し、ゲームの収益性は個別タイトルの人気に左右される要素が大きく、また、市場で新しくリリースされるタイトルも多いことから競争が激しい市場であると認識しております。

② 競合他社との競争優位性

 当社グループの競争優位性として以下を認識しております。

a.当社グループが開発したMMORPG(*)の2大タイトルである「Flyff」及び「Rappelz」の顧客基盤

PCオンラインゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」の世界5,000万ダウンロード実績

b.世界各国への配信ネットワーク

北米・欧州・アジア・オセアニア・中東等、世界20ヶ国以上に展開

c.多言語対応の開発力・サポート力

英語版、韓国語版、中国語版、ドイツ語版、フランス語版、スペイン語版、アラビア語版、ロシア語版等の多言語展開による開発・サポート体制

 

*:Massively Multiplayer Online Role Playing Game:大規模多人数参加型ロールプレイングゲームのことであり、インターネットを利用し、数千人規模のユーザーが同時に参加して遊べるロールプレイングゲームであります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは「グローバル・オンライン・コミュニティ・カンパニー」として、オンライン・コミュニティ関連事業をビジネスの中核に捉えて早期の収益基盤確立を目指し、数々の施策に取り組んでおりますが、以下の課題を認識しており、次期以降につきましても積極的に対処していく所存であります。

 

① ゲーム事業の早期収益化

 当社グループは、スマートフォンアプリ事業において、自社開発したMMORPGの2大タイトルであるPCオンラインゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」を題材としたスマートフォンアプリの開発に注力し、2014年12月にスマートフォンアプリ「Flyff All Stars(フリフオールスターズ)」、2017年1月にスマートフォンアプリ「Flyff Legacy(フリフレガシー)」、そして、スマートフォンアプリ「Rappelz(ラペルズモバイル)」を2020年3月に東南アジアにおいて、2021年10月にアメリカ・カナダにおいてダウンロード配信を開始いたしました。しかしながら、現状では、「Rappelz(ラペルズモバイル)」の売上が低調なため収益貢献には至っておらず更なる売上高拡大を図る必要があり、ゲーム事業の早期収益化を経営課題として認識しております。

 そのため、当社グループは、ユーザーがゲームを楽しむだけでなく、アイテムを売却することによる収益を獲得することができるNFTゲーム/ブロックチェーンゲームを経営戦略上の主力の事業と捉え、既存のゲームタイトルを順次NFTゲーム/ブロックチェーンゲーム化していくことによりNFTゲーム/ブロックチェーンゲームの収益化に向けて注力してまいります。

 一方、オンラインゲーム事業において、ライセンス展開及び他社プラットフォームでプレイが可能となるチャネリング展開を進めております。また「Flyff Online(フリフオンライン)」をベースに、ダウンロード不要でPC及びスマートフォンでのプレイが可能なHTML5ゲームの要素とブロックチェーン技術によるNFTゲーム/ブロックチェーンゲームの要素を組み合わせた「Flyff Universe(フリフユニバース)」のリリースを予定しております。さらに、メタバースプロジェクトとしてブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム内で提供するゲーム「Flyff World for Metaverse」及び「Rappelz World for Metaverse」の早期開発を目指します。これらにより、ゲームの提供先を増やし、オンラインゲーム事業の安定的な収益化に向けて注力してまいります。

② 新たな収益基盤の確立

 当社グループは、主力事業であるゲーム事業以外の新規事業により収益源を確保するとともに安定的な収益基盤を確立することを重要な経営課題であると認識しており、新規事業として、クラウド関連事業、ツリーハウスリゾート事業及びブロックチェーン関連事業の収益基盤の確立に向けて注力してまいります。

 クラウド関連事業は、2019年5月に業務提携した韓国のクラウド事業会社Megazone Cloud Corporationの日本展開に関して日本国内の営業サポート業務、運営サポート業務、採用及び人事管理サポート業務、イベントサポート業務を行ってまいります。また、ツリーハウスリゾート事業は、連結子会社㈱ツリーフルが沖縄県名護市で行っているツリーハウス及び地上の建築物であるエアロハウスを1つのセットにして宿泊者に提供する事業であり、今後、ツリーハウス及びエアロハウスの追加建設により宿泊施設を増やしてまいります。さらに、ブロックチェーン関連事業は、ブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム(メタバースの三次元仮想空間)において、様々なコミュニティやゲーム等のコンテンツを提供してまいります。

③ 資金調達

 当社グループは、スマートフォンアプリ事業及び新規事業を推進する上で、ライセンス取得、開発及びプロモーション等の資金が必要であります。次期以降も資金調達について引き続き検討してまいります。

 なお、当社は2022年5月13日開催の当社取締役会において、第三者割当による新株式の発行及び第7回新株予約権の発行を決議し、2022年5月30日に払込手続が完了しております。

④ 内部統制システムの適正維持

 当社グループは、内部統制システムの適正な維持を重要な対処すべき課題と認識しております。

 引き続き、財務情報の精度並びに正確性確保を目的に、在外連結子会社を含めた経理体制の整備、適切な業務プロセスの構築を継続的に取り組んでいく所存であります。

 

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