当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において当社が判断したものであります。
(1)事業におけるリスクについて
イ 事業用地の確保について
当社における駐車場運営形態としては、「賃借」及び「保有」があります。当社では、賃借によって駐車場用地を確保する「賃借駐車場」が、当社の運営管理する駐車場の中で高い割合を占めており、当社事業の基本を成すビジネスモデルであります。「賃借駐車場」は、土地オーナーに賃借料を支払い、当社で駐車場設備を設置し、運営管理を行います。時間貸駐車料金(一部月極を含む)が売上高、そこから賃借料、駐車場機器(精算機・ロック板等)の減価償却費、リース料、運営管理費(機器メンテナンス料・集金費・清掃費・光熱費等)を差し引いたものが、個別の駐車場の売上総利益となります。
当社が事業を拡大するためには、駐車場用地の確保が必要となりますが、土地所有者の土地の有効活用に対する旺盛な需要を背景として、当社の物件数及び車室数の推移は概ね順調に増加しております。なお、令和2年9月期及び令和3年9月期については、新型コロナウイルス感染症の影響により、不採算事業地の解約や新規開拓事業地の厳選を行ったため、若干の減少となりましたが、令和4年9月期には積極的な営業活動を再開し、車室数は過去最多を更新いたしました。
(単位:車室(件))
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今後につきましては、地価の動向、土地に係る税制の改正等の要因により不動産市場が活発化した場合、土地所有者にとって土地の有効活用のための選択肢が増加することにより、当社にとって駐車場用地の確保が困難になり、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。
本リスクへの対応策として、売上総利益率が高く、解約リスクのない保有駐車場を簿価29,521百万円分(不動産信託受益権含む土地)所有しております。また、土地の有効活用のための選択肢については常に注視し、検討を行います。
ロ 土地所有者との賃貸借契約が解約される可能性について
賃借駐車場を設置する際には、土地所有者との間で当社を賃借人とする賃貸借契約を締結しております。当該契約期間は概して2~3年間(当初契約期間)となっており、期間満了後は1年毎の自動更新となっておりますが、土地所有者の意思により賃借駐車場に係る契約の多くが解約された場合、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。
本リスクへの対応策として、定期的に土地所有者との意思疎通を行い、土地所有者の要望等を認識し適宜対応することで本リスクの低減を図っております。
(2)法的規制等について
当社が営む時間貸駐車場の運営に関して、特有の法的規制は現在のところありません。駐車場の設置等に関する法令としては、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めた「駐車場法」をはじめ、都道府県公安委員会による交通規制等を定めた「道路交通法」並びに自動車保有者等に対して自動車の保管場所確保等を定めた「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」等があります。
これらの法律が変更された場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
今後、都市部の自動車利用の制限につながるような法改正等がなされた場合には、当社の営業地域における駐車場の需要の減少等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。
本リスクへの対応策として、関係法令の改正情報等を早期に入手し、その影響を検討して対策をとるとともに、関係法令の遵守を徹底いたします。
(3)借入金について
当社における駐車場開発形態としては、「賃借」及び「保有」がありますが、土地を保有する場合には、当該資金の大部分を金融機関からの長期借入金により調達しております。金融機関からの借入に当たっては原則として借入期間を20年とし、金利についてもその多くを固定金利での調達としておりますが、今後の金利動向等、金融情勢の急激な変化により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。
本リスクへの対応策として、上記の通り、金融機関からの借入に当たっては原則として借入期間を20年とし、金利についてもその多くを固定金利での調達としております。
なお、最近5ヵ年における自己資本比率、長期借入金の推移は、以下のとおりであります。
回次 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
第25期 |
第26期 |
決算年月 |
平成30年9月 |
令和元年9月 |
令和2年9月 |
令和3年9月 |
令和4年9月 |
自己資本比率(%) |
43.0 |
44.6 |
43.4 |
44.7 |
44.7 |
長期借入金合計(百万円) |
13,575 |
15,269 |
17,498 |
17,173 |
18,339 |
1年内返済予定の長期借入金 |
1,585 |
1,592 |
1,744 |
1,780 |
1,992 |
長期借入金(百万円) |
11,989 |
13,676 |
15,754 |
15,393 |
16,347 |
(4)事業用土地の状況について
当社では、当事業年度末現在、総資産額37,671百万円に対し、簿価29,781百万円の土地(不動産信託受益権含む)を所有しております。
これらの土地等につきましては、殆どが当社が営む時間貸駐車場に係る駐車場用地であり、原則的には継続して所有し事業の用に供するものです。また、現時点におきましては、充分な収益を確保しているものと当社では認識しております。しかしながら、今後、売上の低下や営業戦略の大幅な変更等により、当社の事業にとって不要な土地等を売却した場合、当該地価の動向によっては、当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、固定資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合に、一定の条件で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額することとなるため、今後の地価の動向や当社の収益状況によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
提出日現在、当社は本リスクが顕在化することが予測される情報について、認識をしておりません。
本リスクへの対応策として、事業用土地の取得にあたっては、特定の駐車需要に依存し過ぎないことや取得金額が路線価等の指標金額に対して特に高価となる場合には、その売上予測根拠の正確性について丁寧に検証を実施しております。
(5)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の影響に関して、令和2年4月~5月の一度目の緊急事態宣言下においては売上高の急激な落ち込みが生じたものの、感染拡大の度にその影響は低減し、令和4年9月次の売上高においては令和元年(2019年)同月比98.0%まで回復いたしました。
新型コロナウイルス感染者数の推移を踏まえると、令和5年9月期については、新型コロナウイルス感染症は定期的に感染拡大するものの、ウィズコロナを前提として社会経済活動が徐々に再開され、経済活動は正常に近づいていくものと想定しており、事業継続ならびに業績への影響は限定的であると想定しております。
本リスクへの対応策として、不採算駐車場の解約、還元方式への移行、賃料変更など、売上原価の削減に努めると共に、新規開設事業地の厳選を行いましたが、提出日現在においては積極的な営業活動を再開しております。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については不確実性が高く、今後の感染拡大の状況や経済への影響によっては、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
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