課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社及び当社連結法人(以下総称して「当社連結企業集団」)が判断したものであります。当社連結企業集団は、事業基盤の確立のため、以下の取り組みを重点課題とし、企業体制の強化を進めてまいります。

 

(1)経営における基本方針

当社連結企業集団は、親会社であるGMOインターネットグループのインターネット広告・メディアセグメントを構成する連結企業集団として「すべての人にインターネット」という企業理念のもと、インターネット広告事業におけるナンバーワンを目指し、事業を展開しております。

 また、事業運営にあたり、「ともにつくろう」をかかげ、すべてのステークホルダーと協同し、新しいサービスを生み出し、社会に対してよりよい価値を提供していくことをミッションとしています。

 

(2)経営環境

① 当連結会計年度における市場の状況の認識

当社連結企業集団の事業領域であるインターネット広告市場につきましては、2020年度の広告費が2兆2千億円を超え、総広告費に占める割合は36%超の規模にまで成長しております。総広告費が新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け減少する中において、継続して拡大・成長を続ける市場となりました(株式会社電通調べ)。さらに、消費者の可処分時間におけるインターネットの利用の割合は平日においては近年一貫して増加しており、直近の調査では平日におけるテレビの視聴時間を上回る結果となるなど(総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より)、インターネット広告市場は引き続き高い成長性を持った、拡大余地のある市場であると認識しております。

このような流れを受け、市場ではマス広告のように、認知促進を目的として動画広告等を活用するなど、企業における広告活動のより多様な領域においてインターネット広告の活用が進んでおります。当社連結企業集団では、今後も同様の傾向が続くものと見込んでおり、本市場におけるさらなる取扱高の拡大と、市場トレンドに即した柔軟な戦略による収益の最大化を企図し、事業活動を行っております。

 当連結会計年度においては、消費市場は専ら新型コロナウイルスの感染拡大の影響下にありながら、東京オリンピックの開催を契機とした経済活動の再始動をにらんだ先行的な需要の回復がみられるなど、様々な要素が複雑に関連した経済環境でありました。

当社連結企業集団においても、直接的・間接的にこうした外部要因が業績に影響を及ぼすこととなり、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった前連結会計年度に増して、不透明な事業環境となりましたが、リモートワークや業務効率化の推進などの内部施策に始まり、withコロナ・afterコロナを見据えたマーケティングプランの提案といった営業活動施策などの細部において、役員・従業員が一丸となって事業活動に取り組んでまいりました。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大による当社事業への影響については「事業等のリスク」および「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の項目にも記載をしております。

 

② 今後の市場の状況の認識

インターネット広告市場はソーシャルメディアの影響力の拡大やいわゆるマス広告等からの予算シフトを受け、引き続き好調に推移していくと考えられます。一方でアドフラウドや広告品質といった市場環境の整備に関する課題は、インターネット広告におけるテクノロジーをどのように広告主・生活者のニーズと適合させていくのかという課題にそのレベルを変化させており、参画企業の取組みにいっそうの注目が集まっています。特に市場におけるプレーヤーとしての立場において、大手プラットフォーマーとの共存を進めつつ、独自性を打ち出していくことが求められており、参画企業の直面する事業課題は複雑化・多面化しております。

また、約2年間にわたる新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、2022年度においても業績面をはじめとして、引き続き様々な影響を及ぼすものと認識しております。インターネット広告においても、実体経済の動向は、特に広告主のマーケティング予算という形で反映されることから、市場成長の果実を獲得しつつ、外部環境による経営へのマイナス影響を最小化するべく、経営資源の適切な配分、選択と集中が一層重要になっていくものと考えております。

このような市場において、当社は競合他社に対する競争優位性の確保に向け、自社グループ商材の開発と販売拡大・内部管理体制の一層の強化により収益力の向上を掲げ、推進してまいりました。2022年12月期においても、これまでの取り組みを継続しつつ、当社グループ内のみならず、親会社であるGMOインターネットグループ全体での連携を強化し、グループ商材の開発・販売に注力するとともに、成長と収益効率の最大化を目指してまいります。

 

(3)インターネット広告事業における課題

当社連結企業集団は、(1)の記載の方針に基づき、継続してインターネット広告事業に重点を置き、業界をリードするプロ集団を目指すにあたり、競合他社に対する優位性を確保する施策を講じ実現するために、次の点を経営課題として認識しております。

 

① 自社商品・サービスの開発の強化

当社連結企業集団のインターネット広告市場に及ぼす影響力を高めるため、自社商品・サービスの開発力を引き続き強化してまいります。

この方針の実現に向けて、インターネット広告事業特有の問題を技術的に解決できる開発体制を強化し、広告主に選ばれる自社ブランド商品・サービスの拡充に向けて取り組んでまいります。

 

② 自社商品・サービスの提案力の強化・運用力の強化

アドフラウド(広告詐欺)等のインターネット広告における課題に向けて PDCAサイクルを高速化し、自社商品・サービスの提供・運用力強化に引き続き取り組んでまいります。

この実現に向けて、既存業務の効率化や人材育成・拡充などの組織強化を徹底するとともに、既存の協力会社との販売体制を強化・継続することで、サービスの管理体制強化につなげ、市場シェアの拡大を目指してまいります。 

 

③  優秀な人材の獲得と育成、組織の強化

インターネット広告業界をリードするプロ集団を目指すにあたり、高い倫理観を持つ人材の育成は、重要な経営課題の一つとして認識し、継続して取り組んでまいります。

特に、コンプライアンスに対する高い意識付けを目的とした教育・研修や、人材の長期継続雇用体制の構築を目的とした人材育成フォローアップ制度の拡充を図ってまいります。   

また、より良い組織と職場環境の構築を目的としたエンゲージメント施策を講じ、当社連結経営と事業・サービスに関与する全ての役職員の声・組織の状態を可視化することで、外的要因に左右されない強い組織づくりを進めてまいります

 

④ 内部統制の拡充

株主・投資家の判断基準となる企業会計の信ぴょう性はもとより、当社企業活動そのものへの信頼の醸成・予測可能性の提供は、健全な企業統治体制の下でのみ実現しうるものであることを強く認識するとともに、取締役会を中心としたコーポレートガバナンスの停滞、業務・内部管理体制およびコンプライアンス意識の不全により損なわれることにも十全の配慮をし、コーポレートガバナンス体制の整備・充実と、これを支える業務・内部管理体制の拡充、およびコンプライアンス意識の向上に努めてまいります。

 

⑤ 突発的な外的環境変化への対応と社内環境の整備

天災地変・感染症などの外的要因による当社連結企業集団の事業・サービスの停止や業績への影響を回避・軽減するべく、社内システム等の業務基盤の整備、指揮命令系統の連携体制を適宜見直すなど、既存のBCP対策に対して必要に応じて改善を進めてまいります。また、外的要因の環境変化をいち早く感知し、柔軟に対応していくための組織体制の強化を実行してまいります。

特に、前連結会計年度より続く新型コロナウイルスの感染拡大に対し、当社連結企業集団の大切な経営資産である役職員の安全を最優先するとともに、現在の環境が一定の期間にわたって継続することを前提に、事業継続を担保し、新たな外部環境に対応できる仕組みの維持・改善に努めてまいります。

 

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